原発問題住民運動大阪連絡会 - #147 原発日誌・大阪 7/21〜8/20
21日
起動試験(試運転)中の柏崎刈羽原発7号機について、新潟県の泉田知事は、営業運転への移行を容認する考えを示した。これを受け、柏崎市と刈羽村も容認の意向を表明し、7
月中にも営業運転開始の見通しとなった。
23日
東電は起動試験中の柏崎刈羽原発7号機で、燃料棒被覆管に微小な穴(ピンホール)が開いた可能性があると発表した。同日午後から国の最終的な検査を受ける予定だったが、東電は「万全の状態とは言い切れない」として延期を決めた。
24日
東電は柏崎刈羽原発7号機の燃料棒にトラブルが生じ、営業運転移行を延期した問題で、燃料棒被覆管に微小な穴(ピンホール)が開き、穴を通じて放射性物質が原子炉水に漏れ出た可能性が高いと判断した。原因特定のため、同日夕方から原子炉の出力を60%程度に下げた。特定には数日から1週間かかる見通し。
28日
政府や電力業界などは高速増殖炉の導入見通しを原子力委員会に報告した。2050年から電力各社が1基ずつ高速増殖炉を導入すると、従来の軽水炉をすべて増殖炉に建て替えるには、60年以上かかると試算。このため、使用済み燃料の新たな再処理工場は、軽水炉と増殖炉の双方を処理できる方法を検討すべきだとした。国の長期計画では高速増殖炉の商業化は50年が目標。これを受け、経産省や文科省、電事連などでつくる「5者協議会」の研究会が具体的見通しを初めてまとめた。
28日
三村申吾知事が使用済み核燃料再処理工場のアクティブ試験などをめぐり、政府と県でつくる「核燃料サイクル協議会」に要請をしたことを受け、日本原燃(六ケ所村)の鈴木輝顕副社長らは、オールジャパンの態勢でガラス固化の技術を磨き、同じような溶融炉を使っているドイツやアメリカの研究機関から情報を得て完成度を高めることなどを三村知事に報告した。原燃は、組織を従来の建設型から運転・保守優先型に転換させるとしている。8月の終了が絶望的となっているアクティブ試験について、川井吉彦副社長は会見で「8月末までには新しい工程を国に届ける」とした。一方、脳血管疾患で今月2日から入院している児島伊佐美社長の、復帰のめどが立っていない。
30日
三村青森県知事は、県の原子力行政について助言する「原子力行政に関する顧問」を新設し、国の前原子力委員長、藤家洋一・東工大名誉教授に顧問を委嘱した。使用済み核燃料を再利用するプルサーマル計画の5年先送りを受けたものだ。
30日
原子力安全・保安院は、高速増殖炉「もんじゅ」で行った5回目の特別な保安検査の結果を県と敦賀市に報告した。昨年5月から行ってきた同検査を今回で終了する。検査では、機構幹部の意識や姿勢が明確になったこと、運転再開に向けた人員増強や予算の追加措置を行ったことも理解を示した。
8月
4日
県内で米軍機の夜間低空飛行訓練の目撃情報が急増していることを受け、鹿児島県伊藤祐一郎知事はこのほど、外務省に対し、米側に訓練中止を求めるよう要請した。知事本人の要請は初めて。県によると、今年の目撃情報は7月24日までに13件。また、屋久島空港での目撃情報も急増している。
5日
中部電力は、調整運転中の浜岡原発4号機の気体廃棄物処理系で先月29日、水素濃度の警報機が作動した原因は水素流量検出器の故障とみられると発表した。4、5号機の同処理系で昨年末から相次いで発生した水素濃度の異常上昇とは別の原因だったと推定している。
中電によると、原子炉内の応力腐食割れを防ぐために注入する水素量が検出器の故障で平常値の2倍近くに増加。連動する気体廃棄物処理系の水素濃度も上昇したらしい。
5日
柏崎刈羽原発7号機の燃料棒被覆管に穴(ピンホール)が開き、微量の放射性物質が原子炉水に漏れ出たとされる問題で、東電は5日未明、出力が再び100%(定格熱出力)に達したと発表した。今後、破損したとみられる燃料棒を炉内に残したまま、炉水内の放射性物質濃度を監視し、継続的な運転が可能かどうかを国や県などに報告する。
6日
東京電力は調整運転中の福島第1原子力発電所3号機)で、原子炉に冷却水を供給する電動弁で漏電があったと発表した。原子炉を手動停止し、原因を調べる。
7日
四国電力が行った伊方原子力発電所の耐震安全性の評価結果を審査している原子力安全・保安院のワーキンググループは5日に開いた会合で、伊方原発の前面海域にある活断層の長さを、四国電力が想定している42キロから54キロに広げるべきだと指摘した。四国電力は今後、活断層の長さを修正して耐震安全性を今年秋ごろまでに再評価する予定。
10日
美浜原発3号機の2次系配管高温蒸気噴出事故(04年8月)から9日で5年を経て、関電の森詳介社長は10日、美浜原発で協力会社員約100人に改めて安全への協力を求めた。
11日
浜岡原子力発電所では早朝の地震で震度6弱を記録し、4,5号機が自動停止した。5号機の原子炉建屋地下で最大426ガルの揺れを記録したが、耐震設計上想定されている701ガルを下回った。
11日
午前5時7分ごろ、駿河湾を震源として発生したM6.5の地震で、震源から約40キロの中部電力浜岡原発では運転中の4,5号機が自動停止した。5号機で原子炉の出力を調整する制御棒の駆動装置が一部故障するなど、計24件の異常が見つかった。経済産業省原子力安全・保安院は調査チーム3人を派遣し、地震の被害と安全性の確認作業を始めた。
12日
95年のナトリウム漏れ事故以来停止している福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」について、文部科学省の山内俊夫副文科相と日本原子力研究開発機構の岡崎俊雄理事長は、福井県庁で西川一誠知事に今年度内に運転を再開することを正式に伝えた。山内副文科相は高速増殖炉の研究開発強化のため、原子力機構の職員を100人増やすことを明らかにした。原子力安全・保安院が昨年5月から行っていた特別な保安検査が6月に終了。国の耐震安全性審査はまだ続いているが、機構は来年3月までに結論が出る見通しが立ったと判断した。
13日
中部電力は、浜岡原発5号機の原子炉に設置した中性子検出装置1個に不具合が見つかったと発表した。地震との関連を含め原因を調べる。5号機建屋1階ではこの地震で488ガルの横揺れを測定。設計時の基準地震動(S1)の484ガルを上回った。近くの1〜4号機に比べて5号機の揺れが大きかったことから原子力安全・保安院は地下構造などを含め調査を指示している。
13日
東京電力柏崎刈羽原発6号機について、県の技術委員会は起動試験に入ることを了承した。
17日
中部電力は御前崎市で震度6弱を観測した11日の地震の影響で、同市の浜岡原発3〜5号機の停止状態が最短でも約1カ月続くとの見通しを明らかにした。揺れが激しかった5号機については原因不明の故障があるため復旧のめどは立っていない。地震後に見つかった機器などの異常は45件。うち17件は対応済みか対応不要と判断したが、5号機の原子炉内の中性子の計測装置に、同社の基準で最も重い「クラスA」の問題があった。原因は不明という。
19日
関電は、高浜原発3、4号機で実施するプルサーマルに使うために、仏・メロックス社の工場で製造中のMOX燃料に不良品が見つかった、と発表した。当初プルサーマルで16体を使う予定だったMOX燃料は12体に変更する。関電は「計画(10年度開始)に変更はない」としている。
19日
柏崎刈羽原発7号機の燃料棒から放射性物質が原子炉水に漏れ出たとされる問題で、東電は、放射性物質漏えいの監視結果を経済産業省原子力安全・保安院と県などに中間報告した。「運転継続に安全上の問題はない」と結論付けたが、中越沖地震後初めて原子炉を起動したことも踏まえ、少なくとも9月上旬までは監視を継続。営業運転移行は同月以降にずれ込む見通しとなった。
20日
福井県原子力安全専門委員会が県庁で開かれた。原子力安全・保安院が高速増殖炉「もんじゅ」で行った特別な保安検査で、日本原子力研究開発機構に自律的な品質保証体制ができつつあるとした同院の評価は妥当との認識を示した。21年度中を目指すもんじゅの運転再開までに行うハードやソフトの点検、設備の耐震安全性については、国の審議会の状況や事業者の取り組みに注視し、委員会で審議するとした。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2009年8月25日 No.147 】
原発問題救民運動大阪連絡会