里山の自然環境を保全し生物の多様性を守る取り組み
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里山の自然環境を保全し生物多様性を守る取り組み
信太山に里山自然公園を求める運動      
ワークショップの開催 和泉市と協働作業始まる

信太山に里山自然公園を求める連絡会 花田茂義 
和泉市鶴山台2−5−14    TEL 0725-44-8404

1, 里山自然公園を求める運動とは

 和泉市の北部から堺市の西部に位置する信太山丘陵は、約300haにわたって広がり、大部分を自衛隊が演習場として管理してきました。
 2004年、和泉市は演習場内に点在した民有地を買い取り、防衛省と交換する手法で演習場内の16haの用地を取得し、その土地に「北部公共施設整備事業」として大型スポーツレクリエーション施設(野球場・サッカー場・テニスコート・駐車など)を計画してきました。
 当該市有地(16ha)は、信太山丘陵を代表する湿地や草原を含み、この部分だけで約30種の絶滅危惧種の生物が生息するなど大阪を代表する生物多様性に富んだ自然環境豊かな所です。
私たちは、「信太山に里山自然公園を求める連絡会」を組織し、(2010年12月結成、現在15団体)大型スポーツ施設は他の場所に造り、自然環境は保全し、仮称「信太山里山自然公園」として活用を図るよう運動を展開してきました。

2,和泉市、自然環境の保全に方針転換

 この運動の経過は、第39回からの公害環境デーでご報告させていただきましたように、2011年には自然環境の保全を求めた和泉市議会への誓願が採択され、2012年には「信太山市有地保全と活用検討委員会」が発足し、生物多様性を守り自然環境を保全していく上で和泉市は大きく方針を転換してきました。この方針転換の原動力は各界の様々な人々の声や力が結集した結果だと考えます。
 請願署名の取り組みで、「公害環境デー」参加の各団体や多くの方々のご支援とご協力をいただいたことに改めて深く感謝すると共に街頭署名・各戸ビラ配布などの基本的な運動の積み上げが事態を動かす上で大きく関ったことを再認識しています。

3,ワークショップの開催

 2013年10月、和泉市は検討委員会の答申を受けてワークショップを開始しました。学者・専門家、自治会関係、公募市民、関係職員からなる18名で構成され、検討委員会が答申した方針に従いより具体的な公園化に向けての検討や保全作業をすすめていくためのものです。
 公園としてどのようなゾーニングをするか、保全する植生や生態系のあり方、周遊路や管理建物をどうするか、公園の管理をどうするかなど、ワークショップに課せられた課題はいろいろあります。連絡会としてワークショップに積極的に参画すべく,すすんで公募に応募し、5名の定員中すべてが連絡会に関わりのある人が参加できることになりました。
 現在まで、2回の会議が開かれ今後の方向などが提示されました。それによると、ワークショップで基本構想が策定され、以後基本設計、都市計画決定、実施設計などとすすみ開園の予定は2024年となっています。およそ10年先の開園と云うことです。

4,公民協働の取り組み    

 信太山丘陵市有地の保全と活用検討委員会の答申で、理念として「この良き財産を守り、育てるため、公民協働により、自然と向き合いながら継続して里山的環境を保持し、市民の憩いの場、自然体験の場、環境学習の場としていく。」と述べ、「計画段階から公民協働の下で多様な主体の参画によって作り上げる」としています。
 人と自然の新たな関わりを公と民との新たな協働で創り上げていこうという和泉市としても新しい試みとなっています。
 ワークショップの中に作業部会が設置され緊急の保全すべき所に関して2回の公民協働の保全作業が実施され、(12月1日と1月7日)延べ60人の市民や職員が参加しました。

5,今後の課題

 信太山丘陵の特性は、草原(草地)や湿地といわれてきました。植生や生態系の保全に関してササ原と化した草地を再びチガヤやススキの草原に再生したいという計画を持っていますが、その価値や再生するための技術・方法を探求しなければならない課題があります。先進的な取り組みがあればそこから学ばねばなりません。

 開園は10年先と示され、運動にたずさわってきた者達の高齢化を前にいかに世代を超えて運動を継続していくか、若者達の参加をどう増やしていくか事業の中身にも関わって重要な課題となります。

 長い道のりの途上には紆余曲折も予想されます。市民をはじめご支援いただいたすべてのみなさんに今後とも智恵や力を寄せていただけるよう取り組んでいく必要を痛感しています。

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