原発問題住民運動大阪連絡会 - #141 原発日誌・大阪01/20〜02/20
20日
11人が死傷した高温蒸気噴出事故(04年8月)を起こした関西電力美浜原発3号機に対し、国際原子力機関(IAEA)の運転管理評価チームが20日、調査に入った。事故以降取り組んできた3号機の安全対策を評価するため、関電が原子力安全・保安院を通じ、IAEAに派遣を要請。
22日
青森県が100%出資するむつ小川原地域・産業振興財団が電気事業連合会から、09年度からの5年間で計32億5000万円の寄付を受けると発表した。原子燃料サイクル施設立地に伴う電源三法交付金の対象外となる県内25市町村に配分される見込み。各自治体への具体的な配分については財団と県が協議する。
23日
柏崎刈羽原発で、原子力安全・保安院が、最も復旧工事の進む7号機の耐震安全性について「妥当」とする見解を示した。
27日
広島高裁は、上関町祝島の漁民50人が上関原発計画に伴う中国電力の現地詳細調査の差し止めを求めた仮処分申請で、山口地裁岩国支部の却下決定(07年1月31日)に対する漁民側の即時抗告を棄却した。
28日
東電福島第1原発3号機のプルサーマル計画は、原発立地4町(双葉、大熊、富岡、楢葉)が受け入れを決め、今後の焦点は県や県議会の対応に移った。佐藤知事は「慎重に対応する」とコメントし、4町長は来月上旬にも知事と面談する見通し。また反対する市民グループは、県に計画を受け入れないよう要請した。
29日
東電は柏崎刈羽原発7機の復旧作業で最後まで残っていた低圧タービンの組み立てを終え、タービンに付随する消火設備の機能確認を柏崎市消防本部に要請したと発表した。同消防本部はタービン潤滑油系統の消火設備を立ち入り検査し、安全を確認次第、消防法に基づく緊急使用停止命令解除を最終判断する。東電によると、発電機の点検作業も来月7日までにすべて終わり、原子炉を起動する「施設全体の機能試験」(起動試験)を開始する準備が整う。
29日
原子力安全・保安院は高速増殖炉「もんじゅ」に対する第3回の特別な保安検査(昨年11〜12月に実施)の結果を、県と敦賀市に報告した。日本原子力研究開発機構が、組織体質の改善を図ってまとめた行動計画に関し、「重要な課題への対応はまだ実施途上」と評価。3月にも4回目の検査を行い、原子力機構の取り組みを引き続き確認する、としている。
30日
中部電力は浜岡原発1、2号機が30日午前0時に運転を終了したと発表した。昨年12月に発表した廃炉計画に基づき、国に保安規定の変更許可を申請していた。今後は原子炉施設の安全管理を行うとともに、施設撤去の手順などを定めた廃止措置計画の策定に移る。
30日
柏崎刈羽原発の再開に関し、原子力安全・保安院の加藤重治審議官が29日の柏崎市議会全員協議会で、「(起動試験後、原子炉を)止める必要性は感じていない」と発言したことについて、県の渡辺博文防災局長は、「安全性について審議している過程で、営業運転に言及するのは、驚きを禁じ得ない」との抗議を保安院の薦田康久院長に申し入れた。
30日
関西電力は高浜原発3、4号機のプルサーマルで使うウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料16体の製造を仏・メロックス社で始めた、と発表した。製造期間や輸送時期は明らかにしていない。
2月
3日
柏崎市は中越沖地震(07年7月)直後、消防法に基づき東京電力柏崎刈羽原発1〜7号機に付随する「危険物施設」に出した緊急使用停止命令のうち、7号機について消火設備などの安全性が確認できたとして東電に解除を通知した。これで運転再開に向けた事実上の歯止めが解除された。
3日
日本原子力発電敦賀原発3、4号機の増設に絡む敦賀半島東側の県道バイパスについて、敦賀市は市道として建設することで県、原電と合意したことを明らかにした。敦賀半島北端部の周遊道路(9・4キロ、約120億円)は、県道として県が新設することも決まった。 市はバイパスの工期や事業費を明らかにしていないが、数十億円とみられる。河瀬一治市長は原電からの寄付を財源に充てることを示唆した。
6日
柏崎刈羽原発の再開問題で、泉田知事と会田柏崎市長、品田刈羽村長による3者会談が、県庁で開かれた。7号機について、起動試験に入る前に地元自治体の了解を得るよう東電に求めていくとの認識で一致した。
10日
浜岡原発1、2号機が廃炉に向け先月30日で運転を終了したことを受け、同市の石原茂雄市長は、東京・霞が関に二階経済産業相を訪れ、国から地元自治体への交付金を新年度以降も継続するよう要請した。2基の運転中止で、同市の年間収入は8億〜9億円減少する。
11日
関電首脳と美浜町民が直接話し合う原子力懇談会が開かれ、来年11月に運転開始から40年を迎える美浜原発1号機の運転方針に関する質問が相次いだ。席上、森社長は「浜岡は止まっているが、美浜は現在も運転しており、そこが一番違う。廃炉にする場合は皆さんに十分説明し、地域に影響が出ないようにする」と述べた。
12日
福井県内に立地する原子力発電所の昨年1年間の発電電力量は608億キロワット時と、前年の740億キロワット時を大きく下回り、商用原発13基体制となった93年以降最低だったことが、県のまとめで分かった。全国の原発発電量(2517・4億キロワット時)に占める県内の比率は24・2%で、福島県に次いで2位だった。
12日
東電は柏崎刈羽原発7号機について、安全性を確認したなどとする報告書を原子力安全・保安院に提出した。原子炉を動かす最終試験(試運転)の計画も出した。今後、新潟県など地元自治体の了承を得て上で、最終試験の開始を目指す。
13日
原子力関連施設の災害時の対策や検査態勢が不十分だとして、総務省は経済産業省と文部科学省に改善を勧告した。災害時の対策拠点「オフサイトセンター」に不備を抱えた施設がること、必要な研修を受けていない原子力保安検査官がいることなどが総務省の調査で判明した。
13日
昨年の商業用原発55基の設備利用率(稼働率)が58%(暫定値)にとどまることが経済産業省の調査で明らかになった。03年の57.4%に次いで低い。年度ベースでは、原発建設が本格化して間もない1979年度の54.6%以来、29年ぶりの低率にとどまる見通しだ。
13日
原発14基が集中立地する若狭湾周辺の活断層を巡る耐震安全性審査で、日本原子力発電、関西電力、日本原子力研究開発機構の3事業者は、柳ケ瀬断層(福井県、28キロ)を3キロ北へ延長し、長さ31キロに修正した。
17日
来年3月に運転開始から40年を迎える敦賀原発1号機について、日本原電の市田社長は福井県庁を訪れ、旭副知事に運転延長を検討する意向を伝えた。運転が40年を超える原発は国内初。延長は、1号機の廃炉と引き換えに建設する3、4号機の工事が遅れ、地元の雇用対策などが必要となったため。
17日
原子力安全・保安院の加藤審議官は柏崎市役所に会田市長を訪ね、柏崎刈羽原発7号機の再起動について「安全上の問題はない」との検討結果を報告した。会田市長は「市民にも不安に思うところがある」と述べ、改めて疑問点をただしていく考えを示した。
17日
東電は点検を進めている柏崎刈羽原発6号機の原子炉内上部で燃料集合体を支える「上部格子板」に落ちていたホチキスの針1本(長さ約1ミリ)を回収したと発表した。
18日
柏崎刈羽原発7号機について、原子力安全委員会は、「起動させるに必要な施設健全性および耐震安全性は確保されている」とし、起動試験に入ることを了承した。東電は近く、安全協定に基づく事前了解を新潟県など地元自治体に求める。
19日
昨年10月に関電が提出した大飯原発3、4号機の低圧、高圧両タービンの取り換え計画を、県とおおい町が了解した。海外の原発で低圧タービンの応力腐食割れが発生していたことを受けた措置。3号機は11年1月から、4号機は11年7月からの定検で交換する予定。
19日
東電は中越沖地震で被災し運転停止中の柏崎刈羽原発7号機について、事実上の運転再開となる起動試験(試運転)を行う準備が整ったとして、県と柏崎市、刈羽村に事前了解を申し入れた。県と市、村は今後、3者会談を開くとともに、県の技術委員会での議論も踏まえ、、運転再開を認めるかを判断することになる。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2009年2月25日 No.141 】
原発問題救民運動大阪連絡会