大阪公害患者の会連合会 - 最新エントリー
第43回公害環境デー 大切なのは人の生命と生存 〜「被害者総行動の40年」を映像で紹介
43回目の公害環境デー府民集会が2月1日、エルおおさか南館で開かれ150人が交流しました。同集実行委員会の中村毅事務局長の基調報告に続き、原発賠償関 集会は午前中、「食」「道路」「公害・環境行政」の分科会でそれぞれ交流。午後には、寝屋川「廃プラ」、ノーモア水俣第2次訴訟、ソラダス測定運動、温室効果ガス削減などの取り組みを報告しました。公害患者会からは、神戸製鋼が進西訴訟原告団・森松明希子さんが訴訟の現状と裁判の支援を訴えました。
先ごろ最高裁の勝利判決で和解した泉南アスベストの原告団・弁護団が喜びの報告と支援への感謝を表明しました。また、今年40回の節目を迎える公害被害者総行動を振り返る「公害のない明日へ」を上映しました。
集会は午前中、「食」「道路」「公害・環境行政」の分科会でそれぞれ交流。午後には、寝屋川「廃プラ」、ノーモア水俣第2次訴訟、ソラダス測定運動、温室効果ガス削減などの取り組みを報告しました。公害患者会からは、神戸製鋼が進める130 万kw の石炭火力発電所建設計画に対して再考を求める運動への支援を呼びかけました。
大阪市の解体にNO! 〜大阪市会開会日行動に参加
2・3月市会開会日の13日、大阪市対策連絡会議と府民要求連絡会が共催する「市役所包囲ランチタイムデモ&パレード」が中之島公園などで行われ、約200人が参加しました。
今回の大阪市会では、昨年に府市議会で否決された大阪都構想協定書が公明党の賛成によって可決されようとしています。淀屋橋での宣伝およびその後のパレードでは、こうした動きを阻止し、くらし優先の大阪府・市政を実現しようと呼びかけました。連合会からは、17人が参加しました。
タヌキにもやさしい道
「タヌキの親子が往き来するんです」と楽しそうに語るのは、枚方市で第二京阪道路建設に向き合ってきた住民運動団体の事務局長・草薙正巳さんだ。「まちを横切る10車線の巨大道路」計画が動き出したのは今から43年前。住環境を守り、少しでも影響を和らげようと、住民要求を束ね・ぶつけて、防音のための遮音壁、道路のフタかけ・緑地の整備などを実現させてきた。
3年前に共用が開始された道路のフタかけ部分の緑地を、タヌキの親子が連れ立って向かい側の林へ移動する姿を見かけるようになった。住民の願いから生まれた“緑の回廊”が、そこに棲む生き物たちの役に立っていることが嬉しい。巨大道路で分断されるのは人間社会だけでなく、そこにすみ・くらすすべての生き物・生態系なのだ。公害デーの分科会で披露した草薙さんの報告は、聴く者をおだやかな笑顔に導いていった。(T)
水俣病は終わっていない!ノーモア・ミナマタ近畿第2次訴訟で第1回口頭弁論
「ノーモア・ミナマタ近畿第2次国家賠償請求訴訟」の第1回口頭弁論が2月9日、大阪地方裁判所で行われ、連合会からは20 人が傍聴しました。
本件は2009 年に成立した水俣病救済特別措置法で救済の対象とならなかったり、2012 年の期限内に申請できなかった方々が起こした裁判。熊本や東京など全国ですでに800 人以上が原告になっています。近畿訴訟の原告は、熊本県・鹿児島県の不知火海沿岸出身で、現在は大阪府・兵庫県などに住む水俣病の未認定患者19 人。高知県や愛知県在住者も原告に加わっています。
口頭弁論では、まず代理人弁護士から本件の訴状の説明、全国のノーモア・ミナマタ国賠訴訟の概要、水俣病の歴史などについて意見陳述がありました。続いて2名の原告から被害の実態が語られました。美容師をしていた女性は、手足の感覚の麻痺が原因でシャンプーをすることが出来なくなっていった様子、特別措置法に申請しようとしたにも関わらず検診の体制が杜撰だったため、症状がきちんと診断されなかった実態などを訴えました。
終了後、AP 大阪淀屋橋に会場を移して行われた報告集会では、連合会をはじめ各支援団体から原告・弁護団にむけて励ましの言葉が送られました。
石炭火力発電所計画で兵庫県、神戸市に要請
神戸製鋼が神戸市灘区に建設しようとしている石炭火力発電所(130 万kw) 問題で2月10 日、兵庫県と神戸市に「患者や市民の健康を守る立場から適切に対応してほしい」と要望しました。
この日の要請には、大阪連合会から森脇君雄会長、上田敏幸事務局長、神戸患者会から川野達雄会長が参加しました。兵庫県では農政環境部環境管理局の高石豊・環境影響評価室長、神戸市は環境局環境創造部の磯部敦彦・環境評価共生推進室長らが応対しました。
気候変動・温暖化で勉強会
気候変動と温暖化の現状をIPCC (気候変動に関する政府間パネル) の第5次報告書に学ぶ勉強会が2月14 日、あべのハルカスの阪南大学キャンパスで開かれました。
勉強会では日本科学者会議の青山政利氏が「気候変動・温暖化とIPCC 第5次報告書」と題して講演。CO2 がこのまま増え続けると2℃を超えるまで30 年かからない、気候変動・温暖化で勉強会と警告。同報告書は、大幅な排出削減に世界が取り組まなければ取り返しがつかなくなると、各国が野心的な目標を掲げて実行するよう求めており、2015 年パリで開催するCOP20 で、法的拘束力のある合意が不可欠です。患者会から7人が参加しました。
「補償法つぶし」許すな!
〜大阪連合会が第38 回定期大会〜
大阪公害患者の会連合会は9 月27 日、第38 回定期大会を開催しました。開会挨拶で森脇君雄会長は、9 月10 日に経団連が発表した「平成27 年度税制改正に関する提言」で、自動車重量税を「将来的な廃止を含め軽減の方向で見直しを行うべき」と求めていることを取り上げ、「彼らは昭和54 年の内部文書以来、補償法の廃止に執念を燃やしており、決してあきらめてない」と強調。「自動車重量税の廃止を阻止して、補償法を守り抜いたたたかいの成果に確信を持ち、経団連をはじめとした補償法つぶしの動きに引き続き警戒心を持って取り組まなければならない」と訴えました。
維新政治のストップを!
橋下維新政治が「暴走」を続ける渦中で開催した大会には、大阪府庁で「暴走」と対決している大阪府関係職員労働組合執行委員長の有田洋明さんが特別報告。橋下維新政治の6 年9 ヶ月を振り返り、「トップダウンで弱いものいじめを強行し、カジノとリニア頼みの『大阪都構想』で、格差と貧困がますます広がり、住民サービスは低下する」と、維新政治のストップで、暮らしを応援する元気な大阪を取り戻そうと呼びかけました。
大会議案(活動の総括と方針) を上田敏幸事務局長が提案、和久利正子事務局次長が決算報告と予算案を提案しました。
患者会の存在意義を知らせる
討論では、「認知症の患者が増えている。介護と医療が入り組んで利用している人が増え、個別の対応が迫られている」(福島)、「会員のほとんどが認知症をかかえている」(堺) など高齢化に伴う活動の現状が語られました。
組織の拡大・強化では、月1回、診療所で行う会議で会員をコツコツ増やしている東大阪や、連合会の財政を確保するために提起した上納金の引上げに備えて会費の値上げを決めた経験(平野)、インターネットで患者会を知り入会したI さんは、「補償法の仕組みを初めて知った。少しでも役に立ちたい」と発言しました。また、「患者会を増やす取り組みをするには、患者会の存在意義を解りやすく知らせるポスターをつくってほしい」(城東鶴見)、「会費引き上げの話を聞いて涙が出るわ。患者会が頑張っているおかげで補償法が守れてるのに、みんなもっと感謝せなあかん」(東大阪) と、率直な声も飛び出しました。
大会は、決算報告、予算案、規約改正案、新役員の提案をそれぞれ全員一致で承認するとともに、特別決議「沖縄知事選で翁長さん勝利、『弱いものいじめ』の維新政治ストップの活動を広げよう!」を採択しました。
参加者は55 人、東京公害患者と家族の会からメッセージを頂きました。
連合会のホームページができました!
大会の今年度の方針の中で提案しました通り、連合会のホームページをアップしました。インターネットに接続できる方は、ぜひご覧ください!
<URL>http://www.d3.dion.ne.jp/~kanjakai/
環境学校 止めよう!温暖化〜気温上昇2℃未満に
大阪から公害をなくす会は第19 回環境学校を9 月21 日、大阪科学技術センターで開催しました。環境学校では、「科学者による地球温暖化の現状把握と自然エネルギーによる対策技術〜風力発電を中心にして」(河野仁: 兵庫県立大学名誉教授) とIPCC 報告とCOP ・日本の課題」(浅岡美恵: 気候ネットワーク代表) の2つの講演がありました。
河野さんは、北極海の解氷の変化や海面上昇、集中豪雨などの異常気象に見られる気候変動の現状を踏まえて、気温の上昇を2℃未満に抑えるには、再生可能エネルギーの活用が欠かせないと強調。風力発電の普及が重要との認識を示しました。
浅岡さんは、世界中で起こっている台風、豪雨、干ばつなど「気温が高くなるほど、異常気象が重く、広範に」なっていることを踏まえ、地球温暖化に関する世界の科学者たちの警告としてのICPP 報告を紹介しました。第5 次評価報告書は、「気候システムの温暖化は疑う余地がない」と指摘。「今後、何世紀にもわたって持続する」と警告しました。浅岡さんは、全地球の平均気温の上昇を2℃未満に止める政策が各国政府に求められていますが日本は、国際約束目標はなし、2020 年以降の枠組み交渉では、法的拘束力、法的義務化に抵抗するなど、「最悪の役割」を果たしていると批判しました。また、福島原発事故を契機に石炭火力発電所の建設が相次いでいることについて、「石炭は温暖化にも健康にも悪い」と批判、「原子力に依存せず、CO2 削減の道を選択」すべきだとのべました。患者会からは、21 人が参加しました。
府庁の窓からもエールが!府民要求連絡会が集会とパレード
府民要求連絡会が9 月25 日、「9 月府議会開会日行動 ランチタイム集会&府庁包囲パレード」を実施し、連合会からも9 人が参加しました。
大阪城公園で開催された集会には約160 人が参加。府立咲洲高校卒業生による廃校反対の声をはじめ、大阪都構想反対、子ども医療費助成制度の拡大などを求めるリレートークが行われ府庁の窓からもエールが!府民要求連絡会が集会とパレードました。続くパレードではドラム隊のリズムにのったシュプレヒコールに、沿道をはじめ府庁の窓からも多くのエールが送られました。
また、議会の正常化を求める請願行動もあり、連合会からも要望の声を届けました。
再稼働反対!原発ゼロ!
「サイカドウ ハンタイ!」「原発やめない首相は辞めろ!」−太鼓のリズムに乗って原発ゼロコールが会場に響き渡ります。10 月5 日、阿倍野区民ホールで開いた原発ゼロの会・大阪 発足3 周年記念のつどいには市民ら368 人が参加しました。患者会からは16 人が駆けつけました。
つどいには、福島から楢葉町のお寺の住職・早川篤雄さんが駆けつけ、原発事故か再稼働反対!原発ゼロ!ら3 年半、今も避難を続ける被害者の一人として、国と東電への怒りを込めて「福島のいま」を切々と語りました。早川さんは、福島の復興再生には、収束作業にあたる労働者の支援と福島にある原発10 基の廃炉が不可欠の課題だと強調するとともに、「人間が引き起こした災害(人災) なら、人間の復興にこそ国が全面的な責任を果たすべきだ」とのべました。
平成26 年度(後期)公害療養相談会【健康回復教室】
大阪市が実施している公害被認定患者と家族向けの講座のお知らせです。健康回復や療養生活に役立つ内容になっていますので、ぜひご参加ください。
「楽しく歌って!音楽」
10 月21 日(火) 午後2:30 〜 4:00
於: 福島区保健福祉センター
「おいしく食べて健康に!」
10 月29 日(水) 午後2:30 〜 4:00
於: 西淀川区保健福祉センター
「医師のお話と相談」
10 月31 日(金) 午後2:30 〜 4:00
於: 鶴見区役所
「リラックス体操」
11 月7 日(金) 午後2:30 〜 4:00
於: 都島区保健福祉センター(分館)
【申し込み方法】
大阪市保健所 管理課 保健事業グループ
電話またはFAX にて
?電話: 06-6647-0648 (平日9:00 〜 17:30)
?ファックス: 06-6647-0718
〔被認定者氏名、公害手帳番号、参加者名、住所、電話番号、希望会場名(複数可)〕
公害医療手帳 「更新」と「見直し」を同時に行うための手続きについて(解説)
「こないだ更新の書類を出したばっかりやのに、また見直しかいな…」
患者の中には、症状の悪化や病像の変化などで「改定請求」や「新規請求」をして、「見直し」の時期が「更新」とズレている人が4 人に1人の割合でいます。
この人たちは3 年に1回の「更新」の時期には年に2回、手続き(検査と診断) をしなければなりません。(図1)
大阪市は、この人たちの負担を少なくするための手続きを始めています。「更新」の時に「改定請求」(障害補償費改定請求書) をすることによって、「見直し」を「更新」に合わせます。こうすると3 年後の「更新」は「見直し」と同時になります。(図2)
公害医療手帳の「更新」と認定等級の「見直し」がずれている人はいませんか?
大阪市では、「更新」と「見直し」を一緒にできるようにする手続きが始まっています。「更新」の書類が届いたら、地域の役員か事務所に連絡してください。
舛添東京都知事に「ハガキ」を送ろう!
東京都が「ぜん息医療費助成制度」の新規認定打ち切りと府の負担を3分の1に縮小することが分かりました。
「東京公害患者と家族の会」では、この動きに反対する全国の皆さんの声を東京都の舛添知事に届けるために、「ひとことメッセージ」を「ハガキ」に書いて送る取り組みを行っています。
大阪連合会でもこの取り組みに協力しています。皆さんの声を知事に届けましょう!
※「ハガキ」をご希望の方は事務局までご連絡ください。
呼吸器講演会
大阪市保健所は7月3日、北区民センターで呼吸器講演会を開きました。「プロが教える!肺年齢を若く保つヒケツ」と題して、大阪市立大学の金澤浩史准教授が講演。COPD (慢性閉塞性肺疾患) の原因、治療などについて解説しました。タバコ病といわれるCOPD ですが、金澤氏は「PM2.5 など大気汚染も原因のひとつ」として、早期発見・早期治療が大切だと話しました。会場では肺年齢測定も実施しました。
「戦争する国づくり反対!」と6000人 〜大阪弁護士会が集会〜
大阪弁護士会は6 日、秘密保護法の廃止と集団的自衛権行使反対の野外集会「平和主義が危ない!秘密保護法廃止!!」を扇町公園で開き、「戦争をする国反対」「(集団的自衛権行使を容認した) 閣議決定を撤回せよ」と訴え、パレードしました。途中から雨脚が強くなる悪天候にも関わらず6,061 人の市民が参加しました。
石田法子大阪弁護士会会長は「憲法は時の政府が勝手なことをしないようにあるもの。解釈改憲は、憲法改正の手続きをすり抜けてごまかす憲法乗っ取りです。この憲法の破壊行為を許すことができない。集団的自衛権の行使容認の閣議決定への怒りの声を大きくしましょう」と呼びかけました。患者会からは12 人が参加しました。
ストップ!「戦争をする国」づくり、守れ9条 いかそう憲法
7月1日夕、集団的自衛権の行使容認の閣議決定に抗議し撤回を求める宣伝活動がJR 天王寺駅前で行われました。大阪憲法会議・共同センターが呼びかけたもので、患者会から3 人が参加しました。
チッソは賠償責任果たせ!
水俣病の原因企業チッソの株主総会が6 月27 日、リーガロイヤルホテルで開かれ、子会社の売却で被害者への賠償責任を逃れようとするチッソを批判するチラシを配布しました。この行動は、水俣病不知火患者会などが呼びかけたもので、大石利生会長は、「チッソは最後の一人まで賠償責任を果たせ」と訴えました。水俣病被害者の緊急の支援要請に応え、大阪連合会は11 人が駆けつけました。
特集 第39回 公害被害者総行動デー
「なくせ公害、守ろう地球環境!」を合い言葉に、毎年開催している公害被害者総行動デーは今年で39 回目。政府各省交渉、経団連など経済団体との交渉、決起集会、早朝宣伝、東電はじめ企業への抗議行動などに取り組みました。二日間(6月4日〜5日) の活動を追ってみました。
大臣交渉
石原伸晃環境大臣、北川知克環境副大臣らが出席。原発事故で避難を続ける600年続く古寺の住職・早川篤雄さんと40 年を経てようやく水俣病と診断された村上文枝さんが、自らの被害を淡々と語りかけます。
所信を求められた大臣は、2 人への謝辞に続けて「環境省設立の原点は、二度と公害被害を起こすことの無いようにすること。みなさんの声を受け止めて環境行政の参考にさせていただきたい」と応じました。昨年は、被害者に言葉をかけることさえ突っぱねた石原大臣の豹変でした。
「補償法を守れ!」
大臣交渉が佳境にさしかかった頃、大阪代表団(53 人) は東京駅から2台のバスに分乗して日比谷公園霞門へ。一息つく間もなくデモ行進に合流。「被害者を救済せよ!」「補償法を守れ!」シュプレヒコールのリーダーは事務局員としては初参加の片岡法子さん。澄んだよく通る声が霞ヶ関の官庁街に響き渡ります。この日の東京は29℃、汗が吹き出します。
被害を訴える
ぜん息で入退院を繰り返し、「元気な女性と一緒になりたい」と離縁を迫られ子どもたちと引き裂かれた森田藤枝さんの訴えに会場が静まり返りました。大阪代表団は総政局、保健部、水・大気局、国交省、経団連などの交渉先で被害を訴えました。結団式(5月27日) では「ひとり一人が会の代表という自覚を持って被害を訴えよう」と申し合わせていました。
つながる・共感が広がる
111団体1350人が参加した決起集会。会場の日比谷公会堂は、公害とたたかい救済を求める仲間のつながりと共感を確かめ合う熱気に包まれました。原発事故から3年余、未だに収束の兆しさえ見せないフクシマの被害者、最高裁判決を控えて厚労大臣との面会を求めて座り込みを続ける泉南アスベストの仲間、第3次訴訟を起こした水俣病の被害者、東京都のぜん息医療費助成制度の打ち切りに反対する東京大気の仲間など公害の根絶と被害者の救済を求めてたたかうもの同士の連帯と団結が広がりました。
来年は40 回の節目を迎える総行動。より大きな共同の輪を広げ、公害被害者の願いを実現する活動とするため、今から準備を始めましょう。
和久利さん、三津さん、ありがとうございました!
5月27日(火)、福島区民センターで行われた総行動の結団式。連合会の事務所移転にともない、6月末で事務局を退任する和久利
正子さんと三津英子さんに思わぬサプライズがありました。滝田厚子さん手作りの花束をプレゼント!参加者みんなで感謝の気持ちを伝えました。
公害をなくす会が第35回総会
原発、アスベスト、大気汚染など暮らしを取り巻くさまざまな公害の根絶と住みよいまちづくりをめざして活動している「大阪から公害をなくす会」の第35 回総会が6月12日、大阪民医連会議室で開かれ48人が参加しました。
開会挨拶で金谷邦夫会長は、3 年過ぎても未だ収束の兆しさえ見せない福島原発事故を進行形の最大・最悪の公害とのべるとともに、「大飯原発3、4 号機の差し止めを認めた福井地裁判決に確信を持って、脱原発の運動を進めよう」訴えました。
中村毅事務局長の総会方針案提起の後、9人が発言。最高裁で判決前の山場を迎えている泉南アスベスト国賠訴訟、大阪府と大阪市が進める公衆衛生を担う研究機関の統合問題、寝屋川の廃プラスチック処理施設の公害とたたかう住民運動、道路公害や大気汚染公害をなくす活動、地震や災害に強いまちづくり、原発事故避難者の裁判支援などが紹介されました。
総会は、方針案、予算案を全員一致で採決、新役員を選出しました。大阪連合会からは10 人が参加しました。
総行動に参加者された皆さんの感想
息子の事を泣きながら訴えました (此花区公害患者と家族の会)
総行動一日目、私は環境省保健部交渉に入りました。環境省側の答えはのらり、くらりで紙に書いてきて読むだけの人もいました。患者の気持ちなど一つも分かっていませんでした。途中から私も腹が立ってきて、発言の予定はなかったけど、患者の気持ちを分かってくださいと言って息子の事を泣きながら訴えました。
来年40周年に向けて、多くの仲間と一緒に頑張らなくてはいけないと思っています。
体に優しい発電を (都島公害患者と家族の会)
経産省では、石炭火力発電所がたくさんのCO2、NO2、そしてPM2.5 を吐き出すのではないかと思って心配なので質問したのですが、ほかの人の質問に遮られて応えを聞くことができませんでした。関電も東電も、ほとんどの電力会社が石炭で電気を起こそうとしています。私のような患者にとって、これ以上の大気汚染は絶対困ります。原発も石炭もごめんです。体に優しい発電に変えてほしいと思いました。
初めて夫婦で参加しました。お父さんは、デモ行進がとても楽しかったようです。
なぜ救済の道が開かれないの? (堺公害患者と家族の会)
デモ行進のあとで、環境保健部長交渉に参加しました。
私自身もその一人ですが、全国の仲間の訴えは身に浸みました。毎日が病気とのたたかいで辛い思いをして生きているのだと実感しました。国の調査でも、自動車の排ガスが原因でぜん息の病気になるということが明らかになったと聞きました。それなのに、なぜ救済の道が開かれないのでしょうか。未認定の患者さんに医療費だけでも無料に、早く適切な治療をさせて上げて欲しいと思います。
大阪都ストップ!維新ノー!出直し市長選に怒り広がる
橋下市長の突然の辞任による「出直し市長選」(3月9日告示23日投開票)への怒りが日に日に広がっています。こうなったのは、橋下市長が推進する大阪都構想の区割り案を議論していた協議会で、自分の提案が否決されると逆切れし「市長をやめる、選挙だ!」と言い出したから。まさに駄々っ子、予算議会を投げ出し、選挙費用になんと6億3000万円の税金をつぎ込むという無茶苦茶をごり押しするのですから、市民の理解を得られるはずがありません。
吹雪にめげず宣伝 大阪市議会開会日行動
2月14日の市議会開会日は朝から雪が降りしきり、宣伝行動を始めた正午には吹雪に。それでも市民ら63人が詰めかけ、チラシを配布すると、通行人が自ら駆け寄ってうけとる姿もありました。患者会からは14人が参加しました。
怒り爆発!市民のつどい 〜中央公会堂あふれる〜
「大阪都ストップ!」「維新ノー!」「出直し選挙」に怒る市民のつどいが3月6日、中之島中央公会堂で開かれ、満員の会場は理不尽きわまりない選挙への怒りであふれました。府大と市大の統合に疑問を投げかける大学生、都構想は「なんぼ聞いてもようわからん」と語りかける連合振興町会長、橋本さんの「民意」は民主主義とは無縁と批判する社会学者、慰安婦・性暴力発言を許さず辞任を求める活動を続けている女性、元大阪府小学校校長会長らがつぎ次と登壇、会場のすみずみまで「橋下独裁」「維新政治」への怒りが広がります。締めくくりは、共産党の山下芳生書記局長(参議院議員)が登壇。「大義あるたたかいに胸を張って参加しましょう」とよびかけました。
寒風の中、宣伝活動
「切実な要求の実現をめざす一斉宣伝で都構想ストップ!維新政治を追いつめよう!」−大阪市をよくする会と明るい民主大阪府政をつくる会の呼びかけに応えて大阪連合会は宣伝用スポット原稿を作成。3月4日から3日間のべ20回、事務所の周辺でハンドマイクによる宣伝行動をしました。スポットでは、橋下氏が知事、市長の就任直後に公害患者の死亡見舞金を打ち切ったことを糾弾。こうした「弱いものいじめ」はその後、障がい者への助成金打ち切り、水道料金の福祉減額の廃止、敬老パスの有料化、幼稚園の統合・廃止などにつながっていると訴えています。「弱いものいじめ」政治を拡大する都構想をストップさせましょう。
大阪府議会開会日行動
2月21日の府議会開会日,正午から教育塔で恒例の集会、その後府庁周りをパレード、怒りを込めシュプレヒコールを上げました。患者会は7人参加しました。
署名・募金のお願い!
第39回公害被害者総行動デー 6月4日(水)・5日(木)
年に一度公害被害で苦しむ人たちが結集して、デモや集会を行い、また国や企業と直接交渉する場です。
総行動を成功させるために例年のように署名・募金に取り組みます。
★ 署名一会員 15名以上
★ 募金一会員 1万円以上
*募金のお願いは4月号ニュースと一緒に お渡しします。
会員とご家族の積極的なご協力をお願い致します。
原発ゼロただちに!〜扇町に7000人
「すべての原発ただちに廃炉!」「再稼働反対!」−福島原発の事故から3年目を迎えた3月9日、原発ゼロを願う声がこだましました。好転に恵まれたこの日午後、扇町公園には7000人の市民がかけつけ、原発依存の「エネルギー基本計画」を閣議決定し再稼働に向けて突き進む安倍政権に「ノー」の声を突きつけました。患者会からは30人が参加しました
原発さようならの集会に参加しました。長谷川芳子
私達患者会は扇町公園での集会とパレードに参加しました。
今回初めてパレードに最後迄参加しました。私達はCコースで扇町公園から福島の出入橋公園迄で、パレードの最終列で歩いたので思いのほか歩けました。シュプレヒコールも短く「原発やめろ」「子どもを守れ」「再稼働するな」と言うように、とてもわかりやすく元気をもらいながら歩きました。一緒に歩いた皆様ご苦労さまでした。
<大阪公害患者の会連合会> 〜事務所移転お知らせ〜
★4月23日引っ越します
<移転先>
〒555-0013 大阪市西淀川区千船1-1-1 あおぞらビル
TEL 06-6475-0790 FAX 06-6475-0934
療養手当て請求書忘れないで出しましょう!
3月はじめに大阪市より、26年度療養手当て請求書が届いています。
★12箇所すべてに名前、電話番号を書いて、押印してください。
★3月31日までに同封の封筒で大阪市保健所に送りましょう。
▼請求書を提出しなかったり遅れたりすると療養手当てが支給されません。
▼請求書を提出していても診療日数が月4日以上に満たない場合は支給されません。
各会だより
環境省職員研修〜 西淀川公害フィールドワーク おでん囲んで和気あいあい
環境省の職員による西淀川公害フィールドワークが2月26日から2日間の日程で行われました。あおぞら財団が職員研修として毎年受け入れ、公害による被害と地域の環境再生の取り組みを学ぶもので、今年は本省、近畿地方事務所、環境再生保全機構から11人が参加しました。
被害と患者の願いを語ったのは和田美頭子さん、森脇君雄会長は、長期の裁判を支えた患者会の活動について紹介しました。参加者は、「住んでいるところから出て行こうとは思いませんでしたか?」「裁判官は大気汚染公害を理解していると思いましたか?」など次々と質問。これに対し、ぜん息など病を背負いながら、繰り返し公害をまき散らす企業に掛け合ったこと、らちが明かずにようやく裁判に踏み切り、長く困難な運動を経て、勝利判決から和解への道を支えたのは「患者会が分裂せず、一枚岩の団結があったから」(森脇氏)と語りかけました。
この日、夕方からは恒例の「交流会」が開かれ、研修参加者と患者、財団職員が手作りのおでんやサラダを囲んで歓談しました。お疲れ様でした。
第2次中央行動
「汚染者負担の原則は重要」〜保健部長が言明
「公害健康被害補償法による給付を守ることは重要。汚染者負担の原則が重要だという認識で頑張りたい」−塚原太郎環境保健部長は11月13日、全国各地から駆けつけた患者40人を前に環境省の立場を表明しました。第2次中央行動には、大阪から8人が参加。環境省前での東京患者会の「国による新しい救済制度の創設を求める」宣伝行動に合流した後、保健部長交渉に臨みました。
「命綱」断ち切らないで!
交渉では、岡崎久女さん(大阪)、小野寺教子(川崎)さんが、今も続く深刻な被害を切々と訴え、公害補償が患者の命綱になっている実情を明らかにしました。
環境省側は、患者会の要望に沿う形で与党への説明をしており、この日の交渉でも、自民党環境部会が環境省の税制改正要望と同主旨の要望を取りまとめ、「週内にも党税制調査会へ提出する予定になっている」ことを紹介しました。
中央行動2日目の14日は、自動車工業会への要請と与党の環境部会メンバーへの国会議員要請の二手に分かれて行動。自動車工業会へは、三輪富子副会長が参加しました。自動車工業会は自動車重量税の廃止をしつこく求めており、この日も廃止行動の撤回を強く求めました。
第2次中央行動は、自動車工業会がある自動車会館前でまとめの集会を開き、行動を締めくくりました。
自動車議員連盟と環境部会
自動車重量税の廃止に反対する10万人署名運動と「国会へ攻め上る」2度にわたる中央行動は確かな影響力を与え始めています。2度の中央行動を挟んで、自民党に2つの動きがありました。一つは「自動車議員連盟」(額賀福志郎会長)の緊急決議。271人の議員を要する巨大な議員連盟の総会では、自動車重量税の廃止を求める意見も出されました。しかし、緊急決議に「廃止」は盛り込まれず、「エコカー減税等のグリーン化措置を拡充する」という文言に収まりました。自動車工業会の「切望」はうけいれられませんでした。
もう一つは「環境部会」(片山さつき部会長)。党税調に提出する税制改正要望書には、「汚染者負担による公害健康被害補償のための安定財源確保の観点から、車体課税の一層のグリーン化を推進する」という、環境省の主張が取り入れられたようです。
「廃止」にこだわる自工会
全国の患者たちの必死の願いは、3万2000筆を超える請願署名となって保健部長に手渡されました。国会議員への要請と合わせて患者の願いを届け続けて来たことが、少しずつ効果をあげ始めているのでしょうか?
しかし決して甘くない現実があります。今回の要請行動でも、自動車工業会はかたくなに「廃止」にこだわっています。油断することなく、署名を広げに広げて目標を達成するとともに、息の根を止めるまで追いつめなければなりません。体をいたわりながら最後まで頑張りましょう。(上田敏幸)
泉南アスベスト国賠訴訟 2陣高裁判決行動のお知らせ
日時 12月25日(水)
・午前8時 淀屋橋宣伝行動
・午後1時 裁判所前集会
・午後2時 判決言い渡し
・午後3時 報告集会 (大阪弁護士会館)
第18回測定研シンポ
PM2.5〜「国内」とともに「広域」対策を!
公害環境測定研究会の第18回シンポジウムが11月9日、大阪市内で開かれました。シンポでは「都市汚染としてのPM2.5~その発生のメカニズム」と題して、大阪府環境農林水産総合研究所の山本勝彦さんが講演。山本氏は、中国からの越境汚染でにわかに注目を浴びることになったPM2.5が、東アジアからの広域移流とともに都市汚染としてとらえることの大切さを指摘するとともに、成分や発生のメカニズムを解明することが急がれていると指摘しました。
また、対策に必要なものとしては、?NOxや光化学スモッグ対策など従来の大気汚染対策をしっかりやる ?観測体制の充実 ?国際的な協力のもとに東アジアの観測体制をつくりあげることが重要だとのべました。
高い原発のコスト〜ゼロの会
2周年のつどいで大島先生が講演
原発ゼロの会・大阪2周年のつどいが10月20日、エル大阪ホールで開かれました。福島原発の汚染水垂れ流し問題、再稼働優先で進む安倍内閣のエネルギー政策が強行される中、550人の市民が参加しました。府内各地で取り組む「反原発・自然エネルギーへの転換」を求める活動を紹介する1分間スピーチ、大島堅一・立命館大学教授は記念講演で「原発のコスト」について言及。核廃棄物の処理や過酷事故発生時の補償費用などの社会的コストをふくめると「高くつく」ことを解りやすく説明しました。
会場ロビーでは、城東・鶴見公害患者会が自動車重量税廃止反対の署名を参加者に訴え115筆集めました。ご協力ありがとうございます。
<公害手帳を守るために>施設入所は要注意!!
認定患者の「高齢化」に伴って、病院の長期療養型施設への入所、また介護施設へ入所される方が増えています。そんなときにはまず注意を!
最近の相談の事例で考えてみましょう
★Aさんの場合
病院の長期療養型施設に入所、ここでは公害医療は受けられません。
病院と再三相談の上、家族が施設から連れ出して、近くの診療所で公害医療を受けることになりました。同じ病院で公害医療と他の医療を受けるときは包括的一括請求になっているためどちらかの医療しか受けれない場合があります。
★Bさんの場合
救急車で入院、回復しましたが、一人で生活できる状態ではなく介護施設に入所しました。施設では公害医療を受けることができず、近くの開業医さんで公害治療を受けることになりましたが一人で通院ができず、月2回ケアマネさんにお願いすることになりました。Bさんは近くに身寄りがなく、たまたまケアマネさんにお願いできましたが、施設や病院から外の医院で公害治療を受けなくてはならない場合、受け入れていただける病院(開業医)が近くにあるかどうか、受診する場合、付き添えの体制があるかどうかなど事前に相談しておくことが大切です。わからないときはご相談ください。
各会だより
<西淀>定期大会を開催 重量税廃止反対署名を広げよう!
10月26日、定期大会を開き、当面する公害補償を守るたたかいに全力を挙げる方針と予算、運動の先頭に立つ新しい役員を決めました。
開会挨拶で森脇会長は、公害補償制度をめぐる攻防は国の予算編成の方針を決める与党税制調査会の議論が最終段階を迎える12月25日頃が山場となることを示した上で、「いま大事なことは国会に向けた請願署名を広げること。最後まで集めきろう」と組織の拡大と合わせて署名活動へのいっそうの奮起を呼びかけました。
大阪連合会第37回大会 自動車重量税廃止反対の大運動を!
大阪連合会は9月26日、此花会館梅花殿で第37回大会を開催しました。大会は、消費税増税と引き換えに自動車重量税の廃止を強く求めている自動車工業会との対決に全力を挙げるとともに、与党の税制調査会への要請活動、3万筆を超える請願署名を集めるなど当面する行動への決意を固めあいました。
大会には府内各地の患者会から代議員55人が参加。開会のあいさつで森脇会長は「補償法ができて40年、なくそうとする動きがある。自動車工業会を中心とする自動車重量税の廃止をめざす勢力は、12月の税制改正大綱を決める論議に持ち込もうとしている。補償法を何としても守り抜くための真剣な討議と患者会を増やす活動を」呼びかけました。
各会からは、毎月会議を開いて会員の絆を深める活動をし、仲間を増やしてきた。(東大阪)・いつでもどこでも署名用紙!を合言葉に、5枚10枚と預けて、これまでに815筆を集めた。(福島)・堺市長選挙の応援と自動車重量税廃止反対の署名で会員訪問をした。みんな快く引き受けてくれたので元気をもらった。(堺)・診療所の協力を頂いて机を出して署名をよびかけたら2日間で57筆集まった。(都島)など、自ら足を出すことで活動と共感が広がり、元気になっている様子が紹介されました。
大会は、決算、予算、特別決議、新役員を全員一致で採決しました。なお、大会には、泉南アスベストの原告・弁護団が出席し、あいさつしました。
自動車重量税廃止反対で第1次中央行動
国会と自工会へ「公害補償を守れ!」
「自動車工業会はあきらめていない!」
自動車重量税の廃止をめぐる攻防がいよいよ始まります。全国患者会はこのほど事務局会議を開き、自動車重量税廃止反対第1次中央行動を9月10日〜11日に実施することを決めました。
患者会は6月の全国幹事会で、参議院選挙後に消費税増税とセットにした自動車重量税廃止の動きが活発化すると想定。各省庁の平成26年度予算要望が出揃う段階で「自動車重量税廃止やめて!公害補償を守れ!」の行動を起こすことを決めていました。
自動車工業会(会長:豊田章夫トヨタ自動車社長)は今年2月の会長会見で、自動車取得税が消費税10%実施時点で廃止することになったことに「感謝する」一方で、「残念ながら自動車重量税については廃止の結論に至らなかったが、年末の議論で自動車ユーザーの負担軽減につながるような結論を導き出していただきたい」と廃止への意欲を表明しています。
今回の中央行動は、参議院選挙後初の行動で規模は50人。発足から5年目、7万3千人を超えた東京の「大気汚染医療費助成」制度の継続を求めるたたかいも大きな山場を迎えていることから都庁前行動への参加からスタート、環境省交渉、国会と自工会への要請などを予定しています。
第38回 被害者総行動デー
石原大臣、田中副大臣と交渉
「なくせ公害、守ろう地球環境」を合言葉に全国の公害被害者が共同して取り組む公害被害者総行動デーが6月6、7日の両日開かれ、環境大臣交渉をはじめ関係各省、経団連など経済団体、東京電力などの企業と交渉。公害をなくし被害者の救済を求めて行動しました。
6日午前11時から開かれた環境大臣交渉には石原伸晃大臣、田中和副大臣がそろって出席。環境行政のあり方や公害健康被害補償法の財源確保、PM2.5対策などについて副大臣が答弁した後、水俣病患者、福島原発事故の被害者らが被害の状況を切々と訴えました。被害者を代表して森脇君雄代表委員が環境大臣に感想を求めましたが、大臣は「個別の問題には答えられない」と突っぱね、周囲を驚かせました。
日比谷公会堂で開かれた総決起集会には1200人が詰めかけました。被害の現状を軸に構成した舞台に目頭を押さえる参加者も多く、連帯と共同の呼びかけに拍手でこたえました。
2日目は早朝ビラ配布でスタート。経団連や自工会などの経済団体、経産省や国交省などの各省と交渉しました。大阪代表団54人(西淀13)は全員無事に役目をはたして帰阪しました。
測定体制はできても対策はPM2.5で大阪市
公害患者会が大阪市交渉
大阪公害患者と家族の会連合会は5月9日、公害患者の権利を守り、公害対策を求める要望書に基づく交渉をしました。会場のあべのルシアスには森脇君雄会長はじめ患者ら37人が参加しました。大阪市からは、渡辺和彦・保健所公害健康被害補償担当課長、森河内麻美・保健主幹、北野善美・環境管理部環境課長代理、福本弘・環境規制担当課長代理らが出席しました。
改善しつつあるものの今も深刻な汚染が続いている大阪市内の二酸化窒素の大気汚染で患者側は、交通規制や車線削減などで大型車そのものを減らすことを強く求めましたが、市側は「1時間値の1日平均値0.06ppmを達成し、さらに0.04ppm以下をめざす」と繰り返すばかり。努力表明はするのですが、具体的で有効な対策を示すことはできませんでした。
PM2.5対策では、3年間で環境省が決めた設置基準を満たすことを目指していた測定体制では、12箇所の整備が完了したと回答しました。患者側は、道路沿道を含めてすべての測定局に測定器を設置するよう求めましたが、市側は応じませんでした。
また、公害裁判の和解で設置された国道2号と43号の測定局では、平成17年からずっと環境基準を大きく上回っているデータを示して、自動車からのPM2.5対策の緊急性を指摘。「中国からの汚染以前に国内の沿道対策こそ急ぐべきだ」と強く求めました。市側は、「PM2.5が環境基準に不適合だという認識はある」とはいうものの、肝心の対策となると具体性がありませんでした。
公害患者の医療と生活を守る保健所との交渉では、公害医療や転地療養の問題を中心に意見交換しました。参加者からは、高齢化による治療と薬に関する様々な問題が日常的に発生している実態が語られ、早急に解決が求められていることが明らかになりました。患者側から「現場で起こっている実態を調べて欲しい」「情報を共有し問題解決につなぐための懇談の場をつくること」を提案しました。