大阪市パブリックコメント提出

2016年10月13日
大阪市城東区今福南2-6-15
久志本俊弘

1 大阪市は、被災各県からの依頼に対応するだけではなく、福島第一原発事故による被害者が、まったく責任がないのに、急きょ住宅を移転せざるを得なかったのであり、彼らが避難先や住所を選択する権利を有することをできるだけ尊重するようにしてほしい。そして、避難者に対する公営住宅の期限を付さない提供や、世帯状況に応じた住み替え、優先入居枠の設定等、継続的な住宅支援制度を、大阪市独自に確立すべきと考えます。

2 活用できる者の資格は、「東日本大震災により住宅が滅失し、もしくは住宅が著しく損壊したために、当該住宅に引き続き居住することができない、もしくは避難指示の発出等により緊急に住宅からの避難を余儀なくされている者、又は東北地方太平洋沖地震等発生時に東京電力福島第一原子力発電所の周辺に居住し、当該原子力発電所の事故に伴い大阪市内に自主的な避難を希望する者」とすべきです。

3 使用許可の期間については、期限をもうけず、避難者自身の判断にゆだねて、希望に応じて継続的な使用を認めるべきです。

4 大阪市内において、住民である避難者の生活を支援することは、公営住宅法の枠内で、住宅管理主体としての独自の政策判断をもって対応をすることは十分に可能です。大阪市営住宅条例第4条第2項1号において、災害による住宅の滅失の場合は公募によらないで市営住宅に入居させることができると規定されおり、地震や放射線による影響を懸念して、避難を継続する者は、災害による住宅の滅失に準ずるものとして公募によらない入居は可能と考えます。

5 福島県からは、各都道府県等に対し、平成27年10月29日付福島県避難地域復興局長名義で「応急仮設住宅の供与終了に伴う住宅確保等について(依頼)」において、各種公営住宅の確保と、必要に応じた国への要望が提案されています。したがって、まず、大阪市は、国の施策、あるいは福島県等被災県からの依頼をまたず、福島第一原発事故を理由として大阪市に避難しているすべての者が、避難を選択する権利を有することを尊重し、避難者に対する住宅確保に関して、公営住宅の期限を付さない提供や世帯状況に応じた住み替え、優先入居枠の設定等、継続的な独自の住宅支援施策を確立してください。

6 また、今回の一部改正案では、被災県からの依頼に対応するかたちで、活用できる者を極めて狭い範囲に限定していますが、特に、対象者から、避難指示等対象区域外からの避難者を除外していることは、非常に問題が大きいです。区域外からの避難者の多数が、私が聞き取った範囲ですが、すべての人が今後も、できれば現住所で避難を継続する希望を有しています。避難者の多くは、避難のために仕事を退職せざるを得ず、転職を繰り返したり、あるいは、母子避難を余儀なくされるなど、それでなくても経済的に大きな負担を負っておられます。このような状況のなかで区域外からの避難者に対する無償住宅支援を終了させた場合には、住まいを失うことで、就学・就労の基盤も奪い、生活上も直ちに苦労することになります。