#149 本州の北端下北半島に集積する核サイクル諸施設の実態 (原発問題住民運動大阪連絡会 芹沢 芳郎)

原発問題住民運動大阪連絡会 - #149 本州の北端下北半島に集積する核サイクル諸施設の実態 (原発問題住民運動大阪連絡会 芹沢 芳郎)

#149 本州の北端下北半島に集積する核サイクル諸施設の実態 (原発問題住民運動大阪連絡会 芹沢 芳郎)

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げんぱつ
 2009/10/20 14:10

 「全国交流集会in青森」現地調査に参加して10月1、2日と下北半島を一巡しました。1日は野辺地から半島北端の大間へと縦断。夜は新潟大立石教授の下北半島の問題地層の講義を受けました。

 2日は朝早く大間を発し、建設中の大間原発を遠望、周辺の地層調査⇒むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設工事現場をながめる⇒東通村役場周辺の新しい諸施設を見て、東通原発PR施設見学⇒六ヶ所の周辺断層を調査見学して「日本原燃PRセンター」見学・討論⇒六ヶ所の地層撓曲(曲り)見学⇒野辺地 と半島一周の強行軍でしたが、現地組織の周到な準備と、現地の活動家、研究者の親切な報告と解説で現地の情勢と地層の状況をリアルに理解することが出来ました。現地の方々の心のこもった応対に心から感謝しています。


 不十分な断層対策と、地域の貧しさに乗じた原子力施設建設推進

 現地見学調査を終わって深く心に刻まれた問題が二つあります。一つは地震学(断層の研究)は最近急速に研究が進んでいる分野で、調査結果がつぎつぎと過去のものとなり、従来の安全審査基準や調査結果が書き換えられているという事実です。これは中越沖地震での柏崎刈羽原発の被災以後顕著に表れていることで、大間原発、六ヶ所再処理施設などは敷地内や直近の断層の存在や規模について住民側から提起され、被災の可能性が問われています。

 もう一つは地域の貧困に乗じて、巨額の買収資金と交付金で建設を強行していく、地域の住民の安全で豊かな将来を犠牲にす露骨な金権政治の姿でした。東通村は人口約8000人です、地域には特産の材木や林業、黒毛和牛の飼育などの産業がありましたが、食糧や木材の輸入自由化の影響で衰退する中で東京電力と東北電力は8万平方km強、10基分という膨大な原発敷地を買収し、現在は東電、東北電、計4基の原発建設計画を進めています。バスで通過した村役場とその周辺は、未来の建築を思わせるような丸い村役場を中心に豪華な小学校、中学校、体育館、福祉施設、医療機関等が取り巻いています。建設費200億円の話しも聞きました。関電の大飯原発で目にした豪華施設の数倍の規模です。近い将来に間違いなく原発貧乏自治体の典型が出現するでしょう。「貧乏な地域を作れば原発が出来る」。いまだにこんな「貧しい開発」がまかり通るのかと心が痛みました。

げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)

【 2009年10月25日 No.149 】
原発問題救民運動大阪連絡会

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