#142 若狭湾沿岸の原発12基が基準地震動を見直し

原発問題住民運動大阪連絡会 - #142 若狭湾沿岸の原発12基が基準地震動を見直し

#142 若狭湾沿岸の原発12基が基準地震動を見直し

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げんぱつ
 2009/3/25 12:10

 近年の地震学と調査技術の急速な進歩により、新しい断層の存在、従来の断層の評価判断についての見直しが欠かせなくなっています。そして柏崎刈羽原発の被災で明らかなように、原発が受ける震度の予想は、地震国日本の原発の安全にとって最大の課題となっています。

 このような状況の中で近畿では原子力安全・保安院が若狭湾周辺にある活断層のうち3組について、それぞれ連動性のある1本の活断層として見直す方針を固め、2月25日に開かれた国の専門審議会で、現地に原発を持つ日本原子力発電、日本原子力研究開発機構、関西電力に示しました。

  3組の活断層は、大飯、高浜原発に近い若狭湾のもの(FO―A、FO―B)が35キロ超、もんじゅや美浜原発に近い敦賀半島西側のもの(大陸棚外縁、B、野坂)が41キロ超、敦賀原発に近い越前海岸沖のもの(和布(めら)―干飯崎(かれいざき)沖、甲楽城(かぶらぎ)、柳ケ瀬)で92キロ超と、どれも大幅に延長されました。3事業者がこれまでに認めたどの活断層よりも長く、大きな地震規模になります。

 事業者が昨年3月にまとめた耐震安全性中間報告で、この活断層を複数に“分断”していたことについて、専門審議会では「B断層と野坂断層をくくらないというのは、サイトに近くて影響が大きいものは最後まで一緒にしたくないと取れる」、「FO―A、FO―Bを分ける理由が全く理解できない」など厳しい批判が続出し、保安院も今回、連動性について「断層を明確に区分する根拠に乏しい」などと指摘して、事業者の判断の甘さが徹底して批判されました。

 事業者側は「内容は真摯(しんし)に受け止め、対策を検討する」(関電)など、基準地震動の見直しを速やかに行う意向を示しました。

この審議結果を受けて3事業者は、3月3日に 県内16原発(2基は増設中)のうち高浜原発4基を除く12原発の基準地震動の引き上げを、国の専門審議会に報告しました。上げ幅は1.16倍(大飯原発)〜1.26倍(もんじゅ)で、各事業者は「機器が受ける影響で詳細な計算をしていない原発もあるが、施設には十分余裕があると考える」としています。しかし影響については「まだ検討中」としているため値が再び引き上げられる可能性もあります。
 

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2009年3月25日 No.142 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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