大阪公害患者の会連合会 - 2013-11-20 (37-2)事務局ニュース
第2次中央行動
「汚染者負担の原則は重要」〜保健部長が言明
「公害健康被害補償法による給付を守ることは重要。汚染者負担の原則が重要だという認識で頑張りたい」−塚原太郎環境保健部長は11月13日、全国各地から駆けつけた患者40人を前に環境省の立場を表明しました。第2次中央行動には、大阪から8人が参加。環境省前での東京患者会の「国による新しい救済制度の創設を求める」宣伝行動に合流した後、保健部長交渉に臨みました。
「命綱」断ち切らないで!
交渉では、岡崎久女さん(大阪)、小野寺教子(川崎)さんが、今も続く深刻な被害を切々と訴え、公害補償が患者の命綱になっている実情を明らかにしました。
環境省側は、患者会の要望に沿う形で与党への説明をしており、この日の交渉でも、自民党環境部会が環境省の税制改正要望と同主旨の要望を取りまとめ、「週内にも党税制調査会へ提出する予定になっている」ことを紹介しました。
中央行動2日目の14日は、自動車工業会への要請と与党の環境部会メンバーへの国会議員要請の二手に分かれて行動。自動車工業会へは、三輪富子副会長が参加しました。自動車工業会は自動車重量税の廃止をしつこく求めており、この日も廃止行動の撤回を強く求めました。
第2次中央行動は、自動車工業会がある自動車会館前でまとめの集会を開き、行動を締めくくりました。
自動車議員連盟と環境部会
自動車重量税の廃止に反対する10万人署名運動と「国会へ攻め上る」2度にわたる中央行動は確かな影響力を与え始めています。2度の中央行動を挟んで、自民党に2つの動きがありました。一つは「自動車議員連盟」(額賀福志郎会長)の緊急決議。271人の議員を要する巨大な議員連盟の総会では、自動車重量税の廃止を求める意見も出されました。しかし、緊急決議に「廃止」は盛り込まれず、「エコカー減税等のグリーン化措置を拡充する」という文言に収まりました。自動車工業会の「切望」はうけいれられませんでした。
もう一つは「環境部会」(片山さつき部会長)。党税調に提出する税制改正要望書には、「汚染者負担による公害健康被害補償のための安定財源確保の観点から、車体課税の一層のグリーン化を推進する」という、環境省の主張が取り入れられたようです。
「廃止」にこだわる自工会
全国の患者たちの必死の願いは、3万2000筆を超える請願署名となって保健部長に手渡されました。国会議員への要請と合わせて患者の願いを届け続けて来たことが、少しずつ効果をあげ始めているのでしょうか?
しかし決して甘くない現実があります。今回の要請行動でも、自動車工業会はかたくなに「廃止」にこだわっています。油断することなく、署名を広げに広げて目標を達成するとともに、息の根を止めるまで追いつめなければなりません。体をいたわりながら最後まで頑張りましょう。(上田敏幸)
泉南アスベスト国賠訴訟 2陣高裁判決行動のお知らせ
日時 12月25日(水)
・午前8時 淀屋橋宣伝行動
・午後1時 裁判所前集会
・午後2時 判決言い渡し
・午後3時 報告集会 (大阪弁護士会館)
第18回測定研シンポ
PM2.5〜「国内」とともに「広域」対策を!
公害環境測定研究会の第18回シンポジウムが11月9日、大阪市内で開かれました。シンポでは「都市汚染としてのPM2.5~その発生のメカニズム」と題して、大阪府環境農林水産総合研究所の山本勝彦さんが講演。山本氏は、中国からの越境汚染でにわかに注目を浴びることになったPM2.5が、東アジアからの広域移流とともに都市汚染としてとらえることの大切さを指摘するとともに、成分や発生のメカニズムを解明することが急がれていると指摘しました。
また、対策に必要なものとしては、?NOxや光化学スモッグ対策など従来の大気汚染対策をしっかりやる ?観測体制の充実 ?国際的な協力のもとに東アジアの観測体制をつくりあげることが重要だとのべました。
高い原発のコスト〜ゼロの会
2周年のつどいで大島先生が講演
原発ゼロの会・大阪2周年のつどいが10月20日、エル大阪ホールで開かれました。福島原発の汚染水垂れ流し問題、再稼働優先で進む安倍内閣のエネルギー政策が強行される中、550人の市民が参加しました。府内各地で取り組む「反原発・自然エネルギーへの転換」を求める活動を紹介する1分間スピーチ、大島堅一・立命館大学教授は記念講演で「原発のコスト」について言及。核廃棄物の処理や過酷事故発生時の補償費用などの社会的コストをふくめると「高くつく」ことを解りやすく説明しました。
会場ロビーでは、城東・鶴見公害患者会が自動車重量税廃止反対の署名を参加者に訴え115筆集めました。ご協力ありがとうございます。
<公害手帳を守るために>施設入所は要注意!!
認定患者の「高齢化」に伴って、病院の長期療養型施設への入所、また介護施設へ入所される方が増えています。そんなときにはまず注意を!
最近の相談の事例で考えてみましょう
★Aさんの場合
病院の長期療養型施設に入所、ここでは公害医療は受けられません。
病院と再三相談の上、家族が施設から連れ出して、近くの診療所で公害医療を受けることになりました。同じ病院で公害医療と他の医療を受けるときは包括的一括請求になっているためどちらかの医療しか受けれない場合があります。
★Bさんの場合
救急車で入院、回復しましたが、一人で生活できる状態ではなく介護施設に入所しました。施設では公害医療を受けることができず、近くの開業医さんで公害治療を受けることになりましたが一人で通院ができず、月2回ケアマネさんにお願いすることになりました。Bさんは近くに身寄りがなく、たまたまケアマネさんにお願いできましたが、施設や病院から外の医院で公害治療を受けなくてはならない場合、受け入れていただける病院(開業医)が近くにあるかどうか、受診する場合、付き添えの体制があるかどうかなど事前に相談しておくことが大切です。わからないときはご相談ください。
各会だより
<西淀>定期大会を開催 重量税廃止反対署名を広げよう!
10月26日、定期大会を開き、当面する公害補償を守るたたかいに全力を挙げる方針と予算、運動の先頭に立つ新しい役員を決めました。
開会挨拶で森脇会長は、公害補償制度をめぐる攻防は国の予算編成の方針を決める与党税制調査会の議論が最終段階を迎える12月25日頃が山場となることを示した上で、「いま大事なことは国会に向けた請願署名を広げること。最後まで集めきろう」と組織の拡大と合わせて署名活動へのいっそうの奮起を呼びかけました。