大阪公害患者の会連合会 - #2010-9-20 (33-13)事務局ニュース
「ぜん息被害者救済条例」を 〜大阪府に16405名の署名を提出〜
「大阪にもぜん息患者の医療費を無料にする制度をつくって下さい一酸素ボンベを抱えた守口市の患者・飯田眞治さんが声を絞り出すように訴えました。
あおぞらプロジェクト大阪とぜん息被害者の救済を求める会は9月15日、「大阪府全域で、全年齢を対象にぜん息被害者を救済を求める制度の創設を求める要請署名」 16405名を大阪府に提出しました。
この日午後の署名の提出には、公害患者会から9人が参加。未救済の患者・小原節子さん、松本邦枝さんが、長年くりかえす症状と高い治療費に苦しむ実態をのべるとともに、「大気汚染の深刻さは東京も大阪も変わりません。東京に続いて大阪にも、被害者救済条例を」と訴えました。
この日午前には、府議会各派への条例制定に向けた協力要請活動を実施。共産党、民主党、維新の会を訪問・懇談しました。自由民主党(9月3日)、公明党(9月14日)にも要請しています。
ぜん息被害者の救済を求めて各会こうして頑張っています
<平野>
昨年PM2・5の団体署名をお願いしたところに郵送で、また地域の自治会や老人会にも申し入れをしています。つむぎ祭り(障害者団体主催)に署名集めに行かせていただいて310名分を集めました。平野では現在1975名分集めました。
<福島>
9月10日野田阪神駅前にて署名の宣伝行動に取り組みました。診療所の方がたくさん参加されて総勢21名。集まった署名は173名分でした。神戸から最近引っ越してきたばかりです。空気はきれいになったと聞いていますが汚れているんですか・・子供がぜん息といわれているので心配ですと話される若いお母さん。ヨガ教室をしています。ぜん息の方が何人かおられます。ヨガはぜん息にもいいのですよ・・と署名してくれました。参加した人たちが元気をもらいました。次回懇談会と宣伝行動は10月19日玉川交差点です。
<堺>
この間2か月に一度の患者会の世話役会で相談しながら署名に取り組んでいます。今までなかなか取り組めなかった署名ですが、みなさんいろんなつながりを生かして50名から100名を超える署名を集めています。涼しくなったら地域の団体にもお願いに行くことにしています。
「常識的な結果」?
◆世間を騒がせた民主党の代表選が終わった。現職首相と元幹事長の一騎打ち。マスコミは連日大々的に報道し国政選挙並みの「予想」まで何度もやってみせた。高校生の倅に感想を求めると「常識的な結果だね」と冷めた口調で答えた。
◆確かに今回の結果は、「政治とカネ」と「普天間」で前首相とともに引責辞任した幹事長と、3ヵ月前に後を引き継ぎ、唐突な「消費増税」発言で参議院選挙に大敗北した党代表との争い。たとえは悪いが「産地偽装」と「賞味期限切れ」のウナギを並べて「どちらにします?」と究極の選択を迫られたようなもので、選挙人はさぞかし悩ましかったに違いない。
◆悩ましいといえば、この間の政治空白。高齢者の所在不明問題、500人を超える熱中症による死者、救急搬送の約半分が65歳以上の高齢者だと言う。後を絶たない子どもの虐待・・・「格差と貧困」、「コミュニケーションの崩壊」の進行が、お年寄りと子どもの命を奪う異常事態に政治のやるべきことは多い。
◆民主党代表選の結果は、確かに「常識」に収まったかにみえる。しかし、411人の国会議員票は206対200。国民に選ばれた国会議員にはどうやら「常識」が通じない人が多いようだ。国民からみると政権党のそこが一番心配なのである。新しい首相と政権党に「常識」を選択させる活動〜アスベスト被害者やぜん息被害者の救済〜を粘り強く働きかけたい。
(第34回)大阪連合会大会
*日時:10月1日(金)午後1時30分から
*福島区民センター 3階
大阪市対連交渉 “脱硝装置は必要” 大阪市「阪神高速にしっかり伝えます」
大阪市の2011年度予算に対する要望事項に基づく話し合いが8月27日から始まりました。大阪市対策連絡会議(市対連)が毎年この時期に開催しているもので、初日の午前10時からは公害・環境行政について大阪市役所で交渉。大阪公害患者の会連合会から20人が参加しました。
二酸化窒素の環境基準をめぐる問題では、平成21年度、大阪市内の自動車排ガス測定局2局(住之江と今里交差点)で環境基準が達成できなかったことで明らかなように、依然として大阪市内の大気汚染状況は深刻で「安定して環境基準をクリアし続けるという状況」になっていないことを確認しました。こうしたなか、阪神高速道路株式会社が淀川左岸線建設にともなう大気汚染対策として、住民に約束した脱硝装置の取り付けを反故にしようとしている問題をとりあげました。住民の一人、冨田美恵子さんは「阪神高速は周辺の大気汚染がよくなったなどといって、私たちとの約束を破ろうとしている。脱硝装置設置は住民誰もが願っていること。大気汚染がよくなっていないのだから、大阪市はちゃんとつけるように指導してほしい」と訴えました。
大阪市側は、同問題をめぐって2010年3月に阪神高速と協議、「大気環境を悪化させないよう十分配慮するよう」要請したことを明らかにするとともに、阪神高速側は今秋に結論を出そうとしているとのべました。これに対して、「(脱硝装置が)必要と認めているなら、具体的に申し入れるべきだ。市民の健康と安全を守るのが市の仕事ではないか」などと追求。「残念ながら(阪神高速に対して)監督や指導の権限はないが、(大気汚染の)現状をしっかり伝えたい。市の考えも改めて示したい」とのべました。阪神高速側の対応が注目されます。
また保健部との交渉では、新たなぜん息被害者の救済について要望しました。
国への請願署名を 大気全国連がよびかけ
新しい被害者救済制度をつくろう!
大気汚染公害被害者を救済する新しい国の制度をつくろう!・・・大気汚染公害裁判に取り組んでいる患者会と弁護団の連絡会(大気全国連)は9月12日、名古屋市で開いた会議で、ぜん息など大気汚染公害で呼吸器の病気になった人を救済する制度を求めて、全国で請願署名運動に取り組むことを決めました。
大気汚染は近年、少しずつ改善傾向にありますが、たとえば二酸化窒素(NO2)では、大都市の沿道を中心に高い濃度の汚染が続いています。大阪でも、自動車排ガス局2カ所で環境基準をオーバーしています。(平成21年度)また、2009年9月に環境基準を決めたばかりのPM2.5についても軒並み環境基準を上回っています。
こうした大気汚染状況と符号を合わせるように子どものぜん息患者が急増。小学生より中・高校生で増加率が高い傾向が続いています。(文部科学省:学校保健統計)
今回の署名では、(1)大気汚染被害者に対する、医療費救済制度を創設すること(2)道路沿道など汚染の激しい地域は現行「公健法」並みの補償制度を創設すること、を請願項目に掲げています。東京や川崎では、自治体独自の大気汚染公害被害者の医療費救済制度ができ、5万6千人を超える人が制度を活用して治療に当たっています。地方から国へ、新しい被害者救済制度づくりをめざして、運動がスタートします。
大阪ではすでに、全地域、全年齢を対象にぜん息被害者を救済する制度の創設を求める10万人署名に取り組んでおり、当面、この署名に全力を挙げることになります。
地球温暖化?被害続出!
〜あちちの夏 経済悪化で ふところ寒し〜
地球温暖化による異常気象でこの夏の暑さは、統計を初めて以来113年間でもっとも暑い夏になりました。
熱中症で亡くなった方が500名を超えたそうです。「クーラーがあるのに節約のためつけていなかった」「電気代が払えず電気が止められていた」など「格差と貧困」との重なりも垣間見られます。
暑かった夏ですが円高ドル安で経済は悪化するばかり、庶民のふところは寒々しいかぎりです。子供たちは今日もクーラーのない教室で頑張っています。