原発問題住民運動大阪連絡会 - #148 駿河湾地震で被災停止した浜岡原発で4号機が運転を開始
5号機で設計時想定を越す測定値
中部電力は8月11日の駿河湾地震で被災した浜岡原発の状況について8月21日に国に報告しました。報告は、敷地内の地盤や建物、耐震設計上重要な原子炉建屋などについて、地震観測記録と設計上の想定値を比較した結果、3、4号機はすべての設備で想定値を下回った。5号機は、原子炉建屋1階で488ガルを記録、想定値(484ガル)を上回ったがほかの場所は問題なかったとしています。そして設計指針で想定する基準値を超える488ガルの揺れを観測したのは、配管部分の可能性があるなどとする分析をしています。損傷では、全体として5号機が目立ち、今後、配管などの設備のほか、地下構造を含めた調査を進めるとしています。
その後、一連の調査対応の結果、中電は9月15日、浜岡原発4号機を午後4時4分に起動したと発表しました。中電によると、地震発生後の点検で見つかった4号機の異常は、空調ダクトの空気漏れなど16件(うち地震の影響は7件)。いずれも運転に支障はないと判断し補修などで対応を終えました。原子力安全・保安院は15日、この対策を妥当と認めています。
5号機については10月末までに点検を終える見込みとしていますが。設計で想定した基準地震動を上回る揺れを検知しているため、9月中に終える予定だった地下構造の調査を来年1月まで延長する。敷地内や周辺で、深さ約1500メートルのボーリングや地盤調査などを実施するなどとしています。
M8の東海地震を想定し抜本対策を
新潟の柏崎刈羽原発の被災と深刻な被害に続く今回の浜岡原発の被災です。駿河湾地震(M6.5)での被災状況から推して、200倍のエネルギーの東海地震(M8)の被災状況は想像を絶します。また、同一敷地内で原発毎の地震動に大きな違いがあることの原因究明など、設計指針を決める上で解明しなければならない問題も出てきました。駿河湾地震は地震国日本の原発の安全に対する深刻な問題を提起しています。国、電力会社の真剣な対応と、それを求める国民的な世論の盛り上がりの必要を痛感します。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2009年9月25日 No.148 】
原発問題救民運動大阪連絡会