廃プラスチック施設からの健康被害から住民を守る
公害・環境デー  >  第38回公害環境デー  >  廃プラスチック施設からの健康被害から住民を守る

平成22年1月30日

廃プラ施設からの公害から健康と環境を守るたたかい
廃プラ処理による公害から健康と環境を守る会

代表 牧 隆三

 この度は第38回大阪府民集会公害環境デーの催しに「守る会」をお招き頂き、まことにありがとうございます。

 寝屋川市で起こっております廃プラの処理から生じております健康被害につき、お話をさせていただきます。
 まず、起こっております地域は、寝屋川市の東部地域、北生駒のふもとの緩やかな丘陵地域にある住宅地域です。この丘陵地域の窪地を流れる打上川という川のそばに民間会社であるリサイクル・アンド・イコール社と寝屋川、枚方、交野、四條畷4市でつくる北河内4市リサイクル施設組合の2つの廃プラ処理施設があります。住民の健康被害は、二つの廃プラ施設から半径1500mのほぼ円周内でおこっております。この地域の人口は約2万5千人ほどです。

 平成16年3月にリサイクル・アンド・イコール社の建設工事が始まり、17年4月から一般家庭の廃プラを原料としてプラスチックを選別、破砕、溶融、成型してパレット(荷台)の製作を、またその東側に道路をはさんで北河内4市リサイクル施設組合が20年2月からそれぞれ稼動しました。

 これら2つの廃プラ処理施設が処理する処理量は年間合算2万4千トンに達し、全国の廃プラ処理施設の中でベストテンに入る大きさです。
 最初に始まったリサイクル・アンド・イコール社からは平成17年の夏頃から異臭が漂いはじめ、周辺住民から健康被害の声が聞かれるようになりました。

 どういう健康被害かと申しますと、目、鼻、喉の不具合、皮膚の湿疹、頭痛、身体がだるいなどです。その具体的な症状につきましては、パンフレットの5ページに詳述しております。
まず、プラスチックは、最初に製造されたときは安定剤などで安定していますが、古びて寿命が来ると壊れやすくなり、まして圧縮や摩擦など物理的な衝撃や熱で溶融などをすると組織が分解し、揮発した毒ガスが出ることがわかってきました。廃プラは置いておくだけでも毒が発散します。

 このことは、一般にはよく知られていないので、私たちも知らなかったのですが、全く似たことが、東京都の杉並区のごみ処理場で家庭廃プラを含んだゴミの圧縮梱包から多くの健康被害者が発生したことでよく知られてきた問題であったのです。
 身近な例では、平成20年1月に豊中で新築、開館した阪大の建物が、健康不具合者が生まれ、それが継続、拡大したため閉館して調査したところ、患者にはシックハウスの診断が下されました。
 シックハウスの基準値は400とされていますが、阪大で検出された環境有害物質の値は基準値からははるかに小さいものだったようです。

 ところが、寝屋川の北河内4市リサイクル施設組合では、平成20年2月1日に操業を始めたとき、門扉に参考値としてTVOC値を1400と高く掲げました。そして操業が始まってからは、平均5000、3万を超えたときもあります。ところが問題は平成20年11月にこの参考値を21万5千2百に書き換えられたことです。

 平成17年3月に、専門委員会で活性炭を活用させれば90%以上有害化学物質を除去することが出来ると結論して建設を許されたこの施設ですが、大気を清純に保つという大切な環境保全姿勢は元より存在しておりません。
 この上、第二京阪国道が今年3月20日から開通し、10万台近い車輌が2つの廃プラ工場の真横を通過するようになると、私たちの大気環境はどのようになるのでしょうか。しっかりと監視しなければなりません。

 以上で大略をお話いたしましたが、問題はこの数年にわたる地域行政の姿勢です。

 先ず、ゴミ処理は私たち住民にとって大切な問題ですから、行政とともに忍従すべきところは当然忍従するだけの良識を持たなければならないと思っております。
 行政側が、一番に状況を話して、その協力を求めるべき先は住民に対してであります。

 しかし、平成16年3月にリサイクル・アンド・イコール社が建設工事を始めたときは、住民が意見を言う場が与えられない便法をもって、市街化調整区域内にイコール社の建設許可を与えるという、きわめて住民無視の姿勢から始まっております。
 4市施設組合の施設建設に当たっても、もし公聴会、住民の意見書の取り扱いで住民の意思を尊重したり、専門委員会では内容の深い専門家の意見を正しく聴こうとする姿勢が行政側にあれば、現在多くの住民を困らせている健康被害問題などは発生するはずはありません。

 私たちは、この行政に対して、予防原則に則って、十分な検討を要望したのですが、すべて先に委員会で可決済、議会で可決済と、一切住民との対話を避け続けて来たことが、この不幸な結果をもたらしたものと思います。

 また、裁判所は、専門家の陳述、証言を、その本論に立ち入らずに、例えば調査の手助けに自治会のバイアスがかかったなどと被告側の素人考えを採る、私たちの健康被害は老齢と心因性から来るものであり、廃プラの毒性は出るには出ても健康に被害を起こすほどのものは到達していないから被害は発生しない。まして公共性、公益性を併せもつ2つの廃プラ施設は当然に忍従すべき程度のものであるとしたのです。

 そして、全量の半分で製作されるパレットは1個600円の粗製品しか作れず、それにかかる費用が8000円にも上り(パンフレット12ページ)、その大気汚染は千人単位の健康被害者を生み、子供や胎児への影響については予測不能の心配をはらんでいる現実を行政はしっかりと認識すべきでしょう。

 私たちは、行政の体質を健全にするには、選挙への私たちの姿勢に反省を加え、正しい民主社会の建設にもっと大きな責任を持たなければなりません。

以上

上記資料のPDF版はこちらをダウンロードしてください。
 廃プラスチック施設からの健康被害から住民を守る
プリンタ用画面
前
大阪の大気汚染は? 今の環境基準で健康が保障されるか
カテゴリートップ
第38回公害環境デー
次
アスベスト被害の救済制度確立に扉を開く

行事案内
第45回公害環境デー
おすすめBOOK