第3分科会レポート3

集中豪雨・大震災で地下街はどうなる?

山口毅(大阪自治体問題研究所)

1.やっと腰をあげた大阪市

・設置主旨

 大阪府防災会議検討部会から2013年8月に公表された南海トラフ巨大地震・津波による被害想定によると、例えば、大阪駅周辺では最大で浸水深2mとされ、キタやミナミなどの大規模な地下街・地下駅等の地下空間における浸水対策は、喫緊の諜題となっている。

 このような状況の中、大阪市域における大規模な地下空間は、地下街管理会社や鉄道会社など複数の事業者により管理されており、また、民間ビルに接続し、出入口が一体の場合が多く、災害時には、民間ビル事業者も含め、各事業者が連携した対策が必要となっている。

 さらに、大規模な商業集客施設との地下店舗等でも、各事業者との連携や浸水対策を講じる必要がある。

 そこで、このような民間ビルも含めた地下空間において、事業者間の連携、施設整備も含めて浸水対策の促進を図るため、大阪市、大阪府、関係機関、地下街管理者、鉄道会祉、関係民間ビル会社等で構成する『地下空間浸水対策協議会』を設置する。

 協議会における検討事項は、次のとおりである。

(1)地下施設管理者が連携した浸水対策(避難対策及び止水対策)のガイドライン作成
(2)地下施設管理者が連携した訓練の実施
(3)情報典有のためのネットワークづくりなど

・メンバー

[事業者]

(1)地下街・地下道管理者(避難確保計画の作成対象)
 大阪地下街?、大阪市街地開発?、堂島地下街?、西梅田地下道管理協議会
 ?朝日ビルディング、クリスタ長堀?、阪急阪神ビルマネジメント?、建設局

(2)地下駅を有する鉄道会社(避難確保計画の作成対象)
 交通局、西日木旅客鉄道?、近畿日本鉄道?、京阪電気鉄道?、阪神電気鉄道?

(3)上記(1)(2)の施設に接続されているビル等管理者

[行政]

大阪市(危機管理室、都市計画局、都市整備局、建設局、消防局、関係区)
国土交通省(近畿地方整備局)、大阪府(危機管理室)
 
・平成26(2014)年3月18日 第1回大阪市地下空間浸水対策協議会
・平成26年度は大阪駅周辺地区について検討を進め、相互連携訓練の実施、
  「大阪市地下空間浸水対策ガイドライン」を作成
・(部会・訓練の開催状況) 
 平成26年10月27日 第1回大阪駅周辺地区部会
 平成26年12月15日 第2回大阪駅周辺地区部会
 平成27(2015)年 1月30日 地下街等相互連携訓練 図上訓練
 平成27年 2月26日 地下街等相互連携訓練 事前研修
 平成27年 3月 6日 地下街等相互連携訓練 実働訓練
 平成27年 3月26日 第3回大阪駅周辺地区部会
・平成27年度は、大阪駅周辺地区の対策計画を作成中 

2.大阪市内の大規模地下空間の現状

・別紙 表1、表2 

3.想定される水害 

1)内水氾濫 別紙 1-4-1 
2)河川氾濫 
 ?淀川   別紙 ア
 ?大和川  別紙 イ 
3)津波   別紙 1-4-3 

4.浸水対策

・「大阪市地下空間浸水対策ガイドライン」第2部 浸水対策より
 1)内水氾濫 止水対策
 2)河川氾濫 止水対策は限界 利用者を避難誘導 高いところに逃げる
 3)津波   止水対策は限界 利用者を避難誘導 高いところに逃げる
 
・大阪市大規模地下空間浸水対策事業補助金 
 補助金の額は、止水板等設置工事に要した費用の3分の2以内とする。ただし、出入口1箇所につき、200万円を限度とする。 

5.地下街等相互連携訓練 

1)図上訓練 平成27年1月30日(金) 
2)事前研修 平成27年2月26日(木) 
3)実働訓練 平成27年3月6日(金)8時40分〜9時30分 

6.大阪市営地下鉄

・ここもやっと対策に乗り出す(市民運動の成果)
・津波による浸水駅 30駅 但し、5年間5駅100億円で止水対策 
  

上記資料のPDF版はこちらをダウンロードしてください。
第3分科会レポート3 集中豪雨・大震災で地下街はどうなる?