[声明]
関西電力をはじめとする電力各社の原発の再稼動申請に強く抗議する
2013年7月9日
原発ゼロの会・大阪
原子力規制委員会が決定した新規制基準が7月8日に施行されたのに合わせて、関西電力をはじめとする電力4社はいっせいに原発の再稼動を申請しました。申請したのは関西、四国、九州、北海道の電力4社で5原発10基となっており、今後さらに東京と九州の2社が2原発4基の再稼動を申請するといいます。まさに“赤信号、みんなで渡れば怖くない”の様相です。
東電の福島第1原発の事故では、今も15万人もの人たちが避難生活を強いられ、周辺地域は立ち入れ禁止です。農業も漁業も産業も出来ない状態が続いています。原発そのものも内部の放射線量が高くて近寄れず、事故の真相も解明できていません。相変わらず汚染水はタンクに貯まる一方で、最近は岸壁近くの地下水のストロンチウム(半減期29年)やトリチウム(同12年)の濃度が次第に高くなるなど、“収束”とは程遠い状態にあります。
福島第1原発事故の原因究明もまだ、被災者救済や農業・漁業の再開もまだ等々、“収束”とはほど遠い状態にあって、原発再稼動の申請などは、絶対に許されるものではありません。
電力各社は再稼動申請の理由として、「原発を稼動しなかったら、赤字が増えて経営が立ち行かなくなる」からと言っています。しかし、いかなる企業も、国民の健康で文化的な生活を営む権利を踏みにじることはしてはならないことです。大気・水・土壌・海洋を汚染したり、人びとの生活と環境を破壊したりするようなことは絶対許されません。原発は、いったん苛酷事故を起こせば、広い範囲にわたって環境を汚染し、人びとの生活を奪います。そんな危険が分かっていながら原発の再稼動を申請するということは、“経営”や“企業”を守るためなら何をやってもかまわない、国民生活や自然環境を犠牲にしても許されるという、企業優先の最悪の考え方であり、憲法の精神に真っ向から反するものです。
一方、原子力規制委員会がまとめた新規制基準は、“五重の壁”に代わって“深層防御の考え方”に基づく対策を強調し、対策のための新たな非常用設備の設置を要求していますが、巨大地震・津波を前にそれらが機能する保証はどこにもありません。加えて、重大事故が起こった場合に無くてはならない免震重要棟やフィルター付きベントは計画さえあれば5年間は猶予する、地震対策では原発直下の活断層の「露頭」(地表に露出している断層)のみを問題にし露頭がなければ設置を認める、運転期間は原則40年といいながらも「特別点検」を受ければ60年まで延長できる、原発が苛酷事故を起こした場合の周辺住民の避難方針や防災対策がまったくない、放射性廃棄物の最終処理についての方針もない、など全く不十分な規制基準となっています。
私たちは、次のことを表明し、強く要求します。
1.電力各社の原発再稼動の申請に強く抗議すると共に、いかなる企業であっても人びとの生活と環境を破壊してはならないという理念に立って、申請の即時撤回を求めます。
2.原子力規制委員会は、「新規制基準」を福島第1原発の事故を教訓に総合的な規制基準に作り直すこと。再稼動の審査は、少なくとも福島第1原発事故の真相が解明されてからにすること。
以上
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