原発問題住民運動大阪連絡会 - #159 福井県内の原発14基の基準地震動は事業者の評価通り
経済産業省原子力安全・保安院は8月17日、原発の耐震安全性評価の基になる最大の揺れ「基準地震動」について、関西電力が設定した美浜原発750ガル▽大飯原発700ガル▽高浜原発550ガルの値を「妥当」と評価する方針を固め、18日同省の審議会の作業部会で評価案が示され概ね了承されました。これで福井県内の原発計14基の基準地震動について、事業者の評価がすべて妥当と判断されることになりました。
県内14基の基準地震動は、耐震設計審査指針の改定に基づく再評価(08年3月)、保安院による周辺活断層の見直し(09年2月)に伴い、事業者が2度引き上げを行い、建設時と比べて高浜原発では1・48倍、大飯原発では1・72倍、美浜原発では1・85倍となりました。
原子力安全保安院は作業部会で、引き上げ後の各原発の基準地震動の妥当性を審査。高速増殖原型炉「もんじゅ」(760ガル)は今年1月、敦賀原発(800ガル)は4月にそれぞれ妥当と判断しました。だが審査の完了には、保安院の判断を作業部会が了承する必要があり、なお時間がかかる見込みです。もんじゅは運転再開前の3月でしたが、敦賀原発は作業部会での議論が続いています。
原発の審査・規制の責任者が開発・推進の責任者に転身―大丈夫か「もんじゅ」の安全
高速増殖原型炉「もんじゅ」を管轄する日本原子力研究開発機構の鈴木篤之・新理事長と、岡崎俊雄・前理事長が西川一誠知事と河瀬一治敦賀市長に就任・退任あいさつをしました。つい先ほどまでは「もんじゅ」の安全審査を担当し国の云う「二重審査」の安全保障の一翼を担っていた内閣府原子力安全委員会の鈴木篤之委員長が、今回は「もんじゅ」を推進する日本原子力研究開発機構の理事長として登場しました。今年4月に原子力安全委員長を退き、8月に「機構」の理事長に就任しています。審査規制をする側と開発推進をする側との人の面からのけじめがはっきりせず、「もんじゅ」の安全が関係者の中でやり取りされているような危うさを感じます。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2010年8月25日 No.159 】
原発問題救民運動大阪連絡会