げんぱつ 2011年7月25日 No.170
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原発問題住民運動大阪連絡会 - げんぱつ 2011年7月25日 No.170

げんぱつ 2011年7月25日 No.170

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げんぱつ
 2011/7/26 11:20

大阪「原発ゼロの会」結成に向けて府民集会
「原発をなくし、自然エネルギーを推進する大阪連絡会」準備会発足

福島第一原発の事故が産み出した深刻な危険を体験した国民の中に「もう原発はいらない」という思いが広く深く生まれています。そして多くの団体や個人がそれぞれに求め運動してきました。事故から4カ月を経て、この力を連絡と協力によってさらに強め、着実に要求運動を発展させるための組織として新しい連絡組織づくり目指され、7月11日に11団体代表による第一回準備会が開かれました。

準備会では組織の名称を、会の基本目標を簡潔に表す「原発をなくし、自然エネルギーを推進する大阪連絡会」(略称:原発ゼロの会)とすることを確認しました。そして、引き続き準備会を開いて、会の内容を広く府民に知らせて参加を訴える「呼びかけ文」の作成、新たな呼びかけ人に加わる団体代表や個人への働きかけなどの組織的な準備を進めること。当面の行事として7月30日に「7・30府民集会」を開いて会の発足と要求を府民に訴えること。集会のプレ企画として「学習会」を開くことを確認しました。準備会としては年内遅くない時期の正式の会結成を目指します。


(現在の呼びかけ人)アイウエオ順)

金谷邦夫(大阪から公害をなくす会会長)
芹沢芳郎(原発問題住民運動大阪連絡会代表)
川辺和弘(全大阪労働組合総連合議長)
藤永のぶよ(大阪市民ネットワーク代表)
川本幹子(新日本婦人の会大阪府本部)
向井明彦(大阪民主医療機関連合会会長)
菅野礼司(日本科学者会議大阪支部代表幹事)

○7月30日の集会プレ企画(原発問題の理解を深める学習会)
(会場) 国労会館3階ホール
(時間)13時30分〜15時30分

○7月30日の府民集会 
(会場) 扇町公園
(時間)17時〜18時 集会後短時間のデモ行進


工程表を改訂したが 冷却水循環システムなどに不安

国と東電は7月19日に福島第一原発事故収束に向けた工程表を改定しました。4月に発表して3カ月を経過して工程表のステップ1は「達成できたと」としていますが。炉心を安定して冷やす体制が出来たとはとても言えない状態です。

米、仏、日の汚染除去装置を合わせて組み立てた汚染水浄化システムは連日のようにトラブルを起こしそのたびに装置は停止しています。十分な試験運転もなしにぶっつけ本番で稼働始めたシステムは、実際の稼働の中で問題点を修正しようと考えているのでしょうか。

高濃度の汚染水対策としてはあまりに不安定で危険が多いと思います。さらに4月以上経過した現在でも1号機の炉心は約1メガワット(1000KW)の発熱量で毎時1.3トンの水を蒸発させ、破損による水漏れを考慮すると冷却のために毎時3.5トンの注水が必要ということです。こんな状態で汚染除去装置からの給水が不安定ということでは「原子炉の安定的な冷却」が出来たとはとても言えません。

さらにもう一つの危惧は、炉心がメルトダウンした原発それぞれが、どのように機器や配管が破壊されているか全く知らされていないことです。汚染水が漏れたということは何らかの破損や破断があったことです。その部分からは今でも水が、蒸気が、放射能が外部に漏れているのでしょう。これらは労働者の被曝を生みだし、周辺地域を汚染しているはずです。7月に入って第一原発事故で汚染した米わらで飼育された汚染牛肉の広がりが新たに判明し国民に衝撃を与えています。

工程表では来年1月に冷温停止を目標としていますが、今回の改定で国と東電は上にのべた問題点に応えて真実を徹底して発表するべきだと思います。


菅首相の発言批判の形をとった「自然エネルギー推進」への攻撃

菅首相は7月13日に記者会見し、今後のエネルギー政策について、原発への依存度を段階的に引き下げて、将来は原発なしの社会を目指すと表明しましたが、数値目標、達成期限、実現の具体策は一切し示されませんでした。

そして内外から発言への批判が出ると途端に15日の衆院本会議で「あれは個人の見解」と答弁しました。その無責任ぶりは論外です。一方、この無責任な発言への非難の形で、原発の代わりのエネルギーとして拡充が期待される再生可能な自然エネルギーの推進が抱える困難や問題点、場合によっては日本経済の大きな妨げになる危険があるなどの指摘が行われることに警戒する必要があると感じました。

「太陽光発電は単価が高い」「広い用地、高価な投資など効率が悪い」「電気料が高くなり資本が海外に逃げてしまう」など経済的な内容です。しかしこのような指摘は、自然エネルギー推進が生み出す産業的経済的メリットに目をつむる一方的な批判であります。

そして指摘する問題点自身が、40年間国が推進した原発と冷遇してきた自然エネルギーの間に生まれた格差です。エネルギー政策の根本的転換がその格差を急速に埋めていくことを無視し、現状を固定して考えさせることで、原発の持つ危険に気付いて原発廃止に向かう社会の流れを食い止める意図的な主張と言わざるを得ません。


関電社長が美浜原発1号機の後継機計画発表先送りを表明

関西電力の八木社長は7月15日の電気事業連合会の記者会見で、今年の秋をめどとしていた美浜原発1号機の後継機計画は「現状では表明するのは難しい」と発言し先送りの意向を明らかにしました。

美浜1号機は今回の事故を起こした福島1号機と並ぶ日本で最も古い原発であり、昨年11月には40年超運転10年間の許可を受け、その間に新しい原発に建て替える(リプレース)計画に取り組んでいました。地元では賛否両論がある中で今年の秋には具体的な方針の発表を約束していました。

八木社長は判断を延期した理由として、「国のエネルギー政策の方針など状況が流動的」と説明していますが、福島第一原発事故のすさまじさを見て、原発ノーに大きく変化した世論の前に発表延期を余儀なくされたとおもわれますが、一方では同じ会見で、来年7月に運転40年を迎える美浜原発2号機の運転継続に必要な長期保全計画を国に出す方向だと発言して「実際の40年超運転に進めるかは改めて判断する」説明しました。

美浜1号機のリプレース問題について原発問題住民運動大阪連絡会は、加盟するライフライン市民フォーラム(LLCF)の一員として、福島原発事故の直前の2月14日に関電に提出した「話し合い申し入れ文書」で、美浜1号機の後継機として「プルトニウム利用を前提とする原発(軽水炉)はやめること」を要求し、3月17日の話し合いでは、関電の何時もどうりの推進発言に対し、未曾有の福島原発事故の直後であり、十分検討したうえでの回答を頂きたいと主張して話し合いを継続しています。


原発日誌・大阪 6/21〜7/20

21日
 東京電力は福島第1原発の高濃度放射性汚染水浄化システムで、再開に向けた試運転中、仏社製の除染装置のポンプが停止したため運転を一時中止したと発表した。水の流量を調整後、約5時間後の昼過ぎに運転を再開した。

21日
 滋賀県の嘉田由紀子知事は21日の定例記者会見で、「ハイリスクな原発はやめてほしい。代替エネルギーを探しながら、原発に頼らないエネルギー政策を進めるべきだ」と述べ、「卒原発」が必要との考えを明確にした。

22日
 東京電力福島第1原発事故で全村が計画的避難区域になった福島県飯舘村は、役場機能を20キロほど離れた福島市内に移し業務を始めた。移転先は福島市と08年に合併した旧飯野町の庁舎。菅野典雄村長は開所式で「2年ぐらいで一部の村民だけでも村に戻りたい」と述べた。

22日
 東京電力福島第1原発事故の原因究明に当たる「事故調査・検証委員会」の畑村洋太郎委員長は日本記者クラブで講演。検証作業について「本人の了解があれば、首相や大臣、東電社長らから公開での聴取もあり得る」などと語った。

22日
 東京電力福島第1原発事故を受け、原子力安全委員会、安全審査の基準となる「安全設計審査指針」と「耐震設計審査指針」の見直しに着手した。

22日
 東京電力は福島第1原発で試運転中の高濃度放射性汚染水浄化システムで、処理前後の放射性物質濃度を調べた結果、米キュリオン社製のセシウム吸着装置の能力が想定を下回っていたと発表した。

22日
 海江田万里経済産業相が停止中の原発の再稼働を促したことに対し、佐賀県の鈴木英敬知事は定例会見で「福島第1原発事故の収束が図られていない中で、(再稼働は)時期尚早な感がある」と批判した。また、県内の立地については「今は議論の余地はない」と述べ、現時点で容認する考えがないことを改めて示した。

23日
 関西電力の八木誠社長は、電力不足に伴う節電への協力を要請するため、京都府の山田啓二知事と滋賀県の嘉田由紀子知事と相次いで会談した。

23日
 東京電力は福島第1原発2号機で原子炉建屋などの水素爆発を防ぐため原子炉格納容器に窒素を注入する作業を始めると発表した。

23日
 全福島県民203万人を対象に、東京電力福島第1原発事故による被ばくの影響を調べる健康調査を今後30年間実施するため、政府が1000億円規模の基金を創設する検討に入ったことが分かった。11年度第2次補正予算案に700億〜800億円を計上し、東電にも200億〜300億円の資金拠出を求める。国主導で財源を整備し、放射線による健康被害の早期発見や治療に取り組む考えだ。

24日
 東京電力は福島第1原発の高濃度汚染水処理システムで、同日から淡水化処理を始めたと発表した。油分離装置、米キュリオン社のセシウム吸着装置、仏アレバ社の除染装置に続くシステム最後尾を担う過程で、処理後の水は、汚染水を原子炉の冷却水として再利用する「循環注水冷却」に使用される。

24日
 西川一誠知事は県議会代表質問で「福島第1原発事故の前と後で、高経年(老朽)化対策の安全基準が変わらないということでは、安全性に対する県民の理解は得られない」と述べ、高経年化が事故に与えた影響を国が分析し、得られた知見を他の原発の安全対策に生かすよう強く求めた。

24日
 高速増殖原型炉「もんじゅ」で原子炉容器内に落下した炉内中継装置(3・3トン)本体の撤去は、24日午前5時ごろ終わった。昨年8月の落下から10カ月近くたち、撤去の工事費や新たな装置の購入で約17億5000万円かかった。国の原子力政策の行方自体が不透明ななか、今回の装置落下は、トラブルがあれば長期停止と多額の費用を要するもんじゅの弱点を改めて示した。

26日
 福島第1原発事故で、東京電力は3号機の原子炉建屋内にある使用済み燃料プールについて、冷却水のアルカリ性が強くなり、燃料集合体を支えるアルミニウム製ラックが腐食する恐れが長期的にはあるとして、ホウ酸水の注入を始めた。

26日
 九州電力玄海原子力発電所2、3号機の運転再開問題で、経済産業省は同原発の安全対策などについて住民説明会を開いた。福島第1原発事故後、政府が原発立地自治体で住民説明会を開くのは初めて。

27日
 中国電力が山口県上関町で計画している上関原発の建設予定地埋め立て免許に関し、二井関成知事は県議会代表質問への答弁で「計画自体が不透明な状況にある。新たな手続きに入ることはできない」と述べ、現時点では延長を認めない方針を表明した。

27日
 福島第1原発事故で、東京電力は午後4時20分、高濃度の放射能汚染水処理システムの本格運転を再開し、浄化後の水を原子炉冷却に使う「循環注水冷却」を始めた。

27日
 原発事故収束・再発防止担当相に就任した細野豪志・前首相補佐官は27日夜の就任会見で「原子力行政を根本的に見直す」と述べ、原発を推進する経済産業省からの原子力安全・保安院の分離・独立を実現させる考えを強調した。


28日
 福島第1原発事故で、原子力安全・保安院は、東京電力が同日午後2時35分ごろ、高濃度の放射能汚染水を浄化して1〜3号機の原子炉冷却に使う「循環注水冷却」を再開したと発表した。原子炉注水量は1、2号機が毎時3.5トン、3号機が同9トンの計16トン。浄化水14トンに、以前から使っているろ過水2トンを混ぜて供給している。 

28日
 東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋を覆う「建屋カバー」の仮組みが、福島県いわき市の小名浜港で進んでいる。

28日
 政府の原子力災害対策本部は東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が全県民を対象に実施する被ばく線量調査に役立てるため、事故発生初期の県内全域の放射線量分布図を作ると発表した。データがない部分は「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)で予測し、その値で補完する。

29日
 九州電力玄海原発2、3号機の運転再開問題で、海江田万里経済産業相は午前、同町で岸本英雄町長と会談し、原発の安全対策を説明し、2、3号機の運転再開に理解を求めた。岸本町長は運転再開を認める考えを伝え、会談後、「安全は確認された」と述べた。福島第1原発事故以後、原発立地自治体の首長で再稼働を容認したのは初めて。

28日
 高速増殖原型炉「もんじゅ」の今後のスケジュールについて、西川一誠知事は県議会一般質問で、「運転継続について議論する段階ではない」と述べ、福島第1原発の事故を受けた安全面の確認や、炉内中継装置が原子炉内に落下した影響の評価が先との見解を示した。日本原子力研究開発機構は、40%出力試験を今年度中に始める計画だが、知事の発言は同試験の開始時期に影響しそうだ。

29日
 海江田万里経済産業相が九州電力玄海原発2、3号機の再稼働を目指し、佐賀県玄海町を訪問したことをめぐり、大阪府の橋下徹知事は、「経産省のやり方は、霊感商法と同じ」と批判し、佐賀県の古川康知事が、玄海原発の運転再開を容認する姿勢を示したことについても「データがあるのか。それとも知事は、霊感をお持ちなのか」と揶揄。佐賀で開かれた説明会も「やらせ」とこき下ろした。

29日
 関西電力など電力5社が開いた株主総会では、原発事業からの撤退など「脱原発」関連の株主提案が、いずれも反対多数で否決された。会社側は原発重視の姿勢を崩さなかった。総会では、原発事業からの撤退を定款に盛り込むよう株主124人が求めた議案を否決した。

30日
 東京電力は新潟県の柏崎刈羽原発2〜4号機について、津波などによる原子炉建屋への浸水を防ぐため、給排気口に新たに防潮板を設置すると発表した。運転中の1号機は既に工事を終えた。防潮壁と合わせ、来年度中の完成を予定している。

30日
 東京電力福島第1原発事故で、政府は警戒区域や計画的避難区域以外で局所的に年間被ばく線量が20ミリシーベルトを超える恐れがある「ホットスポット」と呼ばれる地点を巡り、福島県伊達市の4地区の中の113世帯(106戸)を「特定避難勧奨地点」に初めて指定した。

30日
 東京電力は、4月以降に福島第1原発で収束作業に当たった作業員のうち、内部被ばくの評価が終わった2242人の被ばく量をまとめ、厚生労働省に報告した。被ばく量が最も多かったのは100ミリシーベルト超〜150ミリシーベルト以下の1人だったが、現時点で協力企業の作業員1295人と連絡が取れていないという。

7月

1日
 泉田裕彦新潟県知事は、県議会6月定例会で、停止中の原子炉に核燃料税を課税するとした福井県の改正条例案について「検討に値するものと考えている」と述べた。福井県は長期的に原子炉が停止した場合も税収を安定確保するため、原子炉の熱出力に応じた課税(実質8・5%)をするとした条例案を6月議会に提出している。

2日
 中電が山口県上関町で進める上関原発計画について、予定地から30キロ圏内にある同県の周辺8市町議会の意見書が出そろった。計画の白紙撤回を求める動議を否決した上関町を包囲するように、各意見書は「中止」「凍結」などを求めている。

2日
 東京電力は、福島第1原発の循環注水冷却を安定させるための貯水タンク(1000立方メートル)を新設し、中断していた汚染浄化処理した水による原子炉への注水を再開した。再開後の注水量(毎時16立方メートル)はすべて処理水に切り替えている。

3日
 東京電力は、福島第1原発5号機の原子炉冷却装置で、ポンプでくみ上げた海水を熱交換器に送るホースに亀裂ができ、中の海水が噴き出すトラブルがあったと発表した。修理のため装置が約3時間半停止し、原子炉の水温は42.8度から約5度上がった。

4日
 九州電力玄海原発を抱える佐賀県玄海町の岸本英雄町長は午前、九電の真部利応社長と町役場で会談し、点検停止中の玄海原発2、3号機について「町民の一定の理解を得られた」と述べ、運転再開に同意した。

4日
 東京電力福島第1原発事故に伴う放射線モニタリングについて、政府は「ホットスポット」と呼ばれる高濃度地域を把握するため、福島県や隣接県、首都圏などを含めた近隣地域での調査を強化することを決めた。

6日
 海江田万里経済産業相は記者団に対し、原子力発電所の一層の安全確保のため、全原発を対象にストレステスト(耐性試験)を行うことを明らかにした。定期検査などで停止し、再稼働準備中の原発を優先して実施。具体的な試験項目は、細野豪志原発事故担当相や原子力安全委員会と協議して決定する。

6日
 ソフトバンクが全国の自治体に呼び掛け、自然エネルギーによる発電事業を設立する計画に対し、北海道では道内で28市町村、2事業者が誘致に名乗りを上げた。候補地の面積は計約1300ヘクタール。規模は各自治体の需要の一部を満たすに過ぎないが、いずれも「電力を地産地消するモデル地域」を目指したいと息巻き、制度の整備など課題は山積しているが、知名度向上や経済効果を期待する声が高まっている。

6日
 九州電力が協力会社にインターネットで原発の運転再開を支持する意見を寄せるよう呼びかけていた問題で、海江田万里経済産業相は、「番組の趣旨を根本から損なう言語道断の行為で、極めて遺憾」との談話を発表。眞部利應九電社長に対し、資源エネルギー庁長官から厳重注意するとともに、原因究明と再発防止策の報告を指示した。

7日
 二井山口県知事は県庁で苅田知英・中国電力社長と会い、中電が上関町に計画する上関原発予定地の海水面の埋立免許延長は現状では認められないとする見解を伝えた。

8日
 定期検査中の関西電力大飯原発1号機は、東日本大震災の発生前日の3月10日に原子炉を起動し、調整運転を約4カ月間続けながら発電している。通常は1カ月程度だ。
福井県議会予算特別委員会で「なし崩し的に原発を稼働している」と批判された。

8日
 定期検査中の伊方原発3号機の再稼働問題で、四国電力は予定していた10日の再稼働を断念した。中村時広知事は再稼働の条件として、従来の3条件に加え、新たに事故時に「国が全責任を負う」との“一筆”を求める考えを表明し、方針の定まらない国の姿勢に強い不信感をにじませた。

12日
 東京電力は福島第1原発の汚染水浄化システムで水漏れが見つかり、システムを緊急停止したと発表した。

12日
 農林水産省は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、国内で牧草に含まれる放射性セシウムが肉牛や乳牛の体内にどの程度吸収されるかを示す「移行係数」を調査する方針を決めた。現状では、国際原子力機関(IAEA)が示したデータが基準になっているが。国内と海外とでは、牛の種類や与える餌の量も異なるため、国内産牛独自のデータを取る。

13日
 東京電力は福島第1原発5号機の原子炉冷却装置を約4時間停止したと発表した。ポンプと熱交換機をつなぐホース(ポリ塩化ビニール製)を交換するためで、停止中に大幅な温度上昇はなく、その後も問題ないとしている。

13日
 自民党は、原発増設など「原子力政策の推進」を軸とする政権与党時代からのエネルギー政策の転換に着手した。ただ、政策の抜本見直しにつながる「脱原発」には党内に抵抗感が強く、原発数を減らす「縮原発」や、エネルギー政策の転換を図る「超原発」といったキーワードが浮上している。

14日
 東京電力は福島第1原発3号機で水素爆発を防ぐため、同日午後8時から原子炉格納容器に窒素注入を始めると発表した。

16日
 関西電力は調整運転中の大飯原発1号機で、緊急炉心冷却装置(ECCS)系統にトラブルがあり、同日夜に原子炉を手動停止して原因を調査すると、福井県に伝えた。再稼働の見通しは立っておらず、8月の最大電力(需要)に対する不足分が大幅に拡大し、関電が要請している節電などにも影響を及ぼす可能性がある。

16日
 東京電力は福島第1原発から出た放射性物質による地下水汚染を防ぐ遮蔽(しゃへい)壁(地下ダム)について、基本設計に着手したことを明らかにした。19日に改定する工程表に盛り込む。

18日
 平野復興相は福島県佐藤雄平知事と会談した。佐藤氏は高濃度の放射性セシウムに汚染された稲わらが肉牛に与えられていた問題で、福島県産肉用牛の全頭検査実施を求め、平野氏も実現に努力する考えを示した。

19日
 政府と東京電力は、福島第1原発事故の収束へ向けた取り組みと被災者支援の工程表を見直し、これまでの進捗(しんちょく)状況と合わせて発表した。4月17日の工程表発表から3カ月間で「安定的な原子炉の冷却」を目指したステップ1の「達成」を宣言。今後3〜6カ月で「冷温停止」を目指すステップ2も大筋で変更しなかった。

20日
 関西電力高浜原発4号機で21日から実施す定期検査で、関電はウラン燃料の装荷を計画していることが分かった。秋のプルサーマル発電の見送りを事実上示した格好だ。

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2011年7月25日 No.170 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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