原発問題住民運動大阪連絡会 - #146 原発日誌・大阪 6/21〜7/20
22日
07年7月の新潟県中越沖地震で被災し、運転停止中の東京電力柏崎刈羽原発6号機について、柏崎市は、消防法に基づく緊急使用停止命令を解除した。解除は約1年11カ月ぶりで、7号機に続き2例目。
22日
原子力安全・保安院は、御前崎市の浜岡原発3号機の立ち入り検査を行った。中部電力が3月、運転期間の変更に備えた保全計画を国に提出したことを踏まえた措置。24日まで、定期検査で運転が止まった原子炉建屋内の機器などを点検する。
23日
中部電力は、浜岡原子力発電所4、5号機が配管内の水素濃度の異常上昇で停止したことについて、配管の上流にある触媒の製法に問題があり、性能低下を招いたためだったと発表した。同日、原因と対策をまとめた最終報告書を原子力安全・保安院に提出した。5号機は25日にも調整運転を再開し、4号機も7月中に再開する方針。
22日
プルサーマル計画導入の是非について、福島県議会の自民党と県民連合は佐藤議長に、02年の東京電力のトラブル隠し発覚以来ストップした議論の再開を認めるよう申し入れた。
23日
東電は運転停止中の柏崎刈羽原発6号機について、復旧・点検作業が終わったとして起動試験(試運転)に関する計画書を原子力安全・保安院に提出した。24日に開かれる保安院の作業部会で審議され、了承される見通し。
一方、同原発の建屋に関する耐震安全性を審議している保安院の作業部会「構造ワーキンググループ」ら2委員は6号機の耐震補強工事などについて視察し、6号機原子炉建屋やタービン建屋で見つかったひび割れの補修などの耐震補強工事の状況について、東電から説明を受けた。
23日
高浜町に4基の原発を持つ関電が、同町に1800万円の寄付を予定していることが分かった。「町へき地児童生徒通学バス運行基金」に充当される見通し。関電は匿名で寄付する意向で、渡辺孝町議(共産)は「(高浜原発3、4号機での)プルサーマル計画を控えていることから疑惑を招きかねないという判断かもしれないが、隠そうとすること自体がよくない」と批判している。これに対し関電は「地域の発展に貢献するものについては必要に応じて協力しているが、内容についてのコメントはご容赦願いたい」としている。
24日
5月から起動試験(試運転)を続けてきた柏崎刈羽原発7号機について原子力安全・保安院は「安全上の要求事項をすべて満たしている」との最終報告書をまとめた。原子力安全委員会の審議や新潟県技術委員会の確認を経て、7月に営業運転再開となる見通し。さらに6号機についても「起動試験に進むことは問題ない」との安全評価を下した。新潟県が同意すれば、7号機の営業運転後に起動試験に入る見込み。1〜5号機は機器の基本点検中で、再開の見通しは立っていない。
25日
中国電力が上関町で建設を計画する上関原子力発電所の予定地として地元の神社から買収した山林をめぐり、計画に反対する住民が同社などを相手に、入会権を主張し所有権移転登記抹消などを求めた訴訟の控訴審判決が広島高裁であり、広田聡裁判長は同社に対する訴えは退けた。
29日
原子力安全・保安院は運転を停止している柏崎刈羽原子力発電所6号機について、事実上の運転再開となる試運転「起動試験」を認める報告書案を関連審議会に提出し、了承された。起動試験を終えて調整運転中の7号機についても、起動試験の評価を踏まえ、営業運転に入ることに問題はないとする報告書案が了承された。
29日
日本原燃の児島社長は政府と県でつくる「核燃料サイクル協議会」で三村申吾知事が使用済み核燃料再処理工場のアクティブ試験に関する要請をしたことに触れ、「社内でどういう仕組みを作っていくか検討している。来月には知事に報告したい」と述べた。一方、再処理工場の試運転終了時期については「(予定している)8月は大変厳しい。それ相応の遅れが生じることは覚悟している」と述べたが、具体的な延期幅には言及しなかった。
29日
定期検査中の福島第1原発3号機で5月、制御棒の緊急挿入試験で1本が定位置より深く挿入された問題で、東電は原因を発表した。制御棒を動かす系統の弁のテフロン製シート部分を組み立てた際、ボルトの座金(ワッシャー)が2種類あり、場所によって挟む力が異なってシートが損傷。水が漏れ、挿入方向に圧力がかかったという。
29日
原子力安全・保安院の地域原子力安全統括管理官・若狭地域担当が交替した。新旧管理監が記者会見し、原山前管理官は、美浜原発3号機事故(04年)以降の関西電力の再発防止策について「他社に比べても進んだ取り組み」と述べた。一方、昨年以降のトラブルで運転再開が延期された高速増殖炉「もんじゅ」については、「引き続きもんじゅの安全規制を担当することになる。行動計画が着実に実施されるか、その効果を見極めたい」と話した。
29日
26日付で就任した関電原子力事業本部の八木誠本部長が県と敦賀市を相次いで訪問した。面会後に会見した八木本部長は、安全最優先▽高経年化対策、耐震性、プルサーマルの着実な進展▽地域共生活動−−の3点を重要課題に挙げた。一方、来年40年を迎える美浜原発1号機の運転継続問題や、2015年までに実施すると決めた大飯原発のプルサーマルの申し入れ時期については明言を避けた。
7月
1日
六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場のガラス溶融炉内で昨年12月、耐火れんがが破損した問題で、日本原燃は、炉内の高熱と高い圧力で負荷がかかったのが原因との見方を原子力安全・保安院核燃料サイクル安全小委員会の現地調査で明らかにした。小委員会の調査は、ガラス溶融炉内でかくはん棒が折れ曲がったり、固化セル内で高レベル放射性廃液が漏れるなどのトラブルを受け、原燃が進める原因究明の状況などを調べるための調査。
2日
国際原子力機関(IAEA)は特別理事会で、11月に任期満了を迎えるエルバラダイ事務局長の後任に、在ウイーン国際機関日本政府代表部の天野之弥大使を選出した。天野氏は12月に正式就任し、原子力の平和利用と核不拡散を担う同機関の運営を取り仕切る。
3日
東電は、起動試験(試運転)を終えて調整運転中の柏崎刈羽原発7号機について、県と柏崎市、刈羽村に対し、国が営業運転への移行を認めたことを報告し、県技術委員会での審議を申し入れた。また東電は点検・復旧作業を終えた6号機について、起動試験(試運転)に入るための同意も県などに申し入れた。
4日
愛媛県は、定期検査のため調整運転中の四国電力伊方原発2号機で1日午後0時20分ごろ、蒸気発生器に2次冷却水が正常に送られない場合に自動的に働く、3台ある補助給水ポンプの1台から緊急停止信号が発信されたと発表した。補修員が緊急停止レバーに誤って触れ田のが原因。
7日
5月から起動試験(試運転)を続けている柏崎刈羽原発7号機について、県の技術委員会は営業運転の移行に「安全上の問題はない」との見解をまとめ了承した。住民説明会を11、12日に開き、3首長が営業運転再開を認めるか否か最終判断する。
7日
市民団体の「グリーン・アクション」と「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」は関西電力が高浜原発3、4号機で計画するプルサーマルを、使用済みMOX燃料の処理の方策が具体化されるまで認めないよう、県に申し入れた。「燃料の処理方策が具体化されるまで、計画を認めるべきではない」とする要望書を提出。対応した桜本宏・原子力安全対策課長は「国や関電に説明を求めていきたい」と回答した。
11日
新潟県は柏崎刈羽原発7号機の起動試験(試運転)結果について、「営業運転移行に問題はない」と結論付けた県技術委員会独自の評価案に関する説明会を、新潟市と上越市で開いた。
15日
愛媛県と四国電力は、伊方原発3号機のプルサーマル計画に使用するMOX燃料について、経済産業省から同社に「輸入燃料体検査合格証」が交付されたと発表した。四国電力によると、燃料装荷の工事計画も同日認可された。
17日
原子力発電所で使用済み核燃料を再利用するプルサーマル計画の導入是非を巡り、福島県議会の「エネルギー政策議員協議会」が開かれ、同計画凍結を盛り込んだ02年の意見書可決以来、7年ぶりに議論が再開された。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2009年7月25日 No.146 】
原発問題救民運動大阪連絡会