#140 原発日誌・大阪12/21〜01/20
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原発問題住民運動大阪連絡会 - #140 原発日誌・大阪12/21〜01/20

#140 原発日誌・大阪12/21〜01/20

カテゴリ : 
げんぱつ
 2009/1/25 13:30

21日
原発立地地域に新聞折り込みで配布した広報紙に誤りがあったと原子力・安全保安院が発表した。東京電力福島第一原発3号機(福島県大熊町)と柏崎刈羽原発3号機のプルサーマル計画で、地元自治体が導入を了解していないのに、既に了解したことを示す表記をした。保安院は「本当に申し訳ない」と平謝りしている。

22日
中部電力は午前の臨時取締役会で、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の1、2号機を廃炉とし、6号機を新設する計画を正式に決めた。商業用原子炉の廃炉は国内3例目だが、廃炉と新設を同時に行う「リプレース」方式は初めて。

22日
浜岡原子力発電所で廃炉と新設を同時に進める計画を決めた中部電力の三田敏雄社長は静岡市で会見し、解体完了には20年程度かかるとの見通しを明らかにした。「(廃炉にする)1、2号機の耐震工事を実施すれば約3000億円と10年以上かかり、経済性が乏しい」と説明、運転から30年以上経過した安全性の問題と無関係と強調した。同じ敷地に6号機を新設する理由を「既に送電線などのインフラがあり、最適な場所だ」と述べた。
 東海地方で巨大地震が起きる可能性を69年に指摘した茂木清夫・元地震予知連絡会長は「想定震源域のど真ん中で新設とは、まじめに取り組んでいると思えない」と批判した。

23日
中越沖地震で停止中の柏崎刈羽原発の安全性について議論している県の技術委員会と地元住民との初の意見交換会(県、柏崎市、刈羽村主催)が、刈羽村の生涯学習センター「ラピカ」で開かれた。技術委で論点となっている断層の有無や機器のひずみの問題がとり上げられ、参加した約120人の住民は熱心に耳を傾けていた。 

25日
原子力安全・保安院の広報誌で、東京電力柏崎刈羽原発のプルサーマル計画について「地元了解がなされた」と誤記があった問題で、保安院の薦田康久院長は25日、謝罪文を柏崎市の会田洋市長に提出した。

25日
定期検査中の敦賀原発1号機で中央制御室の外気取り入れダクトに2カ所の腐食穴が見つかった問題で、日本原子力発電は、ダクトからさらに5カ所の腐食穴(長さ1〜13センチ)が見つかった、と発表した。ダクトを取り外して詳しく調べる予定で、1号機の運転再開のめどは立っていない。

26日
浜岡原発5号機が先月に手動停止した問題で、中部電力は、高濃度の水素を含んだ排ガスが排気筒に通じる「希ガス減衰装置」に流入、水素が燃焼して温度が上昇したことが原因とする調査結果をまとめた。

30日
浜岡原発5号機で、タービン建屋にある気体廃棄物処理系統内の水素濃度が異常上昇するなどしたため、同社は午前0時39分に原子炉の運転を手動停止した。定期点検中の5号機は、11月5日にも調整運転中に同系統で同様のトラブルが発生して手動停止。安全対策を取って、今月27日から調整運転を再開したばかりだった。外部への放射能の影響はないという。

1月

6日
東京電力の清水社長が来県し、柏崎刈羽原発が立地する地域の自治体である県と柏崎市、刈羽村の首長に新年のあいさつをした。平成19年の中越沖地震で被災し、全号機が運転を停止している柏崎刈羽原発の再開時期については、「現時点では白紙」と強調した。
 知事との面会を終えた清水社長は記者団に答え、運転再開前に原子炉の安全性を確認するために実施される起動試験については、「(原子力安全・保安院への)計画書提出や試験実施の時期は未定」と述べた。

6日
東芝は、傘下の米ウェスチングハウス(WH)が米プログレス電力の子会社プログレス・エナジー・フロリダ(PEF)から原子力発電プラント2基を受注したと発表した。受注額はPEFによると、76億5000万ドル(約7100億円)。米エンジニアリング会社のショー・グループと共同で受注した。出力110万キロワット級原子炉「AP1000」2基と原子炉周辺設備の納入、建設工事など全体のプロジェクトを受注した。WHは昨春に米で計4基のAP1000を受注しており、中国の4基と合わせ、計10基の同型原子炉を受注したことになる。

7日
関西電力の森社長は福井県庁で記者会見し、2010年11月に運転開始から40年を迎える美浜原発1号機(福井県美浜町)の存廃について「1年前までに方針を決める」と述べ、今年11月までに運転継続か廃炉かの判断をする考えを明らかにした。
 使用済み核燃料の中間貯蔵施設に関しては「基本的に(福井)県外」としながらも、誘致を表明した美浜町も含めて検討する意向を示した。
 美浜1号機は1970年に運転開始。中部電力が廃炉を決めた浜岡原発1、2号機(静岡県御前崎市)より古く、規模も出力34万キロワットと小さい。同じ年に運転を開始した日本原子力発電の敦賀原発1号機も10年中に廃炉になる予定だ。

8日
九州電力は川内原子力発電所3号機の増設計画を鹿児島県と薩摩川内市に正式に申し入れし、具体的な設備概要と工程予定を発表した。1、2号機と同様の加圧水型軽水炉(PWR)の改良型を採用し、出力は159万キロワットで国内最大になる。地元合意を経て2013年度に着工し、19年度の運転開始を目指す。総工費は約5400億円。

8日
浜岡原発1、2号機廃炉と6号機新設についての説明会が、御前崎市内で相次いで開かれた。町内会長会議に34人、同市原発対策協議会には農漁協関係者ら約40人が参加した。地元住民に対する説明会は初めて。

8日
東京電力柏崎刈羽原発6号機で昨年12月8日に起きた火災で、東電は溶接機器の電源端子にほこりがたまって発火した「トラッキング」を原因と推定する報告書を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。また、火災発生の情報を1時間近く把握できなかった東電自身の問題については「今後、『煙』というキーワードを含め、火災が否定できない連絡を受けた場合は、東電社員が直ちに現場確認を行うようにしたい」とするなど、改めて基本動作を徹底せざるを得ない現状を露呈した。

9日
日本原子力研究開発機構の岡崎理事長は福井県庁で西川知事と面会し、同県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」について、予定していた2月の運転再開を断念することを正式に伝えた。再開時期は「関係省庁と協議して報告したい」と述べるにとどまったが、12月以降になる公算が大きい。延期は4度目。排気ダクトの点検を怠り、腐食を長年放置したという、通常運転している原発では考えられない単純ミスが原因だ。

13日
新潟市西蒲区下木島(旧巻町)の産廃処分場で「日本原子力発電 東海発電所 放射性廃棄物」と記載されたドラム缶が見つかった問題で、日本原子力発電は、内容物の液体を放射線測定した結果、放射性物質は検出されなかったと発表した。自然環境への影響もなく、同社は「放射性廃
棄物ではない」とみている。

15日
柏崎刈羽原発の高橋所長は中越沖地震後、機能確認中の7号機タービンの組み立て作業が2月上旬にも終わるとの見通しを明らかにした。地震に伴う一連の点検や復旧作業が終わるのは初めて。今後は運転再開への最終段階とされる臨界を伴った試運転(起動試験)の開始時期が焦点となる。

19日
経産省の吉川副大臣は、訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)で、アルアリャーニ外務次官と原子力発電の協力文書に署名した。2017年に初めての原発稼働を目指すUAEに対し、開発準備や人材育成などの支援を行う。望月事務次官は同日の会見で「UAEのケースを産油国における新たな協力関係の見本にしたい」と述べ、支援拡大に意欲を示した。

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2009年1月25日 No.140 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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