#156 原発日誌・大阪4/21〜5/20

原発問題住民運動大阪連絡会 - #156 原発日誌・大阪4/21〜5/20

#156 原発日誌・大阪4/21〜5/20

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げんぱつ
 2010/6/21 17:30

21日
 1995年のナトリウム漏れ事故以来、停止している日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運転再開について、福井県の西川一誠知事は26日、川端達夫文部科学相と直嶋正行経済産業相との3者協議を東京都内で開く。知事は月内にも運転再開を正式に了承する方針で、国が進める核燃料サイクル政策の中核施設が早ければ5月上旬にも動き出す。

21日
 中部電力は、浜岡原発5号機のタービン建屋にある湿分分離加熱器の部材の一部に、ひび割れが見つかったと発表した。ひび割れの長さは目視では約6センチ。深さは分からないという。中電は「安全性に問題はない」と強調し、現在の定期検査に合わせて原因究明と修理を行う予定だが、住民らの一層の不信を招く可能性がある。5号機は昨年8月、県内で最大震度6弱を記録した地震で運転を停止。5月中の運転再開を目指して定期検査を行っている。 
 加熱器は低合金鋼製の円筒形(長さ約32メートル、直径約4メートル)で、「胴板」と呼ぶ外側の円周部材と仕切り板との溶接部分1カ所に、ひび割れがあった。規定では、胴板に必要な厚さを約27ミリとしているが、ひびのため、この規定値を下回っている可能性があるという。

22日
 関西電力と日本原子力研究開発機構は、原発の高経年化を研究する施設「ホットラボ」を、原子力機構の元・新型転換炉「ふげん」(廃炉中)に開設した。県のエネルギー研究開発拠点化計画の一環、原発で使っていた機器や配管がどのように劣化するかを詳しく調べる。
 ふげんの重水精製建屋1階の約200平方メートルに、関電が3台の最新の分析装置を約7億円で設置した。なかでも材料の表面から原子を直接はぎ取って分析し、3次元的に構造を調べる高精度の顕微鏡は国内に数台しかなく、これまで設備のある茨城県東海村に運んで分析していたという。関電は当面、07年に応力腐食割れ(SCC)が起きた美浜原発2号機の蒸気発生器管台を分析し、SCCのメカニズムなどを研究する。

26日
 1995年12月のナトリウム漏れ事故で停止している日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」について、福井県の西川一誠知事は、川端達夫文部科学相、直嶋正行経済産業相と東京都内で協議し、県が求める地域振興策を国が受け入れることで合意した。これを受け、西川知事は運転再開を認める意向を会見で示し、電力を生み出す国内唯一の高速増殖炉が5月に本格稼働する条件が整った。
 協議で西川知事は、県が進めるエネルギー研究開発拠点化計画への支援や、原発立地自治体に交付される電源3法交付金の拡充を要望。昨年の政権交代で、北陸新幹線を含む整備新幹線3区間の着工が「白紙」とされたが、福井延伸について川端文科相は「政府全体としてしっかり取り組んでいきたい」と支援を明言した。

28日
 西川福井県知事は川端達夫文部科学相と県庁で会談し、運転再開に同意する意思を正式に伝えた。これにより、地元了解の手続きはすべて終了した。

28日
 大飯原発1号機で燃料集合体2体から漏れが見つかった問題を調査していた関西電力は28日、2〜3年使用した後に炉心中心部に装荷された同一メーカーの燃料が、他社製の燃料に囲まれて配置された場合に破損が発生する疑いがあると発表した。
 関電によると、破損した燃料集合体は支持構造物の高さが他社製品よりも高く、燃料下部に設けられた冷却水を流す穴が大きいという。この影響で、水の流れが横向きになり、燃料棒が振動して破損したとみている。
 関電は破損した2体を含む同時期製造の燃料を原因判明まで再使用せず、燃料管理を強化した上で5月中旬に運転を再開する予定。また、漏れは発生していない3号機についても、安全のために原子炉を29日に停止し、同様の状態にある燃料を含む28体を交換す

28日
 東北電力は、東通村の東通原発に固体廃棄物貯蔵庫を増設する計画書を県と村に提出した。11年7月着工、12年9月の完成を予定している。同貯蔵庫は、12年度に満杯となる。

30日
 中国電力の島根原発1、2号機で点検漏れがあった問題で、山下隆社長は、経済産業省の増子輝彦副大臣に対し、追加調査の結果、分解点検・取り換え時期を超過している機器が計506件に上ったと報告し、「心よりおわび申し上げる」と陳謝した。同時期を超えていないが、点検計画と実績に食い違いがある機器も1159件あり、点検漏れ・ミスは計1665件に上った。
 山下社長は記者団に対し、自らの責任について、「原因を根本的に分析し、責任の所在がどこにあるかがはっきりしてから考える」と話した。 

30日
 高速増殖炉「もんじゅ」について、原子力機構は、原子炉を5月6日に起動すると発表した。経済産業省原子力安全・保安院も運転再開に先立つ5月3〜5日に原子炉等規制法と電気事業法に基づく立ち入り検査を行うと発表した。

30日
 中部電力は、昨年の8月の駿河湾地震で大きく揺れて以来停止している浜岡原発5号機の定期検査の期間を約2週間延長すると発表した。タービン建屋の湿分分離加熱器で先月見つかった、ひび割れの深さが最大で8・5ミリあると新たに分かり、溶接による補修が必要になったため。この影響で、当初5月中旬としていた5号機の原子炉の再起動は早くても6月上旬にずれ込む見通しとなった。

5月

2日
 高速増殖炉「もんじゅ」の2次系ナトリウム漏えい検出器が振動で故障したトラブルで、日本原子力研究開発機構は、原子力安全・保安院が運転再開前の立ち入り検査を始める3日までに、同型の検出器32台すべてに振動対策工事を行う、と発表した。

5日
 原子力安全・保安院は高速増殖炉「もんじゅ」で行っている運転再開前の立ち入り検査について「運転再開に当たっての準備が整った」と評価し、検査をほぼ終了した。6日朝、原子炉容器内のガスの状態を調べて、原子炉起動に支障がないかを最終確認する。

6日
 午前10時36分、高速増殖炉もんじゅは制御棒を引き抜き運転を再開した。

7日
 原子力安全・保安院は、6日に運転再開した高速増殖炉原型炉もんじゅで燃料が破損した際に出るガスを検出する警報装置が作動したと発表した。機器の故障による誤報とみられ、安全性や運転に影響はない。

7日
 関西電力は、定期検査中の高浜原発4号機の原子炉補助建屋内で、1次冷却水2・5リットルが4月16日に漏れたと発表した。外部への放射能漏れはない。

8日
 日本原子力研究開発機構は8日夜、高速増殖炉「もんじゅ」で午後4時45分ごろ、冷却材の液体ナトリウムが入った予備系統の分岐配管の温度が高くなり、警報が鳴ったと発表した。ヒーターを制御し、約15分後に通常の温度に下がったため、試運転の炉心確認試験に影響はないという。

9日
 高速増殖炉「もんじゅ」で、原子炉容器内の破損燃料検出装置が誤警報を発したのを、機構が最初の警報から半日以上公表しなかった問題で、原子力安全・保安院は原子力機構に対し、次回トラブルが発生した場合は、どんな事象でも速やかに公表するよう求めたことを明らかにした。

9日
 日本原子力研究開発機構は、高速増殖炉「もんじゅ」の原子炉補助建屋で同日午前7時49分ごろ、2次主冷却系の液体ナトリウムタンクから放出されるアルゴンガスの温度が通常より低くなり、警報が鳴ったと発表した。一時的な温度変動とみられ、約30分後に警報は解除された。

10日
 福井県西川知事は、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)を視察した。発電機などがあるタービン建物や中央制御室などを回り、職員らを激励した。 原子力機構や関連会社の職員ら500人を前に、「安全の実績を積み重ね、世界最先端のエネルギー研究開発拠点としての成果を挙げ、県民が誇りを持てる施設として成功することを期待します」と訓示した。

11日
 福井県は関電力から、高浜原発2号機で、2次冷却水が漏れたとの連絡を受けたと発表した。同社は出力を約98%に下げ、漏えい個所の点検修理を行う。県は、このトラブルによる放射能漏れはないとしている。
 

12日
 福井県は、高浜原発4号機で発電機内部の熱を冷やすための2次系冷却水が漏れたと発表した。同社は発電を停止し、漏えい個所の点検修理を行う。県は、このトラブルによる放射能漏れはないとしている。 

13日
 経産業省は、青森県六ケ所村に計画中のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料加工工場と、同県むつ市に計画中の使用済み核燃料中間貯蔵施設の事業を許可した。
 国のエネルギー政策の柱である「核燃料サイクル」の中核的な施設。MOX燃料加工工場は日本原燃が、中間貯蔵施設はリサイクル燃料貯蔵(むつ市)が建設。5月中にも着工し15年の操業開始を目指す。

13日
 中部電力は浜岡原発4号機のプルサーマル発電で使うMOX燃料の製造をイギリスのメーカーに委託する契約を結んだと発表した。海外への製造委託はフランスのメーカーに次いで2社目となる。
 中電によると、委託先は英国原子力廃止措置機関(NDA)が運営するMOX燃料加工工場。浜岡原発から出た使用済み燃料の一部の再処理をイギリスに依頼しており、回収したプルトニウムを加工する。中電は製造時期について「12年末から16年ごろまでを予定している」と説明している。4号機用のMOX燃料は昨年5月、28体を搬入済み。4月には新たに60体分の製造を国に申請した。

17日
 六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で低レベル放射性廃棄物の仮置きを巡り、保安規定違反を指摘されている日本原燃について、経済産業省原子力安全・保安院は、新たに4件の保安規定違反があったと発表した。

 
18日
 中部電力は、定期検査中の浜岡原発5号機(御前崎市)で12日発生した作業用工具からの発火事故で、作業員が引火性洗浄液を管理部門に無届けで使用していたと発表した。消防通報の社内規定にも違反しており、中電は「改善する」と説明している。
 
19日
 浜岡原発5号機で起きた作業用工具の発火事故を受け、浜岡原発安全等対策協議会は、中部電力に、事故の再発防止を求める要望書を出した。

20日
 中越沖地震で運転停止中の柏崎刈羽原発1号機について、新潟県と柏崎市、刈羽村は、東電と結ぶ安全協定に基づき、事実上の運転再開となる起動試験(試運転)に入ることを容認した。これを受け、東電は22日にも1号機の制御棒を引き抜き、原子炉を起動させる見通し。

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2010年5月25日 No.156 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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