2011-6-20 (34-9)事務局ニュース
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大阪公害患者の会連合会 - 2011-6-20 (34-9)事務局ニュース

2011-6-20 (34-9)事務局ニュース

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患者会ニュース
 2011/6/20 18:28

《第36回公害被害者総行動》 震災被災者と心ひとつに!

 公害被害者団体の力を結集して環境大臣に政府への申し入れを行うなど「公害の根絶と被害者の救済」を掲げて毎年実施している第36回公害被害者総行動デーが今年は、東日本大震災・福島原発事故被害者との連帯を掲げて6月1日、2日の両日行われました。大阪からは代表59人が参加しました。

■環境大臣との面談が実現

 震災対応のため近藤昭一副大臣が出席することになっていた会場に、予定時間前に松本龍大臣が現れました。

 ノーモアミナマタ訴訟の原告団長・大石利生さんと嘉手納基地爆音差止訴訟原告団の福地勉さんが要請しました。

署名提出の後、近藤副大臣が引き継ぐ形で交渉が進みました。

 地球温暖化問題、環境アセスメント制度、水俣病、大気汚染と救済制度について要請した後、嘉手納基地の爆音と東京の大気汚染公害の被害者が訴えました。

 近藤副大臣は、答弁のなかで「そらプロジェクト」調査結果と環境省としての対応について言及。「直ちに救済制度をつくって対応する状況にはない」とのべたことに、森脇君雄代表委員が「納得できない」と反発し、副大臣も「本人に責任のない問題は、政治が対応しなければならない」と応じました。

 大阪代表団は昼のデモ行進から参加、その後各省庁に分かれて交渉に入りました。(省庁交渉報告と感想文は次回ニュースで)

■被災地に寄り添って

 夜の日比谷公会堂での集会では、宮城県漁協の阿部力三郎代表理事、福島農民連の亀田俊秀さんが震災と津波、原発事故による人災に翻弄される現場の生の声を伝えました。南相馬市の桜井勝延市長からもメッセージが届きました。会場は、「被災地とともに」の熱い思いに包まれました。

 全国の代表として大阪の三輪富子副会長が被害の訴えと決意表明をしました。

■雨の中での東電前 怒りの集会

 二日目の各経済界との交渉は、原発事故を受けて、東京電力に対する要請行動が中心になりました。東京電力は、被災者の要求に耳を傾けることなく、話し合いを拒否、門前払いをするなど責任逃れに終始しました。私たちは雨の中2時間30分にわたる抗議集会を整然と行い、後日代表が会うことを約束させました。

 2日間の行動は患者にとっては大変厳しい内容でしたが代表団はそれぞれの部署で精一杯頑張りました。

 

2012ソラダス一斉測定へ 実行委員会がスタート

 「空気の汚れを測ってみよう!」―5年ごとに大阪府内全域を対象に、市民参加で実施している二酸化窒素の一斉測定が来年5月に迫るなか、6月16日に実行委員会が発足しました。

 発足の集いでは、西川栄一・神戸商船大学名誉教授が「大気環境監視の重要性と測定運動」と題して記念講演。2012年のNO2測定運動に向けて、多くの市民が参加して大気環境の監視をすることの重要性を指摘しました。また、5月24日に環境省が発表した「そらプロジェクト調査」の結果についてもふれ、高濃度の自動車排ガスでぜん息が発症することが明らかになったこと等を紹介しました。

 実行委員会は今後、一斉測定の母体となる地域実行委員会づくりや未認定の大気汚染公害被害者の救済制度を求める「2つの署名」運動の推進と合わせて活動を進めます。

 

やっぱりクルマが『犯人』! 〜そらプロジェクト調査で「学童のぜん息発症に関連性あり」〜

 国道43号など幹線道路沿道での自動車排ガスとぜん息の発症との関わりを疫学的に明らかにする大規模な調査「SORAプロジェクト」の報告書案がまとまり、患者会への説明会が5月18日に環境省でありました。大阪からは、3人が参加しました。

調査は(1)学童の5年間の追跡調査(2)幼児の2回(1歳代、3歳)の調査(3)成人の調査に分かれていて、もっとも力を入れたのが(1)の調査でした。

結論からいうと、(1)の調査でEC(元素状炭素〜PM2.5の一種で自動車排ガスの指標)とNOxで「自動車排出ガスへの曝露とぜん息発症との間に関連性が認められた」のと、(3)の成人調査で、タバコを吸わない(非喫煙者)人が高濃度汚染にさらされるとぜん息になる率が高いなど、環境省もびっくりする「驚きの結果」でした。 

 この調査はもともと、23年前の指定地域解除のときに国会で決議され、自動車排ガスによる健康被害が明らかになれば「(公害地域を)再指定する」と中曽根総理(当時)が約束したものです。患者会の再三の要請を無視して、17年もほったらかしにして、やっと5年かけて調査したものです。いろんな大気汚染対策をして、効果が出始めた時期の調査にもかかわらず、「関連性あり」の結果は重い事実です。

 患者会は、調査結果に基づいて直ちに新しい救済制度をつくるべきだ、と訴えましたが、佐藤部長は、「報告書案がまとまったばかりで、考えていない。6月以降の課題になる」と答えました。

 この日、12時から環境省前で宣伝行動をしました。

 

ただフツーに生きたかった 〜泉南アスベスト控訴審が結審〜 裁判所への署名を広げよう

 泉南アスベスト裁判の控訴審が5月12日、6月1日と開かれ、原告、国の双方が最終弁論して結審しました。判決は8月25日午後2時から。

 5月12日の原告側最終弁論では、馬奈木昭雄弁護士が応援弁論。「国は、アスベスト被害を認めて反省し、被害防止に努めるとともに二度と発生させないために自ら実行すべき責任があるにもかかわらず、話し合いにさえ応じない態度は許せない」と指弾しました。
 このあと弁護団が、危険性を知りながら放置した国の責任と泉南地域の住民が被った深刻な被害を明らかにしました。「ただフツーに生きたかった」?石綿に犯され最後は肺がんでもがき苦しみながら息を引き取ったある患者の最後の言葉が傍聴席の涙を誘いました。

 控訴審裁判の大きな焦点は、1審判決が退けた工場周辺住民の近隣曝露によるアスベスト被害。高等裁判所が、「石綿村」と呼ばれてアスベスト工場が林立していた泉南地域の被害と国の責任を認めるかどうかが注目されます。8月25日の控訴審判決、つづく第2陣の裁判(大阪地裁)も大詰めを迎えており、公正判決を求める両裁判所への署名運動の広がりが求められます。

泉南アスベスト控訴審 判決決まる

判決日:8月25日 午後2時〜
場所:大阪高等裁判所

★さそいあって参加しましょう

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