げんぱつ 2011年9月25日 No.172

原発問題住民運動大阪連絡会 - げんぱつ 2011年9月25日 No.172

げんぱつ 2011年9月25日 No.172

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 2011/10/4 19:33

原発廃止世論の広がりを示した「さよなら原発5万人集会」

作家の大江健三郎さんなど著名な9氏の呼びかけで東京の明治公園だ開かれた「さよなら原発集会」は、マスコミが福島第一原発事故以来最大の関連集会と報じたように、全労連、連合系、中立系労組、民主団体、市民団体、個人など、全国から幅広い6万の人々が集まりました。

集会は「新しい原発は作らない」「既存の原発は計画的に廃止する」など原発ゼロを目標に掲げており、原発ゼロを望む国民的世論と運動の広がりを力強く示しました。

呼びかけ人の大江さんは、「原子力によるエネルギーは必ず荒廃と犠牲を伴う。私たちはそれに対抗するということを、想像力をもたない政党の幹部、経団連の実力者に思い知らせる必要があります。そのためには民主主義の集会、市民のデモしかありません。」と述べ、同じく呼びかけ人の澤地久枝さんは「核が暴走を始めたら、人類はコントロールするノウハウをまだ持っていない。そういう危険なものは地球には必要がないと思います。」など5人の呼びかけ人が原発の危険と運動の核心をついた訴えを行いました。


大阪では新しい運動組織「大阪原発ゼロの会」が発足のつどい

7月に準備会として3000人規模の「7.30府民集会」を成功させた原発ゼロの会準備会は、原発の廃止を求める幅広い府民・団体が力をあわせる新しい府民運動運動“原発をなくし、自然エネルギーを推進する大阪連絡会(略称:原発ゼロの会)”発足のつどいを10月15日午後6時半から、エル大阪南館で開きます。


野田首相が国連会議で原発を「世界最高の安全水準に高める」

野田首相は9月20日のウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタービューで、定期検査で停止中の原子力発電所の再稼働について「電力需給があるので、来年の春以降、夏に向けて再稼働できるものはしていかなければいけない」と表明しました。

また「電力不足になれば日本経済の足を引っ張る」とも指摘。再稼働できない場合、来年夏に予想される深刻な危機感を示しました。首相は、再稼働にはストレステスト(耐性検査)などを通じた原発の安全性確保と地元自治体の理解が前提となるとの考えを強調しました。今夏の電力不足が回避できたことから再稼働は必要ないとする見方については「あり得ない」と否定しました。

そして22日の国連本部での原子力の安全に関する首脳会議では、国内の停止中原発の再稼働や、新興諸国への原発海外輸出を念頭に「日本は原子力発電の安全性を世界最高の水準に高める」と原発推進路線を表明し、新しい「安全神話」を唱え始めています。


原発をゼロにするかは今後の国民的な議論にゆだねる経産相

枝野経済産業相は不適切発言で辞任した鉢呂前経産相の後を受けた9月12日の就任記者会見で、今後のエネルギー政策について「原発をゼロにしても日本の産業、雇用が成り立つ状況を作ることが大事だ」と述べました。ただ実際に「ゼロ」にするかどうかは今後の国民的な議論に委ねるとし、湧き上がる国民的な原発ゼロの世論に対し、「原発廃止」の言明を避けています。


原子力日誌・大阪8/21〜9/20

21日
東京電力は福島第1原子力発電所3号機の原子炉で準備を進めてきた注水方法の変更を週中にも実施する方針だ。3号機は冷却効率が悪く、1、2号機の約2倍にあたる毎時7トンの冷却水を必要としている。注水量を減らして漏れ出る汚染水の増加を防ぐのが狙いだ。

22日
7月に九州電力の玄海原子力発電所3号機で耐震性の評価に関するデータに誤入力が見つかり経済産業省原子力安全・保安院が再確認を求めていた問題で、関西電力は22日、高浜原発3、4号機でも3カ所の誤入力があったと保安院に報告した。

22日
政府は、東京電力福島第1原発事故で設定した原発から20キロ圏内の「警戒区域」で、放射線量が極めて高いため指定を長期間解除できない地域に関し、国が土地を借り上げたり買い上げる措置の検討を始めた。原発事故の被災者に一定の現金収入をもたらし、損害賠償や生活支援策の一環とする意味合いがある。

22日
東京電力は福島第1原発から出ている高濃度の放射能汚染水を浄化するために導入した装置「サリー」で、配管の一部から毎時3シーベルトの高い放射線量が計測され浄化処理を一時停止した、と発表した。停止時間は13時間に及んだ。詳しい原因は分かっていない。

22日
政府は文部科学省と協力して、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の飛散状況をヘリコプターで調査する「航空機モニタリング」を23日から実施すると発表した。県内全域の空間放射線量と放射性物質の蓄積量を3キロ間隔で測定し、9月中旬にも「汚染マップ」を公表する。

22日
四国電力は運転開始から34年が経過している伊方原発1号機で、原子炉圧力容器が中性子を浴びてもろくなる「脆化(ぜいか)」度合いの検査を、9月に始める定期検査で始めると発表した。九州電力玄海原発1号機(佐賀県)で予測外の脆化進行が明らかになり、県側が早期実施を要請していた。

22日
福井県内9市の正副議長による県市議会議長会が22日、福井市で開かれ、東京電力福島第1原発事故を受けて越前、小浜両市議会が「原発からの脱却」を求める議案をそれぞれ提出したが、賛成少数で否決された。

24日
東京電力は「福島第1原発に10メートルを超える津波が押し寄せる可能性がある」との試算結果を08年4〜5月にまとめていたことを明らかにした。しかし「評価の必要がある」として具体的な対策を取らなかった。

26日
政府は午前、原子力災害対策本部の会合を開き、東京電力福島第1原発事故で飛散した放射性物質を除去する基本方針を決めた。今後2年間の暫定目標として、▽汚染地域の年間被ばく線量を約50%削減▽学校や公園などの徹底的な除染で子どもの年間被ばく線量を約60%削減−−することを示した。

26日
東京電力福島第1原発事故を受け、県は26日、国から求められているコメの放射性物質検査の説明会を青森市内で開いた。出席した農業関係者ら約300人からは、保管経費や安全性PRへの不安を訴える声が相次いだ。

27日
菅首相は午後、福島県庁で佐藤雄平福島県知事と会談し、東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された土壌やがれきなどの廃棄物を一時的に保管する「中間貯蔵施設」を福島県内に設置したいとの意向を伝えた。。

27日
環境省は、東北、関東地方など16都県を対象に廃棄物焼却施設で出た焼却灰を調べた結果、7都県42施設で、埋め立て可能な暫定基準(1キロ当たり8000ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。東京電力福島第1原発事故による汚染が広範囲に広がっていることが改めて示された。

27日
政府は福島市内で開かれた「福島復興再生協議会」で、年間被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される地点では、除染しない場合、帰宅可能な水準(年20ミリシーベルト以下)まで線量が下がるには20年以上かかる可能性があるとの試算結果を示した。

27日
原発の再稼働が進まず、不足した電力を補うためにフル稼働が続く火力発電所のトラブルが相次いでいる。27日現在、沖縄電力を除く9電力とJパワー(電源開発)で、少なくとも5基、合計出力約260万キロワットの設備が停止。猛暑が続けば深刻な需給逼迫(ひっぱく)につながる懸念もあった。

30日
日本原子力発電は、敦賀原発1、2号機(敦賀市)近くにある浦底−内池見断層(長さ18キロ)周辺の岩盤の割れ目「破砕帯」について、たとえ断層が動いても影響はないとの見解を明らかにした。
 また、原電など電力3社は同日、若狭湾地域で各原発から30キロ圏内の断層数十本で東日本大震災による影響はなく、新たな知見はなかったと発表し、経済産業省原子力安全・保安院へ報告した。

30日
福井県内で原発を運転する関西電力、日本原子力発電、日本原子力研究開発機構は、東日本大震災以降の地震による若狭湾周辺の地盤のひずみを調べた結果、変化はわずかで、原発の耐震設計上考慮に入れてこなかった断層や断層の可能性がある地形(リニアメント)などの評価は変わらないとする報告書を、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。

31日
東京電力は福島第1原発事故処理で、溶融した核燃料を原子炉から取り出す作業計画を明らかにした。損傷した原子炉格納容器を補修して水で満たした「冠水」状態にした上で、上部から燃料を取り出すとしている。廃炉に向けた中長期の工程表を検討する内閣府原子力委員会専門部会に報告した。 

9月

1日
東京電力福島第1原発から3キロ圏内にある福島県大熊町の一般住民の一時帰宅が1日、始まった。

1日
内閣府原子力被災者生活支援チームと文部科学省は、福島第1原発事故による福島県内の警戒区域(原発から半径20キロ圏内)と、同県飯舘村などの計画的避難区域で、地表から高さ1メートルと1センチ地点での放射線量の詳細な分布地図を作った。

2日
原子力安全・保安院は、東日本大震災当日、東京電力福島第1原発1〜3号機で全電源喪失などを想定し炉心溶融などを予測した「緊急時対策支援システム(ERSS)」の解析結果を、約半年たって公表した。2、3号機の予測は官邸に送信したが活用されず、1号機は送信もしていなかった。保安院の情報管理のずさんさが問われそうだ。

5日
東京電力は福島第1原発3号機で原子炉圧力容器の下部温度が96.9度(午後5時現在)と、100度を初めて下回ったことを明らかにした。

6日
東京電力福島第1原発事故を受け、作家の大江健三郎さんら原発依存からの脱却を訴える「さようなら原発1000万人アクション」の呼びかけ人が6日、東京都内で記者会見し「経済合理性や生産性ばかりにとらわれない理念を掲げる勇気と見識を求める」との声明を発表、野田新政権に原発の再稼働をさせないことなどを求めた。

7日
衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会は、東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の大半を黒く塗りつぶして開示したことを明らかにした。

8日
福島第1原発事故で、日本原子力研究開発機構は8日までに、汚染水の流出に加え、大気中からの降下分などを合わせた海洋への放射能放出総量が1.5京(1京は1兆の1万倍)ベクレルを超えるとの試算をまとめた。東電は4〜5月に海に流出した汚染水の放射能量を約4720兆ベクレルと推定しているが、試算はこの3倍以上に達する。  

9日
東京電力福島第1原発事故を受け、関西電力など3事業者が、県に許可申請したボーリング調査。「若狭湾沿岸では大津波はなかった」と主張してきた3事業者が調べることになり、結果が注目される。

10日
福島第1原発事故で、東京電力は、水素爆発を起こした3号機の原子炉建屋上部のがれきを撤去する作業を開始した。

10日
鉢呂吉雄経済産業相は10日夜、東京電力福島第1原発事故を巡る不適切な言動の責任を取り、野田佳彦首相に辞任を申し出て、了承された。

12日
藤村修官房長官は午後の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所事故を巡る不適切な言動で辞任した鉢呂吉雄前経済産業相の後任に、枝野幸男前官房長官を起用することを正式に発表した。

14日
国連は、東京電力福島第1原発事故を受けた原子力安全に関する報告書をまとめた。事故の可能性の想定が「甘すぎた」と批判した上で、事故が国際的に妥当とされてきた安全基準や非常事態での国際的な危機対応に「懸念を抱かせた」と指摘した。

16日
東京電力が衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に対し、福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の大半を黒塗りして開示した問題で、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「手順書には機器の具体的な操作方法が記載されており、公開されるとテロリストに悪用され、世界の原発の安全に支障が出る恐れがある」と述べ、従来の説明を繰り返した。

16日
東京電力福島第1原発事故を受けたコメの放射性セシウム汚染調査で新潟県は、水稲作付けをしていない粟島浦村を除く県内全29市町村45地点の早稲品種を調べ終え、いずれもセシウムは検出されなかったと発表した。

19日
東京電力福島第1原発事故を受け、原発依存からの脱却を訴える「さようなら原発5万人集会」が、東京都新宿区の明治公園で開かれた。集会やパレードには主催者発表で約6万人が参加。原発事故後では、最大規模とみられる。呼びかけ人の一人で作家の大江健三郎さん(76)は「原子力のエネルギーは必ず荒廃と犠牲を伴う」と語った。

19日
細野豪志原発事故担当相は、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部で始まった年次総会で、東京電力福島第1原発の「冷温停止」の時期について、12年1月の目標期限を前倒しして「年内をめどに達成すべく全力を挙げる」と約束した。

20日
東京電力が受け付けを始めた福島第1原発事故の個人向け損害賠償を巡って、被災者から「書類が多すぎる」「書き方が分からない」などの苦情が殺到している。被災者に届いた書類は、記入方法を示した案内書だけで約160ページ、記入用紙は約60ページに及ぶ。被災者からは「請求させないためとしか思えない」との声さえ上がっている。

20日
野田佳彦首相は、福島県広野町議会の坂本紀一議長らと首相官邸で面会した。東京電力福島第1原発の原子炉の冷温停止を目指す「ステップ2」の終了時期について、首相は「何とか年内に実現できるよう、目標前倒しに頑張っている」と述べ、来年1月の目標期限を前倒しして年内に達成することに意欲を示した。終了時期の前倒しは細野豪志原発事故担当相が19日、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)総会で表明している。

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2011年9月25日 No.172 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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