原発問題住民運動大阪連絡会 - #152 原子力日誌・大阪 12/21〜01/20
■12月
24日
高浜原発3、4号機のプルサーマル計画で使用するMOX燃料について県と高浜町は、品質保証活動が計画通りに行われており安全性に問題がないとして、関西電力に対して、輸入燃料体検査補正申請の報告内容を了承することを伝えた。
24日
東北電力が女川原発3号機で導入を目指すプルサーマル計画に関し、県の安全性検討会議は、「安全性は確保される」とする中間報告を公表した。
25日
東京電力は、営業運転移行前の最終検査を目前に、制御棒の位置表示に不具合が生じた柏崎刈羽原発6号機を停止することを決め、操作を始めた。格納容器内にある電子機器(位置検出器)が不具合の原因とみて、原子炉停止後2週間ほどかけて、交換作業などを行う。
25日
関西電力の大飯原発2号機で1次冷却水中の放射能濃度が上昇したトラブルで、関電は、燃料棒が1次冷却水の水流によって振動し、燃料集合体を固定する「支持格子」との間でこすれたため、微小な穴(ピンホール)が開いたことが原因と発表した。
26日
東電は運転中の福島第1原発2号機で、原子炉に水を送る給水ポンプの制御装置が故障したと発表した。予備の制御装置が2基あるため、運転に影響はないという。同原発では、8月にも同じ制御装置が一時動作不能に。
28日
中越沖地震から2年5カ月。柏崎刈羽原発7号機が28日午後4時45分、ようやく営業運転再開にこぎ着けた。
■1月
4日
四国電力は、愛媛県伊方町の伊方原発3号機で、2月24日にMOX燃料を使った国内2例目となるプルサーマル発電を行うと発表した。計画では、7日に定期検査に入り、2月上旬にMOX燃料を装填。同24日に原子炉を起動して発電を始め、3月24日に定期検査を終え通常運転に復帰する。
4日
日本原子力研究開発機構が年度内の運転再開を目指す高速増殖炉もんじゅについて、同県の西川一誠知事は、年頭会見で「国の耐震専門家の意見聴取が終わらないと、(判断の)前提にはならない」と述べ、再開を了承するのは国の耐震安全性評価の審査結果が出た後になるとの考えを示した。
4日
中部電力は浜岡原発構内に設置した放射能監視装置7個のうち1個が一時的に高レベルを感知して警報装置が作動したと発表した。ほかの監視装置は通常レベルで、宇宙線などによるものとみられるという。
4日
柏崎市は1日付で「核兵器廃絶平和都市」を宣言し、仕事始めの4日、会田洋市長らが市役所前で看板の除幕式を行った。世界最大の東京電力柏崎刈羽原発を抱え、「核の平和利用」を掲げる同市では、市議会などで議論の分かれた「非核」の表現をあえて避け、「核兵器廃絶」と明確に規定した。
5日
試験運転中の東京電力柏崎刈羽原発6号機で、制御棒の位置表示装置に不具合が見つかった問題で東電は、装置内のセンサーの回路がショートしたことが原因とみられると発表した。不具合のあったセンサーを交換し、6日午後から原子炉を再起動させる予定。
5日
日本原子力研究開発機構の岡崎俊雄理事長は、新年あいさつで訪れた県庁と敦賀市で、高速増殖炉「もんじゅ」の年度内の運転再開について改めて強い意欲を示した。西川一誠知事は「安全や耐震など品質上の問題を(県として)これからチェックする必要がある。安全という基本の上に立って、しっかりやってほしい」と念押しした。
6日
東京、関西、四国、九州の電力4社は、使用済み核燃料の再処理を委託した英国から、高レベル放射性廃棄物を閉じ込めたガラス固化体が今年3月に日本へ返還されると発表した。最初に委託した仏からの返還は07年に終了しているが、英国からは初めて。国内の使用済み核燃料は69〜01年に計約7100トンが英仏の再処理工場へ海上輸送され、仏からは95〜07年に計12回(1310本)にわたって青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場へ返還された。英国からは約10年かけて計850本が戻る計画。
7日
関電大飯原発1号機で先月24日、微量の放射能を含むガスが排気筒から外部に放出された原因について、関電は原子炉補助建物内で、放射能を含む1次冷却水の抜き取り作業中に誤ってあふれ出したため、と発表した。
8日
経済産業省は東北電力女川原発3号機でMOX燃料を使うプルサーマル発電の実施を許可した。国の許可は10基目で東北電力では初。実施には今後、地元自治体の事前了解が必要となる。
8日
日本原子力発電の森本浩志社長は、年始あいさつで県庁と敦賀市役所を相次ぎ訪問し、同社が40年を超えて運転する方針の敦賀原発1号機への理解を求めた。しかし、西川一誠知事、河瀬一治市長とも、この日は認めるかどうかの判断は示さなかった。西川知事は「県の判断は他の全国の高経年化原発にも影響を与えるので慎重に対応する必要がある」と返答。
10日
中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発の教訓を生かして、原子力施設の耐震安全性の研究を推進しようと、新潟工科大(柏崎市)と東電、独立行政法人・原子力安全基盤機構(JNES)の3者はこのほど、連携協定を締結し、「原子力耐震・構造研究拠点」を発足させた。中越沖地震では、同原発のプラントごとに地盤の特性などによって地震波が増幅したとされるなど、従来の知見では説明できない現象が明らかになった。こうした新たな知見を蓄積した東電のデータを基礎に、3者は共同で研究拠点づくりを目指す。
12日
新潟県柏崎市は中越沖地震被災し、消防法に基づいて東京電力柏崎刈羽原発1、5号機(運転停止中)に出していた緊急使用停止命令を解除した。解除は同原発全7基のうち運転を再開した7、6号機に次いで3、4基目となる。
12日
福島県は原子力発電所で使用済み核燃料を再利用するプルサーマル発電について、国内初の営業運転をしている九州電力玄海原発の現地調査を始めた。プルサーマルに使うMOX燃料の管理方法などを中心に聞き取った。
13日
東電は柏崎刈羽原発5〜7号機側の放射線管理区域で、下請け会社の男性作業員(19)が微量の放射性物質を体内に取り込み、内部被ばくしたと発表した。
14日
伊方原発3号機で開始される予定のプルサーマル発電の中止を求めて、「伊方等の原発の危険に反対する愛媛県民連絡会議」のメンバーが四国電力松山支店へ申し入れをした。、プルサーマル発電では原子炉のコントロールが難しく核反応を制御する制御棒などの効果が低下することや、事故の被害が従来のウラン燃料の場合より大きくなること、耐震安全性の検証などを問題点として指摘している。
15日
福井県原子力環境安全管理協議会(安管協)が敦賀市内であり、11月で運転開始から40年を迎える関西電力美浜原発1号機について、実際の運転期限が示されていないことに対する不安が、地元関係者から相次いだ。
18日
日本原子力研究開発機構が年度内の運転再開を目指す敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」について、原子力安全・保安院は運転管理、保守管理、設備健全性確認の3点で「再開に必要な対策が完了している」とする安全性評価の骨子案をまとめた。
19日
07年の新潟県中越沖地震で被災し、試運転を続けていた東京電力柏崎刈羽原発6号機が営業運転を再開した。地震から約2年半ぶりで、営業再開は昨年12月の7号機に続き2基目。
19日
中部電力は浜岡原発5号機が昨年8月の駿河湾を震源とする地震で3、4号機などに比べ大きな揺れを観測した原因が「比較的浅い地下構造の特性による」との調査の中間報告を同市議会に行った。
20日
福井県内に立地する原子力発電所の09年の発電電力量は合計804・4億キロワット時で、前年の608億キロワット時を大きく上回ったことが県のまとめでわかった。800億キロワット時台になるのは6年ぶり。全国の原発発電電力量に占める道県別の割合でも29・5%で2年ぶりに全国1位となった。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2010年1月25日 No.152 】
原発問題救民運動大阪連絡会