大阪公害患者の会連合会 - #2010-11-20 (34-2)事務局ニュース
秋の総行動
水俣解決へ「基本合意」を約束 〜松本環境大臣が表明
第35回全国公害被害者総行動第2弾が11月15日実施されました。この日午後、代表団との面会に応じた松本龍環境大臣は、水俣病未認定患者による訴訟の和解案に基本合意することを表明するとともに、総理大臣との面談が実現するよう尽力することを約束しました。
「よみがえれ!有明海訴訟原告・弁護団による早朝宣伝でスタートした秋の総行動は、環境副大臣との交渉、環境大臣との面談、内閣府(地球温暖化問題)、環境省(新しい被害者救済問題)、国土交通省(各地の道路連絡会問題)、農林水産省(諫早湾問題)などとの交渉を行いました。大阪連合会からは森脇君雄会長、上田敏幸事務局次長、岡崎久女さん(西淀川)、前田孝子さん(都島)が参加しました。
<環境保健部長交渉>
大気汚染による呼吸器病への新救済制度の創設については、「現状ではできない」と表明。年度内にまとまるSORA調査の結果を踏まえて対応したい、と述べるにとどまりました。また、2年続けてサーベランス調査でSPMとぜん息発症に関係ありとの結果が出ている点については明言を避けました。
<国交省交渉>
大気汚染公害裁判の和解後に各地につくられた連絡会での協議が、地方整備局の不誠実な対応で和解条項の実施が妨げられたり、暗礁に乗りあげている問題が取り上げられました。「本省の協力な指導」を求めても、なかなか煮え切らない省側の姿勢に参加者の怒りが爆発。「今回の指摘を踏まえた整備局への対応について報告する」ことを確認しました。
感想文 秋の総行動に参加して
「一万4000円も下げないでください!」 岡崎久女
補償費は治療と生活を支えるかけがえのないお金です。六〇歳になったら公害が治るわけでもないのに、一万4000円も下がるのは納得できません。補償費を上げて下さい。決してなくさないでください。
今回の交渉は一時間と短く、あっという間でした。部長はお医者さんだと聞きましたが、医者ならもう少し患者のことがわかるだろうにと思っていました。みじかい交渉が終わり外へ出ると大雨。バスに乗ってまとめの集会場へ!集会は約250人の参加でした。東京駅へ行くにも雨はやまずでした。
府交渉 ぜん息患者の医療費救済制度で大阪府「現時点では困難」と回答
「一日も早く医療費助成制度をつくってください」未認定・未救済の公害患者への医療費助成制度を求めて活動しているあおぞらプロジェクト大阪は11月19日、大阪府庁で健康福祉部と環境農林水産部と話し合いました。これには未認定の患者ら36人が参加しました。
このなかで大阪府は、医療費助成制度を求める府民の要望を受ける「窓口」として健康福祉部健康医療総務課
にすることを確認しましたが、制度の創設については、「現時点では困難」と回答しました。
NO2対策について環境管理室交通対策課は、「環境基準上限値を安定して達成し、0.04を達成するようにしたい」とのべました。また、PM2.5対策では、国による測定機器が選定されたので、早期に観測体制の整備をしたい、と回答しました。
泉南アスベスト国賠訴訟控訴審
裁判長 「1月13日に裁判所の判断を示します」
泉南アスベスト国賠訴訟控訴審の第1回口頭弁論が11月17日大阪高裁で開かれました。原告側が強く求めていた和解勧告について、三浦潤裁判長は、「今日は和解勧告は行わない。可及的すみやかに審理を尽くし、判決を見据えて和解案を提示したい」とのべ、次回期日の1月13日に裁判所の判断を示すと表明しました。
口頭弁論では最初に2人の原告が意見陳述しました。西村東子さんは、石綿肺の進行で時おり苦しく咳き込み息を継ぎながら、「もう、裁判に耐えられる体ではありません。私は死ぬために働いてきたのではない」と一日も早い解決を訴えました。
裁判所への和解勧告要請とともに、国に対して直ちに協議に応じるよう取り組みを強めることが重要になっています。ぜんそく被害者救済条例を求める署名と合わせて、裁判所と国への団体署名を広げましょう。
(守口市交渉 ) 守口市が認定審査通知の改善を約束
守口公害患者と家族の会(中西昭夫会長)は十一月二二日、守口市役所で公害対策についての懇談会を開きました。懇談ではあらかじめ十五項目の要望書に対する文書回答をもとに質疑応答をすすめました。
認定患者の等級が三級から等級外へ、二級から三級へと下がる(平成二一年度で十四人)問題が取り上げられました。参加者の一人wさんの場合は、三級から等級外になったときに、「不服審査や異議申し立てができるなど全く教えてもらえなかった」ため以後六年間、入院することもあったのに等級外のままでした。
市側は当初、「認定審査通知に書いてある」などと言い逃れましたが、参加者から「制度をちゃんと説明して、情報提供するのが行政の責任ではないのか」「現に不利益を受けた患者がいる。患者の利益が守られて権利が行使できるようにせよ」と要求。大阪市などが認定審査通知書といっしょに送付している「お知らせ」文書なども示して、改善を迫りました。更に遺族補償についても二三人の死亡者のうち申請は一時金も含めて一〇件と少ない、これに対し市は「公害手帳の返却の時知らせる」との回答に参加者から怒りの声が・・・現に二年間知らずに期限ぎりぎりまで手続きしなかった人に知らせて、やっと手続きできた遺族がいます。
これに対し、守口市健康部健康推進課の西口昭彦課長は、「今回の指摘などを参考にしたい。患者さんにはきちんと説明するようにする」と改善を約束しました。
また、特別擁護老人ホームや老健施設に入所した高齢の認定患者が公害治療が継続できるように特段の指導をするよう要請しました。
未認定患者の救済制度の創設、子供のぜん息患者への医療費助成制度の復活についても要望しました。
懇談会には未認定患者を含めて十一人が参加しました。
総会案内
あおぞらプロジェクト大阪
2008年11月にプロジェクト大阪が結成され間もなく2年になります。
これまでの取組と到達点を総括し、当面の課題について意思統一をということで開催されます。
★日時 11月30日(火) 午後6時30分
★場所 大阪民医連会議室
★内容 ・2年間の総括と今後の取組・財政について
・署名運動・自治体交渉
・各団体や地域での取組 ・その他
☆ 出来るだけ多数ご参加ください