げんぱつ 2012年2月25日 No.177

原発問題住民運動大阪連絡会 - げんぱつ 2012年2月25日 No.177

げんぱつ 2012年2月25日 No.177

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webmaster 2012-3-5 19:04

停止原発の運転再開を急ぐ政府・電力会社

 いま日本国民の多数が「もう原発は要らない」「原発から撤退を」と考えていることがさまざまなアンケート調査で明らかになっています。政府は新しいエネルギー基本政策の改定作業に取り組んでいます。新政策は福島第一原発事故の反省・教訓に学んで作られます。現在、東京電力福島第一原発事故の原因・責任の調査解明を行う委員会組織が国、国会それぞれで作られて活動しており、客観的で公正な調査結果報告が期待されています。また、民間の委員会も作られています。

 一方、事故以来定期検査で停止した原発の運転再開が出来ず、全国54基の原発の52基が停止し、4月にはすべてが停止します。このような状況の中で電力会社は、「原発撤退」の国民世論に対し、「原発が止まれば電力不足が起こる」「原発停止で火力用の燃料費が増え電気料が上がる」などと主張して運転再開を目指しています。

 国は、電力会社に指示したストレステストを運転再開の前提条件の一つと考えており、真っ先にストレステストの結果を報告した関西電力大飯3,4号機のストレステストについて、原子力安全保安院は「妥当」とする審査最終案を2月8日にまとめました。しかし、このストレステストは福島第一発所事故で明らかになった津波や地震への東電の対策の不足や問題点について、国の指示で各電力会社が行った対策でどこまで耐えることができるかをコンピュータ計算でテストしたものであり、これからの原発の安全を保証するものではありません。今進行中の福島第一原発事故調査検証の作業などによって事故の原因と責任が明らかになり、その反省と教訓に立った総合的なエネルギー政策と新たな安全基準が策定される必要があります。そして策定される新たなエネルギー政策は国民の多くが望む「原発からの撤退」を基本とするものでなければなりません。

事故一周年の3月11日に日本の全府県で計画されている行動と連帯して、「原発ゼロ・再生可能エネルギー推進」を要求する集会を成功させ国民的な世論を拡げ固めることが期待されます。

美浜3号機の定期検査入りで関電の全原発が停止

 関西電力は定期検査のため、2月20日夜に美浜原発3号機を停止し、これで関電の原発11基はすべて停止しました。関電の八木誠社長は記者会見で「電力の需給不安を取り除くことが大切」と運転再開の必要性を強調するとともに、国の新たなエネルギー政策について「原子力と再生可能エネルギーや火力、省エネなどを適切にミックスした政策が必要。原子力も一定の役割を担う電源だ」と述べ、原発撤退の世論に対抗して原発の存続を強調しました。

環境省が国の直轄で行う除染作業の日程表と地域区分を発表

 1月26日、環境省は、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の除染について、国が直轄で進める除染作業の工程表を発表しました。放射線量が年間50ミリシーベルト以下の地域は住民の同意など条件が整った地域から今春以降順次、本格除染に着手し、14年3月末の完了を目指します。一方で年間50ミリシーベルト超の地域については、現在の技術では住民が帰宅できるレベルまで線量を下げられず、帰還の難しさが改めて明らかになりました。

 汚染地域の区分は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、現在の警戒区域と計画的避難区域を「除染特別地域」として除染。また、両区域は4月から(1)年間20ミリシーベルト以下の避難指示解除準備区域(除染対象面積約1万200ヘクタール)(2)同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下の居住制限区域(同7200ヘクタール)(3)同50ミリシーベルト超の帰還困難区域(同約9300ヘクタール)−−の3区域に再編する方針を固めています。

原発日誌・大阪 1/21〜2/20 (この期間の原発に関する主要な出来事)

1月22日
今夏の電力需給について「全国で約1割の不足に陥る」と公表した昨夏の政府試算について「供給不足にはならない」という別の未公表のシナリオが政府内に存在したことが、分かった。公表した試算は、再生可能エネルギーをほとんど計上しないなど実態を無視した部分が目立つ。関係者からは「供給力を過小評価し、原発再稼働の必要性を強調している」と批判の声が上がっている。

23日
原子力委員会の近藤駿介委員長が作成した東京電力福島第1原子力発電所の「最悪のシナリオ」を巡る政府の情報公開に問題があったとして、福島原発事故独立検証委員会(北沢宏一委員長)が調査を始めた。シナリオは3月25日に作成したが政府はパニックを恐れ、昨年末まで非公開としていた。

23日
東京電力は、福島第一原発の1号機、2号機、3号機から1時間あたりに放出されている放射性物質の量が、7200万ベクレルと先月よりもおよそ1200万ベクレル増加したと発表した。1号機は800万ベクレル減少したが、2号機と3号機はそれぞれ1000万ベクレルずつ増加している。

24日
日米仏や中ロなど13カ国・機関は共同で、2030年以降の実用化へ研究が進む次世代原子炉「高速増殖炉(高速炉)」の安全設計基準をまとめる。事故に備えて炉の自動冷却や放射性物質の封じ込めなど共通対策を年内に策定する。開発を急ぐ新興国と先進国が情報を共有し、一定の安全水準を求める国際枠組みを整える。福島第1原子力発電所事故を受け、世界では既存の原発でも安全策が検討されている。原発依存度を下げる議論もあるが、高速炉が今後もエネルギー源の1つになると判断した。

24日
関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に向けた動きが高まるなか、「原発設置反対小浜市民の会」など県内と関西各地の反原発18団体のメンバーが、小浜市長と市議会議長に要望書を提出した。再稼働について同意を表明できる立地自治体並みの安全協定を関電などと締結し、「市民に説明し理解を求めることが必要」と市として表明するよう求めている。

26日
環境省は、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の除染について、国が直轄で進める除染作業の工程表を発表した。

26日
東京電力が4月から企業向け電気料金を平均で約17%値上げすると発表したことで、大株主である東京都は、東電、原子力損害賠償支援機構、経済産業相の3者に対し、さらなる経営合理化などを求める緊急要望書を出した。

27日
枝野幸男経済産業相は閣議後記者会見で、今夏の電力需給対策を巡って「日本の産業に大きな影響を与えることなく乗り切る検討を進めている」と話した。その上で「いかなる状況でも制限令なしで乗り切りたい。強い意志だ」とし、電力使用を強制的に制限するような措置は回避する姿勢を強調した。

28日
平野達男復興担当相は午前、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し、東京電力福島第1原発事故を受けた県内の18歳以下の医療費無料化について「医療制度全体の根幹に関わるので困難だ」と述べ、見送る方針を伝えた。

27日
山梨県と東京電力が共同で整備を進めてきたメガソーラー「米倉山太陽光発電所」(甲府市下向山町)が27日、本格稼働した。最大出力は1万キロワットで内陸部では国内最大規模。

27日
関西電力は、大飯原発1号機の再稼働の前提となる安全評価(ストレステスト)の1次評価結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。県内では5基目、全国では15基目となる。

29日
政府の原子力損害賠償支援機構は、東京電力が発表した企業向け電気料金の値上げについて、平均17%とした値上げ幅の圧縮を指示する方向で検討に入った。

29日
福島第1原発事故で放出された放射性物質の生態系への被ばく影響を調べるため、環境省は同原発周辺で野生動植物のモニタリング調査に着手した。特に動物の生殖や植物の発芽などの能力に異常が生じていないかを検証する。今年度内に中間報告を出す方針。

29日
東京電力は、福島第1原発の原子炉へ注水する非常用高台炉注ポンプなど、計14カ所から水漏れが相次いで見つかり、4号機の使用済み核燃料プールの冷却が約2時間停止するなどの影響があったと発表した。配管の凍結が原因とみられ、漏えい水の海への流入はないという。

31日
原子力発電所誘致を巡って町内が割れ、誘致を撤回した和歌山県日高町で、原発候補地だった小浦地区に東京電力などが出資する会社が風力発電所の建設を計画していることが分かった。同町も「原発の時代は終わった」(中善夫町長)と、事業に協力する意向だ。

31日
国際原子力機関(IAEA)は、原発の再稼働の判断に使う日本の安全評価(ストレステスト)の審査手法を妥当とする報告書をまとめ、原子力安全・保安院に提出した。

31日
枝野幸男経済産業相は閣議後の記者会見で、原発の過酷事故(シビアアクシデント)対策を検討するため、外部専門家の意見を聴取する会合を新設すると発表した。今回、新設する専門家会合では地震や津波を要因とするケースに限らず、過酷事故対策を幅広く検討する。枝野経産相は年度内に成果をまとめ、4月に発足する原子力規制庁に引き継ぎたい考えだ。

31日
関西電力と日本原子力発電は、原子力安全・保安院から提出を求められていた地震や津波に対する原発の安全性評価について、1月中としていた提出期限を延期すると発表した。天正大地震(1586年)による大津波の有無の調査が長引いていることが主な原因。延期後の提出時期は明らかにしていない。
2月

2日
東京電力福島第1原発事故で汚染された農地の除染費助成を巡り、福島県の自治体や農家の間に「国は現場の実情を分かっていない」と不満が高まっている。昨季に作付けをした農地で除染をする場合、大型機械を使った特定の方法しか除染費用が補助されないためだ。福島市は2日、農林水産省に改善を申し入れる。

2日
国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の黒川清委員長は、政府が原子力規制庁の設置を盛り込んだ原子力規制関連法改正案を閣議決定したことに反対する声明を発表した。黒川委員長は「行政組織のあり方の見直しは国会事故調の任務の一つ」と指摘。「調査を行っている最中であるにもかかわらず、法案を決定したことは理解できない」都批判した

11日
細野原発相は、青森県三沢市で開かれた東京電力福島第一原子力発電所事故に関するパネルディスカッションで、「福島にある原発の再稼働は全くあり得ない」と述べ、廃炉が決まっている福島第一原発1〜4号機以外の同原発5、6号機や東電福島第二原発はすべて再稼働させない方針を示した。

13日
原子力安全・保安院は、関西電力が提出した大飯原発3、4号機の再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)について「妥当」とする審査結果をとりまとめ、内閣府原子力安全委員会に報告したと発表した。

14日
政府が東京電力への公的資本注入に伴い、最大で議決権の3分の2超を取得する方向で最終調整に入ったのは、経営合理化や迅速な賠償を政府主導で断行するためだ。東電を「実質国有化」し、経営に強く関与することに対しては東電の強い抵抗がある。枝野幸男経済産業相はこうした抵抗を封じるため、追加の支援認定の見返りとして経営権を国に譲り渡すよう東電に迫った形だ。

14日
原子力安全保安院が発表した大飯原発3、4号機のストレステスト審査書について専門家からは「評価結果を審議した意見聴取会の議論が反映されていない」などと批判の声も上がる。
NPO法人「原子力資料情報室」の山口幸夫・共同代表は、地震の際に建物と地盤の固有周期が一致して揺れが増幅する「共振現象」を考慮していない点を批判する。また、意見聴取会のメンバーの過半数を、原発メーカーから研究費を負担してもらった大学教授など、従来から原子力行政を推進してきた「原子力ムラ」のメンバーが占めていることを問題点として挙げ、審査会の構造的な問題を指摘した。

16日
原子力安全・保安院は、日本原子力研究開発機構が管理する高速増殖原型炉「もんじゅ」で、ナトリウム漏れの検出器が停止し、一時、保安規定を逸脱したと発表した。もんじゅは運転停止中で、ナトリウムや放射性物質の漏えいはないという。

16日
福島第1原発2号機で原子炉圧力容器底部の温度計が異常に上昇した問題で、東電は、温度計のケーブルが事故後、海水などの影響で劣化したことが原因との報告書を原子力安全・保安院へ提出したと発表した。代替の温度計設置は、新規の技術開発が必要になるため当面は断念。設置可能になるのは早くても2014年度になる。

16日
東京電力福島第1原発事故の被災者と東電の賠償問題を仲介する「原子力損害賠償紛争解決センター」が新たな基準を示し和解手続きを促進を図っている。電側の消極的な姿勢が際立っていた一方、前例のない原発事故で和解に慎重にならざるをえないセンター側の事情もあった。賠償の対象者は約150万人で、今後は申し立てが数万件に上る可能性もある。

17日
関西電力は稼働中の高浜原子力発電所3号機が20日に定期検査入りし、保有する原発全11基(総出力977万キロワット)が運転停止すると発表した。関電は原発依存度が国内の電力会社で最も高く、原発の再稼働の見通しは立っていないものの、今冬の大規模停電などは避けられる見通し。関電は原発以外の電力を確保し、安定供給を図る。

17日
柏市内の3年間の除染費用約33億円のうち、国の補助は約4割の約13億円にとどまるという試算を市がまとめた。放射性物質汚染対処特別措置法の要件が厳しいためで、東京電力福島第1原発事故の影響で比較的放射線量が高い自治体はいずれも同じ状況だ。これを受け、柏市など県内9市は17日、「自治体の負担が大き過ぎる」として国に要件緩和を求めた。

18日
東京電力への公的資本注入について、枝野幸男経済産業相は「りそな銀行のケースが基本」と表明している。りそな方式の特徴は、議決権を3分の2超取得し、経営権を取得する点と、過半数を社外役員にして経営の透明性を高くした点だ。ただ、りそなと異なり、東電は福島第1原発事故の損害賠償や廃炉などに長期間、巨額の費用がかかる。収益の安定が見通せない中で、「実質国有化」による改革断行には多くのリスクがつきまとう。

20日
福井県原子力安全専門委員会で、経済産業省原子力安全・保安院は、国の意見聴取会でも示した安全対策30項目について説明したが、各委員からは「再稼働の判断には不十分」との意見が出されるなど厳しい指摘が相次いだ。

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2012年2月25日 No.177 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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