私たちは今日、「みんなで考えよう、大阪の防災」をテーマに、第40回公害環境デー「大阪から公害をなくし、地球環境を守り、環境の保全・再生をめざす第40回府民集会」を開催しました。
府民の皆さん
昨年3月11日に発生した東日本大震災は、死者・行方不明者19,167人、家屋の全・半壊371,725戸など、未曾有の大災害をもたらしました。同時に発生した福島第1原発の事故は、政府・東電の「収束宣言」にもかかわらず、今にて収束の目途も立たず、強制退去を命じられた周辺住民は、今も避難生活を続けています。
府民の皆さん
地震・津波、原発の問題は、大阪にとっても深刻です。
地震では、東海・東南海・南海の3連動巨大地震や上町断層帯直下型地震などが、近い将来高い確率で発生すると警告されています。大阪の場合、地震による被害とともに津波による浸水と家屋の倒壊、コンビナート・ガスタンクの被災による大火災、地盤の液状化、地下街や高層ビル問題など、より深刻な事態が予想されます。阪神大震災と東日本大震災を教訓にして、今こそ地震と津波、大災害から生命・絆・都市を守る取り組みを共にすすめようではありませんか。
原発では福井県の若狭湾に、“原発銀座”と言われるほど沢山の原発があります。もし福井の原発で福島同様の事故が起これば、琵琶湖の水が汚染され、直ちに私たちの飲料水がなくなる事態となります。原発はいったん苛酷事故を起こせば制御できない事故となり、放射能は空気・水・大地・海を汚染し、農業・漁業・観光・産業などあらゆる分野に深刻な打撃を与えます。加えて放射性廃棄物の処理・処分方法がないという根本的な欠陥を持っています。私たちは、環境と生活を根こそぎ破壊してしまう原発はなくしてゼロにすること、日本の電力・エネルギー政策を自然エネルギーに大きく転換すること、この2点を共通の要求にして、府民運動を大きくすすめましょう。
府民の皆さん
大阪では40年前、公害や老人医療をはじめとする府民運動の盛り上がりの中で、“府民が主人公”の府政を誕生させ、そのもとで公害被害者の救済や老人医療無料制度を実現し、さらにそれを国の制度にまで高めていった歴史があります。
今、大阪では、昨年11月の大阪府知事選挙、大阪市長選挙で誕生した知事、市長が、“選挙で勝てばそれが民意”とばかりに、教育に行政が介入し、生徒に“競争原理”を持ち込む教育基本条例案、職員を上司に服従させる職員基本条例案などを強行しようとしています。大阪市では職員の思想・信条にまで踏み込む職員アンケートが、市長の業務命令で強行されました。私たちは、大阪府や大阪市に対して憲法と民主主義の遵守を強く求めます。
これらは、一見自治体労働者に対する攻撃のように見えますが、結局は知事・市長にばかり目を向け、住民“目線”のない職員、住民要求を無視する自治体づくりに行き着きます。
住民のいのちと暮らしを第一に考えることこそ自治体本来のあり方です。
自治体に本来の姿を取り戻させ、公害対策・環境行政を前進させ、私たちの要求を実現していくために、草の根からの府民運動を大きく広げましょう。
2012年2月26日
第40回公害環境デー