原発問題住民運動大阪連絡会 - #150 関電が美浜原発1号機50年運転可能の技術評価書提出
美浜1号・敦賀1号の運転継続で本格的な長期運転時代を迎える日本の原発
関西電力は11月5日午前、来年11月で運転開始から40年を迎える美浜原発1号機(福井県美浜町、加圧水型、34.0万kw)について、50年間の運転は技術的に可能とする評価書を、原子力安全・保安院に提出し、同日午後、福井県などに説明しました。
原子炉等規制法によると、30年を超えて原発を運転する場合、設備が健全なことを確かめる「高経年化技術評価書」と、10年間の保全対策をまとめた「長期保守管理方針」を、電力事業者が10年ごとに国に申請し、認可を受ける必要があります。関電の評価書では、実際の運転期間については触れていませんが、社内で検討してきた美浜原発1号機の後継機の建て替え計画が決定されなかったことで、関電は事実上50年間から60年間運転する方針を決めたものと見られます。
一方、ニュース148号で報じたように。運転開始から40年になる敦賀1号を廃炉して新たに出力153..8万kwの超大型原発2基を立てる計画を2002年に発表していた日本原子力発電敦賀原発1号機(福井県敦賀市、沸騰水型、35.7万kw)が、社長交替を機にして一転運転継続方針を決め、原子力安全・保安院は9月3日に原電提出の高経年化技術評価書を承認しました。原電の森本社長は福井県知事に敦賀原発1号機の運転を2016年まで運転する方針を正式に伝えています。
原発の運転が40年を超え、老朽原発の建て替え問題に直面していた関電、原電の両社がそろって日本の商用炉では最も古い老朽化原発の長期運転方針に踏み出しました。このことは、世界的恐慌の厳しい経済情勢と、核燃料サイクルの行き詰まりなど原発を巡る複雑な情勢の中で、原発新設の巨大投資に伴うリスクを避け、経済性を重視した選択を行ったことを示しています。これで日本の原発は本格的な長期運転時代を迎える事になります。一方、これまでに50年間運転した軽水炉原発は世界でも例がなく、地元住民らの不安もあり、議論を呼ぶことは必至です。11月11日、現地の「原発問題住民運動福井県連絡会」は福井県に対し、美浜原発1号機の運転継続とプルサーマル計画に反対する申し入れを行っています。
げんぱつ (大阪・原発住民運動情報付録)
【 2009年11月25日 No.150 】
原発問題救民運動大阪連絡会