#144 原発日誌・大阪4/21〜5/20
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原発問題住民運動大阪連絡会 - #144 原発日誌・大阪4/21〜5/20

#144 原発日誌・大阪4/21〜5/20

カテゴリ : 
げんぱつ
 2009/5/25 11:20

21日
柏崎刈羽原発7号機の運転再開を巡って、泉田裕彦知事の最終判断に注目が集まるなか、賛成、反対それぞれの立場の3団体が21日、相次いで県に申し入れを行った。
 反原発地元3団体でつくる「原発からいのちとふるさとを守る県民の会」は、断層の解析などで国の再評価を求めるべきだとした。
柏崎商工会議所などは「安全性は確認されている」として早期の運転再開を求めた。
 また、「原発問題を考える県連絡センター」と共産党県委員会は連名で「再開が認められる状況ではない」とする要望書を提出した。

22日
柏崎刈羽原発で地震後の復旧作業中9件目となる火災が起きた問題で、同原発の高橋明男所長は、県に火災の再発防止策をまとめた最終的な報告書を提出した。泉田知事はこの日、報告書についての評価は示さなかった。

22日
夜、国民会館で内閣官房主催「地球温暖化対策の中間削減目標に関する意見交換会」。参加約180名。西川、芹沢、仲居など参加。経済的負担の均等(限界削減費用均等)を主な根拠とする90年比+4%から−25%目標の6案が説明、討議された。企業派遣参加者が多数で、財界の意向を反映する4%増加、原発増強案への賛成意見が多数だった。

22日
原子力安全・保安院は、敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」に対する4回目の特別な保安検査の結果をまとめ、県と敦賀市に伝えた。日本原子力研究開発機構が策定した行動計画の実施状況については、「進ちょくが見られるが、重要な課題も残っている」と指摘。課題が改善されるまで、検査続行を決めた。

23日
新潟県泉田知事が県議会に運転再開を諮る意向を示し、停止している柏崎刈羽原発7号機が、5月の大型連休明けにも起動試験に入り、運転を再開する見通しとなったことが分かった。た。起動試験は50日程度かかる見込みで、順調に進めば7月にも営業運転に移行する。夏の電力需要増への対応に間に合うことになる。

24日
東京電力柏崎刈羽原発1号機の設置許可取り消しを求め、周辺住民が国を相手取った訴訟は上告棄却という最高裁の判断で幕を下ろした。建設時の想定を超える揺れに襲われた07年7月の中越沖地震を受け、建設時の地盤問題を再び争う構えだった原告住民は「手続き論に終始した不当判決だ」と反発した。

27日
原子力安全・保安院と総務省消防庁、柏崎市消防本部は、東電が提出した火災の再発防止策の実施状況を確認するため、合同で立ち入り調査を行った。

27日
敦賀市原子力発電所懇談会があり、福井県内14原発で行っている耐震安全性審査について、出席した原子力安全・保安院の担当者は「活断層の評価はほぼ終了しており、基準地震動を策定する方向性は、あすにも示されるのではないか」と述べ、28日の国の審議会で大枠がまとまるとの見通しを示した。一方、新しい基準地震動に基づいた耐震安全性評価は「そう遠からず近いうちに出る」と述べ、結論にはまだ時間がかかることを示唆した。

28日
日立製作所と日立GEニュークリア・エナジー(日立GE)の原発データ改ざん問題で、委託業者の製造記録とは別に監視用記録をとり照合するなどの再発防止策をまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。また日立製作所の丸原子力担当CEOを減俸20%、石塚日立事業所長と日立GEの羽生社長を減俸10%の役員処分も発表した。

28日
東通村の東京電力東通原発1号機(改良型沸騰水型軽水炉、出力138万5000キロワット)の準備工事状況が報道陣に公開された。原子炉建屋やタービン建屋などの本体工事の着工時期は、国の安全審査が継続中のため、当初より約1年延ばした10年12月としている。営業運転開始は17年3月の予定。

30日
浜岡原発1・2号機を廃炉にする方針の中部電力は、県に廃止措置計画の概要を説明し、「6月までに経済産業省へ計画の認可申請をする」と明らかにした。
 中電によると、廃止措置計画は36年までの4段階に分かれる。第1期は、使用済み・未使用の計1364体の燃料取り出しを実施。その後、原子炉周辺の設備を撤去する。
 解体に伴う廃棄物の量は約48万トンと想定。埋設処分の必要な1・6万トンの低レベル放射性廃棄物の処分地は「放射性廃棄物が出る設備の撤去前までに決める」と説明した。

30日
原子力安全・保安院から5項目の保安規定違反を指摘された日本原燃(六ケ所村)は、改善策をまとめた報告書を同院に提出した。高レベル放射性廃液漏えいの要因について「アクティブ試験の最終段階で竣工を延期せざるを得ない状況が繰り返され、プレッシャーと焦りを感じ、遅延を取り戻したいという意識が蓄積された」などと結論付けた。原燃は管理責任を問い、同日付で児島伊佐美社長を減給10%(2カ月)にし、役員4人も減給処分にした。

30日
柏崎刈羽原発の運転再開問題で、泉田裕彦知事は、同原発の復旧状況を初めて視察した。再開の是非については「判断を固める作業中」と言及を避けた。

5月

1日
使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)で高レベル放射性廃液が漏れ、日本原燃が原子力安全・保安院から保安規定違反を指摘された問題で、三村申吾知事は、第三者機関の監査を受けるよう原燃の児島伊佐美社長に指示した。

1日
柏崎刈羽原発7号機の運転再開問題で、県は、原子力安全・保安院と原子力安全委員会に、新たな科学的知見の収集に取り組むことなどを求める要請書を提出した。
 保安院は同日、「耐震安全性評価に反映すべき研究や情報について定期的に検討するなど新たな知見の収集と反映を継続的に行う」と文書で回答。安全委も「最終的な手引きにとりまとめるべく検討を進めている」と答えた。

5日
中部電力は、浜岡原発4号機で、タービン建屋内にある気体廃棄物の処理系機器の水素濃度が基準値を超えたため、午後5時49分に原子炉を手動で緊急停止させたと発表した。4号機は2月からの定期検査を終え、今月2日から調整運転を始めたばかりだった。外部への放射能の影響はないという。

7日
被災し停止中の柏崎刈羽原発7号機について、泉田知事は県議会全員協議会で、事実上の運転再開となる起動試験に入ることを容認する考えを表明した。東電は了解の通知を受け次第、起動試験を始める意向。泉田知事は「安全確保には現在の技術に合わせた改善継続が必要」と一定の条件を付け、「(東電の)運転再開の申し入れに同意したい」と述べた。

10日
九州電力玄海原子力発電所3号機などで計画されているプルサーマル発電用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が今月下旬に日本へ到着するのを前に、プルサーマルに反対する市民集会が10日、佐賀市で開かれた。九州各地から約1500人が参加して「NO MOX」の人文字をつくり、MOX燃料上陸反対をアピールした。

11日
試験運転を開始したばかりの柏崎刈羽原発7号機で、原子炉隔離時冷却系などに一時不具合が発生した問題で、原子力安全・保安院は記者会見し、タービン停止手順など東電の対応は適切だったとの見方を示した。

11日
日本原子力発電は、敦賀原発2号機で、1次冷却水0・83リットルが原子炉格納容器内(管理区域内)に漏れた、と発表した。外部への放射能漏れはない。

11日
浜岡原発安全等対策協議会(会長=石原茂雄・御前崎市長)は、中部電力に対し、浜岡原発4号機が手動停止(5月5日)に至った原因を早急に究明するよう強く求めた。

13日
日本原子力発電は、定期検査中の敦賀原発1号機で、73本ある制御棒の駆動配管の空気抜き弁(ステンレス製)146台のうち、13台の接触面に傷が見つかったと発表した。うち3台は傷が貫通していたが、水漏れや外部への放射能漏れはないという。原電は同日、原子炉等規制法に基づくトラブルとして国に報告した。98年に18台を調べた際にも13台で傷が見つかり新品に交換した。今回傷が見つかった13台は運転開始(1970年)から交換していない。

14日
国内の全原子力発電所の主要機器の作動状況を随時掌握できる「緊急時対策支援システム」を、原子力安全・保安院が導入した。各原発の中央操作室と同じ情報を東京・霞が関の保安院や各地の保安検査官事務所が共有することで、緊急避難などの判断をより迅速にできると期待される。対象は、廃炉措置中の中部電力浜岡1、2号機や建設中の北海道電力泊3号機を含む全原発、高速増殖炉もんじゅ、六ケ所再処理施設の計58施設。

14日
東電は柏崎刈羽原発の建物内や周辺に約80個の地震計を増設するなど観測強化策をまとめた。原発周辺の断層帯の活動性や建物の耐震性を再検証する狙いで、今年夏から着手する。

14日
関西電力は、定期検査中の美浜原発2号機で行っている耐震余裕向上工事を、報道各社に公開した。今回の定検は先月から始まり、約3カ月間の予定で344カ所の耐震補強を行う。関電によると、それぞれ強度が5割増しになるという。

15日
定期検査中の福島第1原発3号機)で4月、制御棒1本が定位置より深く挿入された問題で、東京電力は、制御棒を動かす系統の弁のテフロン製シートに損傷があり、水が漏れて挿入方向に圧力がかかったことが原因と発表した。

16日
起動試験(試運転)中の柏崎刈羽原発
7号機について東電は、原子炉内の制御棒をすべて挿入し、午前3時に原子炉をいったん停止したと発表した。15日に地震後初めて首都圏へ送電を始める予定だったが、同日夕、原子炉の給水ポンプの作動状況を示す監視盤に誤表示が見つかった。東電は試験を中断して原因究明と部品交換を優先すると説明している。

18日
フランスで製造された「プルサーマル発電」用のMOX燃料を積んだ輸送船が18日午前、静岡県御前崎市の御前崎港中部電力専用ふ頭に着いた。約5キロ離れた同市内の浜岡原発に運び入れる。御前崎港が最初の陸揚げ港で、この後、九州電力玄海原発、四国電力伊方原発のそれぞれの施設に陸揚げする予定。

19日
起動試験中の東京電力柏崎刈羽原発7号機は19日午後6時59分、東京方面への試験送電を始めた。当初の予定より4日遅れた。高橋明男所長は「点検を積み重ねた結果であり、一つの大きな節目を迎えた。引き続き慎重に進めたい」と話した。

19日
原子力安全・保安院は、国内初の40年を超えた運転を予定している日本原子力発電敦賀原発1号機の立ち入り検査を始めた。21日までの3日間で、「40年以降も健全に運転できる」とした原電の評価の妥当性を確認する。

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2009年5月25日 No.144 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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