市バス・赤バス廃止、地下鉄民営化 〜大阪市営交通の問題と課題
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市バス・赤バス廃止、地下鉄民営化
〜大阪市営交通の問題と課題

大阪市対策連絡会議 
事務局長 後みつる

「儲かるバスは民営化」「儲からないバスは廃止」

 大阪市は市バス132路線のうち、儲かっている62路線を民間に売却、70路線を廃止すると発表しました。「赤字のバスを大阪市が運営する必要はない」という橋下市長の指示を受け、府市統合本部が「黒字の市バスを含む事業性のある路線は民営化、採算のとれないバスは平成24年度末に一旦廃止し、区長権限により平成25年度から民間事業者への委託や補助により移動手段を確保する」という方針を打ち出しました。

 現在ある132路線のうち儲かるバス(62路線)は民営化し、儲からないバス(70路線)は廃止する。大阪市から市バスは消えてなくなるということです。

府市統合本部が独断で計画

 「府市統合本部」は、橋下市長と松井知事が議会の同意もなく設置したもので、今回の地下鉄民営化や市バスの廃止計画も「市議会」に相談もなく6月に決めました。交通局は、7月にはこれを前提とした「バス事業中期経宮計画案」を発表し、9月にはわずかばかりの手直し案を策定しました。

黒字の地下鉄から支援を行い、バスを存続させるべきです

 「儲かる」とされた路線も民営化されれば、経営次第でいつまで維持されるかは、何の保証もありません。一番身近な足であるバスがどんどんなくなる。こんなことは絶対に許すわけにはいきません。

 黒字の地下鉄から支援を行い、.丱肱線の大幅削減計画を白紙に戻す∋毀韻寮爾房をかたむけて、赤バスの双方向運行や増便などで利便性を高める9睥霄圈⊂磴い者、子どもたちにやさしい公共交通ネットワークを築く、などの実現を図ることが求められています。

赤バスは代替え案も示さずに廃止

 「廃止する路線については、区長が代替手段を確保する」といいますが、大幅な予算カットで、路線縮小は減けられません。また、代替えの車体もマイクロバスやワンボックスカーだと言われており、高齢者や障がいをもつ方にとっては乗りにくいものです。

 市バスは、「代替案が間に合わない」と廃止を1年先送りにしましたが、赤バスは代替案もないままに、平成25年3月末で廃止されようとしています。利用者にとっては冷たい仕打ちです。

167億円も黒字の地下鉄。市民・利用者のために活用すべきです。

 今建設すれば4兆円も費用が必要と言われている地下鉄は、民間に売リ飛ばすのでなく、公営で維持し、大きな黒字は、市民・利用者のために活用すべきです。|浪偲乾曄璽爐琉汰敢瑤料設可動式ホームドア設置震災対策っ浪偲肝繕發涼猷爾沖ソ蘊茱螳豈100円の新設などさまざまな改善が図れます。

 また、市バス・赤バスが赤字だからと廃止し、市民の足を切り捨てるのではなく、地下鉄の黒字を赤字のバスに投入し、市民の足を守るのは世界の常識です。

 それなのに、橋下市長はなぜ地下鉄・市バスの民営化を言うのでしょうか。ズバリ、大飯原発再稼動で関西電力と手を握ったように、関西私鉄に大きな飴玉を放リ込むことなのです。日本初の公営地下鉄として来年で80年。文字通り市民が守ってきた財産です。

安全安心が第一。事故や津波対策は大丈夫でしょうか。

 安全と利便の向上は市民と利用者の最大の要求です。JR尼崎事故、信楽高原鉄道衝突事故、東京メトロのカーブ事故などは私鉄・第3セクターで起きた事故です。人減らし合理化や安全対策など、市営と私鉄では大きな差が生まれます。

 ゲリラ豪雨など、水に弱い地下鉄。東日本大震災クラスの津波だと対策を誤れば全線水没となりかねません。市はこれらの対策を公表していません。大規模な対策予算は民間でまかなえきれません。市営だからこそ市民と利用者のために計上できるのです。

敬老パスは有料化。関西私鉄にとっては「濡れ手に粟」。

 民営化された場合、敬老パス利用者を受け入れる私鉄にしてみれば、高齢者が乗車したとしても、電力が余計に要るわけでなく、人件費が嵩む訳でもないのに、大阪市から運賃収入が繰入されることになります。収入だけが増えることになり、私鉄にしてみれば笑いが止まらない制度です。

 敬老パス有料化は、「民営化」によって私鉄でもパスが使えるという宣伝を行って、高齢者の負担増を覆い隠し、片方で私鉄に莫大な利益を与えるもので、関西財界とのパイプを太くしようとしている橋下市長の思惑が見えます。

市営交通があるから総合交通政策が立案できる

 都市交通をどのように整備・配置するのかは本来、自治体が責任をもつべきです。地域の交通政策を立案し、実現する権限と財源を地方自治体にもたせ、都市交通全体のコントロールを大阪市が発揮しないと、21世紀の都市交通再生の展望はありません。そのためこそ自治体が財政投入するのが、これもまた、世界の常識です。
 

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