原発問題住民運動大阪連絡会 - #151 原発日誌・大阪11/21〜12/20
24日
六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で3項目の保安規定違反があったことを受け、日本原燃は原子力安全・保安院に改善策をまとめた報告書を提出した。▽やるべきことを万遍なくやるのではなく優先順位をつける▽日常業務の中に潜在するリスクを洗い出す▽個別の作業計画立案時に設備のメンテナンス計画を盛り込む−−の3点を新たに追加した。
24日
調整運転中の美浜原発1号機で13日に電気出力が異常に上下したトラブルで、関電は電気出力を調整する装置の油圧弁に異物が混入したことが原因と発表し、発電を再開した。
24日
原子力安全委員会の「もんじゅ安全性調査プロジェクトチーム(PT)」が、「もんじゅ」を現地調査した。95年のナトリウム漏えい事故を受けて「機構」がまとめた安全性総点検や、ナトリウム漏えい検出器施工不良など昨年から相次いだミスを巡り、原子力安全・保安院が行った規制の妥当性を調べる。
26日
中部電力は、浜岡原発1、2号機の廃炉へ向け、放射性物質を取り除く除染作業を30日に開始すると発表した。18日に国から認可された廃止措置計画に基づき具体的作業に着手するのは初めて。36年度完了を目指す廃炉計画の実質的作業がスタートする。
27日
政府の行政刷新会議による「事業仕分け」で「電源立地地域対策交付金」が対象となり、「交付金の使い道を自治体に委ねるべきだ」との意見付きで「見直し」と判定された。同交付金には使途に一定の制限があり、中越沖地震で被災したインフラ復旧などに伴う起債(借金)の償還などには使えず、会田市長は使途制限を緩和するよう求めていた。
12月
1日
敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開に向けた、国の最後の立ち入り検査が30日始まった。1日までの2日間、主要な設備の健全性を原子力安全・保安院などが確認する。
1日
中部電力は、浜岡原発3号機で、濃縮廃液貯蔵タンクの点検作業中、補助建屋内の4カ所で、高濃度の放射性廃液53リットルが漏れる事故が起きたと発表した。中電によると、廃液から国への報告基準(370万ベクレル)の324倍にあたる12億ベクレルの放射能量が検出された。
1日
福島県内の原子力発電所で、プルサーマル計画導入などについての是非などを議論する県の「エネルギー政策検討会」が福島市で開かれ、核燃料サイクルの将来性と安全性に納得できない佐藤雄平知事は再検証を命じた。佐藤知事は検討会で「(電気の)生産地と消費地の意識にズレがある。(計画は)国策であり、(国には)真摯(しんし)に対応してもらわなければならないことを申し上げていきたい」と述べた。
2日
柏崎刈羽原発3号機のタービン建屋にある天井クレーンで11月、中越沖地震後11件目となる火災が起きた問題で、東電はクレーン巻き上げ機のブレーキパッドがドラムに接触した摩擦熱で内側のペンキが発火したとの報告書を県や柏崎市消防本部に提出した。
3日
日本原子力発電(原電)は、運転中の敦賀原発2号機(福井県敦賀市、加圧水型、116万kw)に4台ある1次冷却水ポンプすべてで、ポンプを動かす電気が正常に流れているか監視する装置の電源を入れ忘れたまま運転を続けていたと発表した。
4日
日本原子力発電と関西電力は今月から、両社が運転する原発13基の冷却水に含まれる放射性ヨウ素濃度をホームページで公開する。中越沖地震で被災した東電柏崎刈羽原発7号機で今年7月、起動試験中に核燃料に微小な穴が開き、冷却水へ放射能が漏れたトラブルを受け、各電気事業者が一斉に公開を決めた。
7日
北陸電力志賀原発2号機で非常用ディーゼル発電機の潤滑油が漏れた問題で、同社は7日、別の個所で再び油漏れが見つかったと発表した。原因とされた弁を交換した後の新たな油漏れで、設備の維持管理態勢とともに原因調査のあり方にも疑問符がついた。
8日
志賀原発2号機の非常用ディーゼル発電機で潤滑油漏れが相次いで見つかった問題で、北陸電力は、A〜C号機の3基ある発電機のうち、これまで漏出が確認されていなかったC号機でもシリンダー1個の上部に70CCの油がたまっていたことを明らかにした。同社は「本来は油はない個所。漏れ出た経路は調査中」としている。
8日
大飯原発2号機(加圧水型)で1次冷却水中の放射能濃度が上昇していたトラブルで、原因を調査している関電は、放射能漏えいの疑いのある燃料集合体を2体確認したと発表した。関電は、同原発で8月に放射能濃度の上昇を確認し経過を見ていたが、10月になってさらに上昇したため、原子炉を手動停止して原因を調査していた。
9日
北陸電力志賀原発の安全性などを協議するため有識者や関係自治体などでつくる「県原子力環境安全管理協議会」が県庁であった。相次ぐトラブルに志賀町は「小さい『事象』が事故につながる」などと強い懸念を示した。
10日
柏崎刈羽原発の高橋所長は定例会見で、中越沖地震後の設備健全性を確認する「系統機能試験」をしている1号機で12日から、核燃料を装てんする作業に入ると発表した。同じく系統機能試験中の5号機も年明けに装てんを始める予定という。また、タービンの組み立て作業が5号機で17日に、1号機では19日に終わるとの見通しも示した。
10日
日本原子力発電の敦賀原発2号機で、1次冷却水ポンプ全4台の監視装置の電源を入れ忘れたまま運転が続けられていた問題で、原子力安全・保安院は、法令に基づき定める保安規定に違反しているとして、原電を厳重注意し、原因究明と再発防止対策報告提出も指示した。
11日
復旧作業が進む柏崎刈羽原発の放射線管理区域内で今年9〜10月、持ち込みが禁じられているたばこや吸い殻が6件見つかっていたことが分かった。管理区域内で作業員が喫煙し、捨てた可能性がある。東電は下請け会社を通じ、作業員の管理を徹底するよう要請した。
14日
御坊市議会の中間貯蔵施設調査特別委員会は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の立地を同市に検討する可能性があるのか、関西電力関係者を委員会に呼び意向を聴くことを決めた。そのうえで誘致の賛否を含め、今後の対応を判断する。意見聴取は来年になる見通し。
15日
中部電力は8月の地震で停止した浜岡原子力発電所5号機の運転再開を、当初予定の今月下旬から来年5月中旬に延期すると発表した。5号機の揺れが3、4号機より大きかった原因を調べているが、調査結果の分析やまとめに予定より時間がかかるため。揺れが大きかった原因が分かり次第、地域住民らにも説明する。
15日
中部電力は浜岡原発3号機の補助建屋で起きた漏水事故で、県危機管理局に事故原因を説明した。廃液をタンクに移す作業の点検をしていたところ、廃液中の固まり(不溶解物)で配管が詰まって逆流し、別の貯蔵タンク近くの排水升からあふれたという。
15日
唐津市議会の「プルサーマルに係る特別委員会」が開かれ、九州電力からプルサーマルを始めた玄海原子力発電所3号機の定期検査結果などの説明を受けた。村島正康所長はこの中で「制御棒が十分余裕を持って原子炉を停止させる能力があることが確認された」と述べ、MOX燃料の使用で「制御棒の利きが悪くなる」とする反対派の指摘と異なる結果を報告した。
16日
東電は来年12月に着工予定の東通原発1号機の可燃性ガス濃度制御系を変更する補正書を経済産業省に提出した。同社によると、当初、触媒を使って水素と酸素を結合させて水にする触媒方式を採用していたが、浜岡原発で昨年12月と今年5月、同様装置で水素濃度が上昇するトラブルが起きたので、従来から多くの原発で使われている「熱反応式」と呼ばれる装置を採用することにした。
16日
四国電力は伊方原発の雑固体処理建屋(管理区域内)にある、低レベル放射性廃棄物を圧縮する高圧圧縮減容装置で油漏れがあった、と発表した。外部への放射能漏れはなく、発電所の運転に影響はないという。
18日
中国電力は、山口県上関(かみのせき)町に計画中の上関原子力発電所1号機(改良沸騰水型、出力137.3万kw)の設置許可申請を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。計画によると12年6月着工、18年3月運転開始予定。住民の反対運動の高まりや活断層の追加調査などで、当初の01年度着工予定から大幅に遅れての申請となった。
18日
大飯原発2号機で1次冷却水中の放射能濃度が上昇したトラブルで、関電は燃料集合体2体を超音波検査した結果、燃料棒4本に放射性物質の漏えいが見つかったと発表した。
関電によると、燃料棒に微小な穴(ピンホール)が開いているとみられ、このうちの1本は横に約5ミリ膨らんでいた。1次冷却水が燃料棒内に入り込み、内部で水素が発生したことが原因とみられる。この1本を含む3本では、燃料集合体を固定する「支持格子」との間にごくわずかなすき間も見つかった。
県原子力安全対策課によると、漏えいがあった燃料棒は、高浜原発1号機で昨年1月にピンホールが見つかった燃料棒と同じメーカーが同時期に製造したという。
19日
原発反対福井県民会議の総会が福井市大手2の教育センターであり、年度内の運転再開を目指す高速増殖炉「もんじゅ」について、「運転再開を認めず、廃炉に追い込もう」などとするアピールを採択した。大阪府立大の長沢啓行名誉教授は講演で、国や電力会社が進める耐震安全性評価の問題点を列挙した。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2009年12月25日 No.151 】
原発問題救民運動大阪連絡会