原発問題住民運動大阪連絡会 - #153 原子力日誌・大阪1/22〜2/19
■1月
22日
福井県内原発の耐震安全性を審査している国の作業部会は、日本原子力研究開発機構が定めた高速増殖炉「もんじゅ」の基準地震動を「妥当」と判断した原子力安全・保安院の評価書をおおむね了承した。この作業部会の上位にある合同部会の了承を受ければ、もんじゅの基準地震動は760ガルで確定することになる。
25日
来月にプルサーマル発電開始が予定されている四国電力伊方原発3号機について、国の原子力安全委員会は、四電の耐震安全性評価を妥当とした原子力安全・保安院の結論を認める決定を出した。
25日
福井県原子力安全専門委員会(委員長、中川英之福井大副学長)が年度内の運転再開を目指す敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」を視察した。日本原子力研究開発機構が行った設備健全性確認については、「委員会としても納得できる」と結論付けた。
26日
関電は高浜原発3、4号機のプルサーマルで使用するウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の2回目の輸入燃料体検査を、経済産業省に申請した。既に製造元の仏・メロックス社で12体の製造実績があるため、実験的な初期製造を省くなど調達プロセスを一部変更している。
26日
森詳介社長ら関西電力経営陣と美浜町民が原子力事業について話し合う懇談会が美浜町郷市の関電原子力事業本部で開かれた。参加者の多くが、今年11月で運転開始から40年を迎える美浜原発1号機の新原発への置き換え(リプレース)を求めたという。冒頭で森社長が美浜1号機の問題に触れ、「総合的に判断して今後の運転方針を改めて検討したい」と述べた。「リプレースの方針を早期に明確にしてほしい」との要望が多く寄せられ、森社長は「しっかりと受け止めて検討する。時間がほしい」と返答した。
27日
日本原子力学会(会長=横溝英明・日本原子力研究開発機構理事)は、原子力施設のトラブルで放射性物質の漏えいなど住民の安全が懸念される場合、自治体と報道関係者からの問い合わせに応じる「異常事象解説チーム(略称・チーム110)」を2月1日に発足させると発表した。
チームは、電話で応対する「解説担当者」の大学教員約10人と、情報を集める約100人の「技術支援者」で構成。トラブルが発生した場合、平日休日を問わず、スタッフが対応し、問い合わせの内容に応じて最適な解説担当者につなぐ。
29日
伊方町の四国電力伊方原発3号機(加圧水型、出力89万キロワット)について、同原発環境安全管理委員会でプルサーマル計画実施の条件としていた同3号機の耐震安全性が認められ、来月からのプルサーマル発電開始がほぼ確実な見通しになった。
30日
薩摩川内市の九州電力川内原子力発電所1号機で29日朝に起きた作業員の感電事故で、全身にやけどを負った同市隈之城町、西日本プラント工業社員角杉太郎さん(29)が同日夜、死亡した。負傷者も現場にいた4人の軽傷が新たに判明、計6人に増えた。いずれも男性。
■2月
1日
中部電力は浜岡原発4号機で今秋にもプルサーマル発電を始めるのに伴い、地元4市(御前崎、掛川、菊川、牧之原)に各2・5億円ずつ計10億円を「受益者負担金」として支払うと発表した。使い道は医療や消防関連の事業に限り、支払い時期などは各市と今後、協議する。
2日
労働安全衛生法で飲食や喫煙が禁止されている原発の放射線管理区域で相次ぎたばこの吸い殻が見つかった問題で、毎日新聞が原子力施設を持つ全国12電力事業者に過去5年間の記録を問い合わせたところ、東京電力柏崎刈羽原発が120件と突出して高いことがわかった。「なし」と答えたのは7事業者で、各事業者の意識の違いが浮き彫りになった。
3日
原発1基当たりの作業員の被ばく総量(集団線量)が欧米に比べて高いとして、原子力安全・保安院は被ばくの低減対策の強化に乗り出す方針を固めた。労働環境や作業方法の改善を関係業界に求める。9日の総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会に、専門家でつくる小委員会を設置する。
4日
原子力安全・保安院は、美浜原発1号機の40年を超える運転の妥当性を確認するため、立ち入り検査を始めた。 関電は1号機をいつまで運転するかについて「国の認可を得て最終決定する」(森詳介社長)と明言を避けている。
8日
使用済み核燃料中間貯蔵施設の誘致問題について、関西電力が御坊市議会の中間貯蔵施設調査特別委員会(西本和明委員長)で、同市での立地の可能性や意向を聴かれた。関電は「現時点で言える段階にない。詳しい調査、検討が必要」などと述べ、明確な回答はなかった。特別委が昨年12月に関電に出席を要請していた。
10日
原子力安全・保安院がまとめた高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)の運転再開を容認する評価案を、10日の経済産業省の審議会「もんじゅ安全性確認検討会」が了承した。
12日
ライフライン市民フォーラム(LLCF)代表が関西電力本店を訪れ、美浜3号機事故以来続けてきた原発の安全のための話し合いの「第10回話し合い申し入れ書」を提出した。関電は申し入れ書を受け取り日程設定を約束した。(その後3月9日14.00〜関電本店と決定)
、
16日
国と電力各社が進めるプルサーマル計画について、福島県の佐藤雄平知事は県議会本会議で、東京電力福島第1原発3号機での導入を条件付きで認める意向を表明した。
17日
原子力安全・保安院が「試運転再開に必要な取り組みが適切になされている」とする安全性評価書案をまとめ、「もんじゅ安全性確認検討会」が了承したことで、政府のゴーサインが示されたからだ。しかし、かつて「夢の原子炉」と期待された高速増殖炉の開発を積極推進する先進国は日本くらいしかなくなり、フランスはじめ先進国は事実上、撤退の方向にある。日本の電力会社も高速増殖炉には冷淡で、もんじゅ再開の意義が改めて問われる。
19日
東電は、柏崎刈羽原発1号機で行った設備点検で「原子炉の安全を阻害する異常はない」との報告書をまとめ、原子力安全・保安院に提出した。並行して進めてきた5号機の試験も終了。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2010年2月25日 No.153 】
原発問題救民運動大阪連絡会