大阪公害患者の会連合会 - #2010-8-20 (33-12)事務局ニュース
第16回全国連合会大会 多くの発言で議案を深め
8月1日・2日池田「不死王閣」で全国連合会第16回定期大会を開催しました。
代議員・評議員合わせ55名が出席。
森脇代表委員の挨拶のあと東京の繁野さんと大阪の上田さんを議長に議事を進行しました。
大場事務局長代行より、一年間の活動を振り返っての報告・情勢・今後の運動の進め方について大会議案の提案を行いました。
続いて規約の一部改正、「1年に一度の大会を2年に一度とする」を提案。会計報告と監査報告、予算案の提案、新規役員の提案が行われました。
大会議案では、私たちの運動でPM2・5(微小粒子状物質)の環境基準を設定させる事ができたが、一日も早く常時測定を実施させる取り組みが必要である。
昨年の日本環境会議尼崎大会で提言された「新たな公害被害者の救済制度」を実現させる運動は「公害手帳」を守るうえで重要な課題になっている。全国連合会として署名に取り組む。
国が5年間かけて自動車排ガスと健康被害の因果関係を調査する目的で行ってきた「そらプロジエクト」のまとめが今年度中に出される。公害指定地域解除の苦い経験を持つ私たちは、警戒心を持って機敏に対応することが求められる。・・・と今後の運動の方向について提案しました。
特別報告は、ぜんそく患者の医療費無料化を実現した東京から
*制度の充実を求める運動と仲間づくりについて
*大阪からは、福島の長谷川さんが「新たな被害者救済運動の大阪での取り組 み、西淀川の永野さんからは、西淀川での取り組みについて報告しました。
*大牟田からは、認定闘争について報告しました。
二日間にわたって行った討論ではのべ49人が発言しました。
発言内容は、各地自治体の動きから、新たな被害者救済運動、認定・等級問題・街づくり、仲間増やし・・・等々
困難ななかで頑張っている全国の仲間の生き生きした発言が続きました。
大会では、大会議案・規約改正・決算・予算など圧倒的多数の賛成で可決され、新役員を選出しました。
最後に西代表委員の閉会挨拶と頑張ろう三唱で大会を終えました。
震える手でマイクを 初めての訴え!
7月22日淀屋橋(大阪市役所前)で、ぜんそく被害者の救済を求める署名行動に取り組みました。当日は11団体44名が参加しました。
未認定の患者さんたち3名が初めてマイクを握り、道行く人たちに街頭から訴えました。
「ぼくもぜん息やねん、頑張ってや」とエールを送る青年、「家族がぜん息です」と積極的に署名にしてくれる人たち、参加者も元気になる行動でした。
「小原さん、ぜんそくの被害の訴えとてもよかったよ。じーんときました」
「初めてで手足ががたがた震えていたのよ」
3名の被害者の訴えは、行動に参加した人たちにも元気を与え「もっと頑張らなければ」と感想が出されています。
第34回 大阪連合会大会
*日 時:10月1日(金)午後1時30分から
*福島区民センター 3階
★年に一度の大会です。
すべての「会」から代議員を出しましょう。
代議員でなくても参加歓迎です
ぜひ参加してください
いのちの尊さ呼びかける 薬害イレッサ結審行動
「治りたい一心で使った薬の副作用で命が奪われる!」“命の重さ”を問う薬害イレッサ西日本訴訟が7月30日大阪地方裁判所で結審しました。肺がん用抗がん剤・イレッサは、世界で最初に日本で承認され、これまでに間質性肺炎等の副作用で810人が命を奪われています。
アメリカでは新規患者への投与が禁止されており、EUでは限定使用のイレッサですが、日本では、臨床試験で延命効果が証明できなかったにもかかわらず承認内容の見直しすら行われていません。薬を承認した国と製造・販売したアストラゼネカ社の責任は重大です。
この日10時から始まった原告側最終弁論では、3人の原告が意見陳述。「夢の抗がん剤」と宣伝されていたイレッサに一縷の望みをかけて使用した父や夫が、投薬後数日で間質性肺炎にかかり死亡、「金なんかどうでも良いから夫を返してほしい」と切々と訴えました。肝炎訴訟弁護団や泉南アスベスト国賠訴訟弁護団の応援弁論のあと中島晃弁護士が、事件は「民主主義の根幹を問う問題」であり、裁判所が、国とアストラゼネカ社の加害責任を明確にした判決を出すよう求めました。判決は2011年2月25日午後3時に言い渡されます。
午後の被告側弁論では、「イレッサ承認に問題はなかった」「責任はない」(国)「抗がん剤としてのイレッサの効果は高い」「患者からも現場からも支持がある」(アストラゼネカ社)とのべ、800人を超える“犠牲はやむを得ない”といわんばかりの主張に終始しました。
判決行動には全国各地から300人を超える市民が参加、報告集会、パレードと終日行動しました。
大阪からは、公害患者会、泉南アスベスト国賠弁護団・原告団、労働組合などが参加しました。
広がる未認定患者との懇談会
集まり・語り合えば元気になる
大気汚染公害で、ぜん息などの呼吸器の病気になった人を救済する新しい制度づくりをめざす活動が進んでいます。
西淀川では7月29日に千北診療所、8月7日には「淀の里」(老健施設)で相次いで開催した懇談会には、未認定の患者10人が参加しました。会議では、ぜん息被害実態調査の結果と新しい救済制度を求める運動を進める「あおぞらプロジェクト大阪」の活動報告のあと、未認定の患者がかかえる日常の生活や医療にかかわる問題を語り合いました。
「大きな発作を起こして仕事をやめた」「娘と2人で1回1万円かかる医療費はきつい」「30年も前に発症したが、公害病認定しようとしたら制度が変わっていた」など、ぜん息など呼吸器の病気が、人生に重くのしかかっている実態が明らかになりました。
この集いには、患者への参加呼びかけや会場提供に尽力した医療機関の代表も参加。「私の子どももぜん息。治ってないのに、医療費助成が15歳で打ち切られるのはおかしい。ぜひ、この運動を広げてほしい」(診療所事務長)と参加者を励ましました。
また、参加した未認定患者のひとりは、「同じ病気をかかえる者が集まると気持ちがわかっていい。コミニュケーションが大事だ」と懇談会の継続を訴えました。
10万署名を広げよう! 都島で役員会
都島患者会は7月27日、コープ都島クリニックで役員会を開きました。会議では、総会の準備をすすめるとともに、患者同士のつながりを深める活動を重視して会員を増やす活動に取り組むことを決めました。
また、未認定患者の救済を求める10万人署名運動についても協議、「署名を配るだけではアカン」「集める人をふやそう」「10人でいいから、頼んでみよう」と一人一人が目標を持って活動することにしました。
この会議のあと、事務局長の前田孝子さんが「患者会のええとこ、なぜ必要かをわかりやすく書いたチラシがあったらええのに」のつぶやきに応えて、「患者のみなさんへの手紙」をつくることになりました。