げんぱつ 2012年10月25日 No.185
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原発問題住民運動大阪連絡会 - げんぱつ 2012年10月25日 No.185

げんぱつ 2012年10月25日 No.185

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げんぱつ
 2012/11/5 19:10

原子力ムラ勢力の圧力で後退を続ける原子力政策

 アメリカ、財界、経団連、電事連、原発推進に加担していた専門家やマスコミ、多くの立地自治体などの原子力ムラ勢力の圧力を受けて、政府は「30年代原発ゼロ」を掲げた「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定を断念しました。さらに「安全性が確認できれば原発再稼働を認める」「建設工事中の原発は認める」「核燃料サイクル再処理施設は継続する」など、現実に30年代原発ゼロの目標を不可能におとしいれる施策をすすめています。さらには安全性の確認を新たに発足した原子力規制委員会と立地自治体に任せて政府の責任を免れようとする動きさへ見えます。

 これら推進勢力の主張は、「原発は安価な電源であり、安全性を確保して継続すべきだ」「原発をなくせば日本経済は破綻する」「原発をやめれば地球温暖化対策は困難だ」「核燃料サイクルを廃止すれば安保問題を含め日米関係が悪化する」という内容が柱で、経済問題を中心に国民の安全と生活を脅かすことになると批判の声を高めています。今まで日本の原発は事故を起こさないと言う「安全神話」で押さえつけてきました。今度は、原発いらないの国民の反対の声を経済的な困難を掲げる新しい国民への脅威「神話」で押しつぶそうとしています。

 国民は今までの推進勢力に騙されてきた経験を通じ、また高度に発達した情報手段を通じて原発継続の危険を感じ取り、「原発いらない」の要求を掲げ運動の広さと深さを増して対決しているのが現在に状況です。「原発ゼロ」と「再生可能(自然)エネルギール推進」は、原発をなくし安全安心の社会を目指す国民挙げての運動を成功させていく車の両輪です。

 「原発ゼロの会・大阪」の運動に参加し、地域の人々と連帯して、原発のない安全で豊かな日本を作る運動を進めましょう。

福島第一原発の事故教訓に学んでいない関西電力

ライフライン市民フォーラム(LLCF)と関電の第14回話合いから

 原発問題住民運動大阪連絡会が参加しているライフライン市民フォーラム(LLCF)は、10月15日午後2時から2時間、関電本店会議室で、第14回話合いを行いました。この話し合いは2004年8月の美浜原発3号機の2次系配管破断事故についての説明を求めた第1回話合いに始まり、関電のCSR(企業の社会的責任)憲章・行動規範を活かして事実に基づく誠実な意見交換の場として粘り強く続けられてきました。話合いはLLCFが事前に渡した「申入書」に答える形で、関電から担当者3人、LLCFから代表10人で行われました。詳細な内容は後刻改めてお知らせすることとし、原子力の今後についての関電の考えを示す特徴的な発言を紹介します。

○電力会社の主要な一員として54基の原発建設を推進してきた責任を問われ

  • 火力、水力、原子力をバランスよく組み合わせた電源のベストミックスに取り組んできたし今後も取り組んでいく。国際的にも最高の安全水準で国民の信頼を回復できるよう取り組むと原子力の継続を答えています。

○事故の根本原因も明らかになっていないのに再稼働に踏み切った事故情報の開示を求められ

  • 政府が事故以来積み重ねてきた様々な知見に基づく4大臣の合意、野田総理大臣の説明、立地自治体の合意のもとに大飯3,4号の再稼働に踏み切った。猛暑による不測の事態が重なる可能性があったことから再稼働は不可欠だったとしています。

○再生可能エネルギー受け入れ拡大に伴う発送電分離問題についての意見を問われ

  • 当社としては再生可能エネルギーをエネルギー確保と地球温暖化対策として重要と考えて普及と拡大に取り組んできた。発送電一環体制の下で再生可能エネルギーの導入拡大は可能であると考えていると答えています。

○関電からの、各種事故調査報告書の内容を適宜確認並びに反映を行っているとの発言に対し、LLCF側から、国会事故調は、電力会社の電事連を通じての働き掛けで行政、保安院と電気事業者の間で、規制する立場と規制される立場が逆転し、「原子力安全に対する監視・監督の機能の崩壊」が起きていることが今回の事故に通じる問題点と指摘していることについての意見問われ

  • 国会事故調の指摘について確認した感じでは、電力会社として規制を緩めてほしいということではなく、実際の発電所の運営について状況を国の方にしっかりと伝えると言うことをしているのであって、事故調はその事を書いているが、現場はこうなっている、こういう運営をするのが適切だろう言う説明を電事連を通じて、もしくは関電、東電で行っている。と巧妙な言い逃れをして国会事故調の「逆転」の指摘を認めずに拒否しています。

 これらのやり取りから、関西電力は問題の指摘や質問について正面から答えず、あるいは異なる解釈を主張して事故の教訓に学ぼうと言う姿勢がありません。この関電のかたくなな自己主張、周囲からの意見を見下すような傲慢な姿勢は今後の日本のエネルギー制度の民主化への大きな障害となる危険があります。


原発日誌・大阪 9/21〜10/20

21日 東京電力福島第1原発事故で、全域が警戒区域に指定された福島県大熊町の「全町民が5年間帰還しない方針」を盛り込んだ第1次復興計画案が日、同町議会で可決された。原発事故で避難を強いられた自治体が全域で長期間戻らない計画を決めたのは初めて。町議会は、役場機能を移している同県会津若松市で開かれた。

22日 東京電力は、水素爆発した福島第1原発3号機原子炉建屋のがれき撤去作業中に、重さ約470キロの鉄骨が使用済み燃料プールに落下したと発表した。プール水の放射性物質濃度を測定したところ、21日と大きく変動していないという。
 東電によると、22日午前11時5分すぎ、3号機原子炉建屋5階の使用済み燃料プール脇にあるがれきのH鋼をクレーンでつかもうとしたところ、失敗。プールに滑落したという。作業には東電社員2人と協力企業15人が従事していたが、けが人はなかった。 

24日 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、新聞のインタビューに応じ、政府が原発再稼働の前提としてきた電力会社による安全評価(ストレステスト)について「審査しない」と述べ、判断の根拠としない方針を明らかにした。既に30基の1次評価が提出されているが、手続きは白紙に戻ることになる。

25日 枝野幸男経済産業相は新聞のインタビューに応じ、未着工の原子力発電所の新設計画について、電力会社に計画の自主的な撤回を促す考えを明らかにした。枝野経産相は「(2030年代に原発稼働ゼロを目指す)政府の革新的エネルギー・環境戦略の方針は原子力やエネルギー業界に一定の拘束力がある」と強調。「政府の戦略を踏まえて電力会社に自主的な対応をしてもらうか、法制度上の措置が必要かを今後検討する」と語った。

26日 原子力規制委員会は定例会で、関西電力大飯原発(福井県)の敷地内を通る断層(破砕帯)が活断層かどうかを調べるため、関連学会から推薦を受けた専門家で調査団を作り、10月下旬に現地に派遣すると決めた。調査団には、過去の原発の安全審査に関わった専門家は入れない方針。

27日 関西電力は原発の炉心損傷に至る過酷事故の対策強化に向け、原子力事業本部(福井県美浜町)の原子力企画部門に「シビアアクシデント対策プロジェクトチーム(PT)」を28日設置すると発表した。

27日 東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で県内に生じた「指定廃棄物」(放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル超)の最終処分場について、国は県内の候補地を高萩市上君田竪石の国有林野と決定。横光克彦副環境相は27日、県庁と高萩市役所を訪れて選定の経緯を説明した。しかし草間吉夫市長は「被災地なのになぜ。断固反対」と強烈な拒否反応を示した。橋本昌知事も地元の意向を優先する考えを表明。国と高萩市の間の調整は難航しそうだ。

28日 枝野幸男経済産業相は閣議後記者会見で、原発の再稼働について「安全性について原子力規制委員会がゴーサインを出し、地元自治体の了解が得られれば重要な電源として活用する」と述べた。その上で、地元に再稼働の必要性を説明するのは「(電力)事業者だ」とし、政府が再稼働の判断に関与しない考えを示した。 

30日 日本政府が米政府に対して「安全が確認された原子力発電所は引き続き重要な電源として再稼働させていく」方針を伝えていたことがわかった。9月中旬に「2030年代に原発稼働ゼロをめざす」新戦略をまとめたことに米側から懸念が強まり、原発ゼロに直結する政策ではないことを明確にした。
 政府はこうした見解を新戦略の決定に前後して米ホワイトハウス、エネルギー省、国務省の高官のほか知日派の有識者らに説明。再稼働の候補となる原発や時期には言及しなかったもようだ。

10月
1日 東京電力福島第1原発事故を受けて建設を中断していたJパワー(電源開発)の大間原発(青森県大間町)を巡り、同社の北村雅良社長は、大間町議会の特別委員会で、建設を再開したと表明した。

1日 東京電力は、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部に設置した温度計のうち、正常に測定できるのは1台だけになったとする報告書を原子力規制委員会に提出した。

2日 北海道経済連合会など北海道の主要経済3団体の首脳が、自民党本部で安倍晋三総裁らと会談し、泊原子力発電所(北海道泊村)の再稼働を求める緊急要望書を手渡した。寒冷な北海道では冬場の電力不足が深刻な事態を招くおそれがあるため、安倍氏に再稼働の必要性を訴えた。

2日 原子力規制委員会は、事故を起こした東京電力福島第1原発を「特定原子力施設」に指定する方針を固めた。指定で同原発は特別に管理されることになり、規制委が東電に廃炉までの作業の実施計画を提出するよう義務づけ、不十分であれば変更を命令できる。3日の会合で方針を決め、必要な課題を議論したうえで年内にも指定する見通し。

2日 東京電力は福島第二原発4号機の燃料取り出し作業を報道陣に公開し、同原発1〜4号機の全ての原子炉からの燃料取り出しが平成26年中に完了する見通しを示した。原子炉から取り出した燃料は、各号機の使用済み燃料プールで保管する。

3日 原子力規制委員会は原発の安全審査などで、参考意見を聞く外部専門家の選定基準案を示した。過去3年間に、審査対象の原発を運転する電力会社や関連会社に所属したか、年50万円以上の報酬を受け取った専門家は除外するとしている。近く委員会の内規として決定する。

3日 藤村修官房長官は記者会見で、原発再稼働を最終判断する主体について「(再稼働に)地元の理解を得るのは当然、電力事業者が行う。政府の方針は必要に応じ、立地自治体などに政府が説明する」と述べ、政府が個々の再稼働の判断を主導することに消極的な考えを示した。

4日 東京電力福島第一原発事故に伴い、ごみの焼却灰がたまり続けている問題で、国が処分する放射性物質が1キロ当たり8000ベクレル超の焼却灰の搬入先が一向に決まらず、保管している市町村の最終処分場の容量を圧迫している。市町村が処分する8000ベクレル以下についても、一時保管の形を取らざるを得ないのが現状だ。関係者は「このままでは数年で満杯になる」と悲鳴を上げる。 

4日 原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理(前地震予知連絡会会長)は、新聞のインタビューに応じ、建設中も含めた全原発で、敷地内に活断層があるか総点検する方針を明らかにした。

5日 原発事故に備えた防災対策を重点的に行う区域が、現行の8〜10キロ圏から30キロ圏に拡大されることになった。青森県内では、東北電力東通原発(東通村)から30キロ圏として、新たに野辺地町が対象に加わる。建設中のJパワー大間原発(大間町)では、防災対策の拠点となるオフサイトセンターの予定地変更が必要になるなど、影響が広がっている。

5日 山口県山本繁太郎知事は、中国電力が同日申請した上関原発の予定地の公有水面(海面)埋め立て免許の期限の延長申請について記者団の取材に応じ、「申請は許可できない。不許可の処分とする」と明言した。県は今後、行政手続法に基づき、原則として32日以内に判断を示すが、「失効」の結論は揺るがない。

7日 原発ゼロの会・大阪は午後、発足一周年記念集会を天満のエル大阪で開き800人が集まって熱気のある集会となった。金谷邦夫会長の挨拶、安斎育郎氏の講演に続き、圏内8地域のゼロの会の行動報告があり、集会後大阪市役所までのパレードが行われ、原発ゼロへの運動の決意を示した。

9日 枝野幸男経済産業相が閣議後の記者会見で、建設計画中の原発9基の着工を認めない考えを示したことに対して、敦賀市の河瀬一治市長は同日、「地域の実情を踏まえ、個別に判断していただきたい」とのコメントを出した。同市には、日本原子力発電敦賀原発3、4号機の建設計画がある。

10日 原子力規制委員会は、炉心溶融に至った東京電力福島第1原発事故のような想定を超えた過酷事故への対策の法制化に向けた作業に着手した。過酷事故の発生リスクを確率で把握する手法を新たに取り入れ、電力事業者に低減策を義務づける。想定を超えた大事故が起きないことを前提とした従来の安全規制からの転換となる。過酷事故につながる原因には大規模な自然災害、航空機墜落、テロが挙げられている。

11日 福島県平田村の「ひらた中央病院」は、東京電力福島第1原発事故に伴い検査を希望した県内外8200人の内部被ばく検査結果を公表した。99%以上が検出限界未満だった。

15日 関西経済連合会は、大飯原発3、4号機に続く原発再稼働などを政府に求める「電力にかかわる経済性と安定性の確保を求める緊急要望」を発表した。

15日 バルト三国の一つ、リトアニアで1日、日立製作所が事実上受注した「ビサギナス原発」の建設是非を問う国民投票が行われた。地元メディアの集計では15日未明(日本時間同日午前)段階で、反対票が6割を超えた。

17日 関西電力大飯原発(福井県)の敷地地下で活断層の存在が指摘されている問題で、原子力規制委員会は、定例会を開き、来月2日に初めての現地調査を実施することを決め、有識者調査チームに、この問題を指摘してきた渡辺満久東洋大教授の起用を決めた。年内にも活断層かどうか判断し、運転の可否を検討する。また、Jパワー(電源開発)が建設中の大間原発(青森県)などについても活断層調査の必要性を検討する。

19日 東京電力柏崎刈羽原発で、5号機の使用済み核燃料プールに保管されていた燃料集合体のうち2体で内部の部品が曲がっているのが見つかった。原子力規制委員会は、東電に原因究明を求める指示文書を提出した。

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2012年10月25日 No.185 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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