2013年11月20日
大阪府知事 松井 一郎 様
大阪市長 橋下 徹 様
第7回ソラダス2012実行委員会
委員長 西 川 榮 一
大阪から公害をなくす会
会 長 金 谷 邦 夫
大気汚染問題についての懇談の申し入れ
私たち第7回ソラダス2012実行委員会と大阪から公害をなくす会は、昨年5月17日から18日にかけてNO2簡易測定カプセルを使って大阪の大気汚染の実態を計る測定運動に取り組みました。具体的には大阪府全体を約1キロ四方(大阪市内は約500メートル四方)に区切り、1区画に5つのカプセルを設置し、その濃度の平均値を取ってNO2濃度を地図にプロットするやり方で、大阪の全行政区で約4,400人が参加し、カプセル約1万個を設置して測定しました。同時に「健康アンケート」も実施し、全行政区から4,400人を超えるアンケートが寄せられました。
地図にプロットした各地域のNO2濃度、そして、各地域のNO2濃度と「健康アンケート」のクロス集計などの結果の概要は、別紙『報告集』にまとめています。大阪府や大阪市の環境行政を推進するうえで貴重なデータになると思います。ぜひご一読くださいますようお願いします。
私たちは今回の測定運動の結果から次の諸点を課題として導き出しました。
?NO2の環境基準(0.04ppm〜0.06 ppm)をオーバーする汚染地域が大阪市域、道路沿道地域など少なくない地域で続いています。こうした汚染地域に対する対策を緊急に立てる必要があります。特に、現在の大気汚染の主因が自動車、特にディーゼル車からの排ガスにあり、これへの対策の強化が重要です。
?大気汚染による数多くの健康被害者(推計7万人)が存在しています。こうしたぜん息等の健康被害者は、正に自動車排ガスなどの「公害」による健康被害であり、国と各自治体、そして、自動車メーカーなどによって医療費助成などの健康被害補償の措置が実施されるべきです。
?行政にはNO2環境基準の上限値(0.06ppm)をクリアーすれば環境基準を達成しているかのごとき受け止めがありますが、人の健康を保持するための基準が環境基準という原則からすれば問題です。上限値以下でも多数の健康被害者が発生している以上、環境基準や自治体の環境目標値は下限値以下にすべきです。
?行政による正確できめの細かい監視は環境行政の基本です。測定体制と健康モニタリングは縮小ではなく拡充・強化する必要があります。監視業務の独立行政法人化や民営化はしてはならないことです。
つきましては、上記4つの課題をテーマにして、わたしたちが行ったNO2測定運動と健康アンケートの結果について懇談いたしたく申し入れますので、ご検討宜しくお願いします。
以上